【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】Netflix 配信作品の視聴時間を初公開、新たなステージへ

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【小西 未来のハリウッドのいま、日本のミライ】Netflix 配信作品の視聴時間を初公開、新たなステージへ

Netflixがこれまで謎のベールに包まれていた視聴時間をついに明らかにした。先日、同社は「What We Watched: Netflixエンゲージメントレポート」を発表。2023年上半期を対象に、5万時間以上視聴されたオリジナルおよびライセンス作品の視聴時間をすべて掲載している。これはNetflix全視聴の99%に相当する18,000以上のタイトルを網羅しているという。

気になるベストテンは、以下の通り。

『ナイト・エージェント』(シーズン1)8億1210万時間

『ジニー&ジョージア』(シーズン2)6億6510万時間

『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』(シーズン1)6億2280万時間

『ウェンズデー』(シーズン1)5億770万時間

『クイーン・シャーロット ~ブリジャートン家外伝~』5億300時間

『YOU ―君がすべて―』(シーズン4)4億4060万時間

『La Reina del Sur』(シーズン3)4億2960万時間

『アウターバンクス』(シーズン3)4億250万時間

『ジニー&ジョージア』(シーズン1)3億210万時間

『FUBAR』(シーズン1)2億6620万時間

『MANIFEST/マニフェスト』(シーズン4)2億6260万時間

再生時間のランキングなので、映画よりもドラマ、しかも、エピソード数の多いものが上位にきていることがわかる。

Netflixオリジナルの人気作『ジニー&ジョージア』『YOU ―君がすべて―』『アウターバンクス』『今際の国のアリス』などが順調にヒットしている一方で、新シリーズの『ナイト・エージェント』『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』『FUBAR』も成功している。

また、非英語のコンテンツが全体の3割を占めているなど、発見が至る所にある。

だが、このリストの最大の驚きは、そもそもNetflixが内部情報を披露したことにある。映像コンテンツといえば、劇場映画は興行収入や動員数、テレビ番組は視聴率や視聴者数と、その成否が数値で表されるのが当たり前だった。

だが、Netflixをはじめとする動画配信サービスは別のルールを打ち立てた。

テレビ放送局は広告販売が主要な収入源となっていたのに対し、動画配信会社はユーザーからの直接的な収入、すなわち「サブスク料金」だ。会員数を増やすために、視聴時間などの具体的な数字を開示する必要はない。

株主が気にするのは収支と会員数だけだし、個別作品の視聴回数まで報告したら、視聴回数の少ない作品にゴーサインを出した経営判断に疑念を抱かれるリスクがある。それにブラックボックスとしたほうが、ライバルに手の内を探られずに済む。

だが、この手法はコンテンツを提供するクリエイターたちを敵に回すことになった。今回、米脚本家組合と米俳優組合のストライキが長期間に及んだ原因のひとつが、動画配信サービスからのレジデュアルと呼ばれる使用料の少なさだ。

正確なレジデュアルを算出するためには視聴データが不可欠だが、動画配信サービスはそもそもその開示を拒んでいた。長い労使交渉の末、動画配信サービスが折れている。

そして、今回Netflixが他社に先駆けて情報開示に踏み切ったというわけだ。これはNetflixが新たなステージに立ったことを示している。有料会員数は2億4715万人に到達し、北米ではインフラのような存在になっている。

透明化を推し進め、有能なクリエイターたちの支持を取りつけることで、他社を引き離そうとしているのかもしれない。

What We Watched: Netflixエンゲージメントレポート

<了>

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