HOME テレビ ローカル探訪「熱血テレビ」キャスターの声でスイッチが!「山口放送」
2017.11.8

ローカル探訪「熱血テレビ」キャスターの声でスイッチが!「山口放送」

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1956年に山口県内初の民放局として誕生。今年開局60周年を迎えるラ・テ兼営局。1999年4月に誕生した『熱血テレビ』はローカル情報ワイド番組。(毎週月〜木16:53〜17:53、金16:45〜17:53)。

※本記事は2016年3月に発売されたSynapseに掲載されたものです。

 

今年18 年目に突入の長寿番組「熱血テレビ」に直撃取材

 

今年18年目を迎える『熱血テレビ』には今も変わらず続ける“ルーティーン”がある。本番15秒前。高橋裕キャスターの「よろしくお願いします!」という声がかかってから放送は始まる。先代のキャスター、井上雪彦さんから引き継いだ儀式だ。「その日いちばん大きな声でみんなのスイッチを入れるんです。仕事のこと、家のこと、いろんなことを抱えてスタジオに入ってくる人がいる。でもその声かけの瞬間からスタートだよ!って」(高橋さん)

もうひとりのMC高松綾香キャスターも「番組が始まる前に落ち込んでいる時があるんです。でもこのかけ声でスイッチが入りますね」と語る。スタッフと演者が一体となる瞬間である。 現在、視聴率は好調で、今期最高は14%超を記録している。「番組の売りは“まじめさ”と“あたたかさ”」と語るのはプロデューサーの渡部雅史さん。

楽しい情報から時にはまじめな社会問題まで、幅広く伝える「熱血特集」のコーナー、日替わりの料理アドバイザーが腕をふるう「今夜のもう一品」。そして「パネルクイズ・答えはどっち?」でMCがサイコロを振る姿は県民にとって17年間続くおなじみの光景だ。コーナー枠自体は定番だが、内容は旬なもの、時事的なものを扱い、飽きさせない。

はがきや電話などを通じての視聴者との掛け合いはラ・テ兼営局ならではのつくり。ラジオパーソナリティも経験する出演者たちと一般の方とのインタラクティブであたたかいやり取りが魅力である。 昨夏、大きな変化があった。入社4カ月目の高松さんがメインMCとして抜擢されたのだ。高松さんは地元出身。

番組との“付き合い”自体は長い。「『熱血』を見て育ったんです。視聴者のときの気持ち、見方を忘れないでやっていきたいです。県民にとっては、あって当たり前の番組。他局ですけど『笑っていいとも!』みたいな。裕さんはタモさん的存在なんです」

目指すは「マンネリではない定番番組」。そして「そこにつくり手の“ワクワク感”をプラスすることが重要」とは渡部P。特集のテーマは基本は担当Dに任せる。各自の個性を出すことができるので、番組にも多様性が生まれるのだ。「企画を提案された時は『お金がかかり過ぎなきゃいいよ』って言います。昨日と同じにしている方が楽なのに、わざわざ新しいものを提案するんですから、意見は生かしたいですね!」(渡部P)

 


 

ドキュメンタリー番組を始め数々の賞を受賞する山口放送。

その制作力の高さの秘訣は?

年末特番を通して3つの帯番組の連携を強化。

 

報道制作局 テレビ制作部長
渡部 雅史さん

1981年入社。報道、営業、事業など様々な部門を経て2009年にテレビ制作部に。『熱血テレビ』のプロデューサー。

 


 

「かねてより社会に訴える番組をつくろうという意識は根底にあったと思います。そんな先輩の姿をみて、次の世代が勉強し、超えようとする。自分もこういうテーマを探してみようと切磋琢磨しています」

視聴者や取材対象との距離の近さについては「社の方針というか、会社を開放して視聴者と触れ合うということは伝統的にやってきました」と言う。「『24時間テレビ』では本社に特設スタジオをつくりロビーを開放します。『秋祭り』という毎年のイベントも昔は会社でやっていたんです。最終的には一般の方のクルマで渋滞しちゃって苦情がうまれるほど(笑)」

制作部門は3つもある。「テレビでは『報道』と『制作』、ラジオも『制作』の部があります。100人ちょっとの会社なんですけど、3つの帯(朝のニュース、夕方ワイド、夕方ニュース)をやっていて、みんなよく倒れずにやってます(笑)」

その3つの番組が昨年末一堂に会した。「『年末大感謝祭』と題してひとつの番組をつくりました。初めての試みです。それぞれの帯のキャスターを6人集め、演出は『熱血』がやり、報道の人間が企画を担当し、中継は誰がやるとか、ある種お祭りでした。一緒の番組をつくるというのは大事。やっぱりどうしても我が子かわいさっていうのはありますしね。これからは他の帯との連携も強めていきたいですね」

 


『精神の局』といわれる山口放送。その所以をテレビ編成部の藤村部長に聞きました。

 

いざというときの団結力の高さが特徴。

編成業務局 テレビ編成部長
藤村 剛さん

1990年入社。大阪支社に配属後、東京支社、本社編成、東京支社を経て、2015年4月より現職。

 


 

― 編成面で工夫していることはなんすか?

「流れは少しずついじっていますね。例えば『熱血』の前に古いドラマを組んで、入りを高くしてつなぐようにしたこともあります。一般の人に『夕方の時間にどんな番組をご覧になりたいですか?』と聞いて、その声を反映させたり。今、午後は7時間生編成です」

 

― 自前でいろいろやるんすね。

「『秋祭り』でも、自分たちで来場者向けのアンケートシステムをつくってiPadで答えてもらいました。まず自分たちでやらなきゃ! っていうのが基本ですね」

 

― どんな社風すか?

「ここに行こう! って目指した時にみんなでその方向に行くって感じですね。象徴的なのは年末の防府読売マラソン。夏頃から営業はスポンサーさんにお願いに行きはじめ、放送もみんなで作戦会議して。団結してワーッ! ってなるんですよ(笑)。意思統一がされている感じ。他の局からも『精神の局だよね』っていわれたりしますね」

 

― 他にもなにかやってるんすか?

「例えば、東京にスタジオをつくりましたよ。東京の最新のホットな話題をローカル番組の中にどんどん取り入れていく方針で。ローカルにこだわるとともに、外にどんどん出て行こう! って」

 

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