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2017.12.13

Amazon プライム・ビデオ 大開封!(前編) 「幅広い層へのコンテンツ供給は我々にとってチャレンジ!視聴者数が伸びた『ドキュメンタル』」 アマゾンジャパン ジェームズ・ファレルさん

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 ジェームズ・ファレル

アマゾンジャパン  Amazonプライム・ビデオコンテンツ事業本部長 2005年より10年間ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンに在籍。ニューメディアグループに所属し、ロサンゼルス、トロント、そして東京で勤務。15年4月、Amazon プライム・ビデオの日本での立ち上げのため、現職就任。

2015年のサービス開始以来、加速度的にオリジナルコンテンツを増加させ、圧倒的な数を誇るAmazon プライム・ビデオ。日本市場で成功するための戦略と、オリジナルコンテンツの制作におけるポイントについて伺った。


〝フィフティー・フィフティー・アプローチ〟でコンテンツを選定

 

――日本で定額制ビデオ配信サービスを立ち上げるにあたり、特に気を配った点を教えていただけますか?

「最大の課題は、日本の視聴者がどのようなコンテンツを観たいと思っているのかを探ることでした。既存の映画、アニメ、キッズか、それともAmazonオリジナル番組を観たいと思っているのか……。これを最も難しい戦略的な課題として取り組んできました」

――事前リサーチと、コンテンツの選択および決定までのプロセスはどういったものでしたか?

「我々は、〝フィフティー・フィフティー・アプローチ〟という手法を採り入れています。コンテンツの50%はすでに人気があるもの、多くの人が観たいと思っているであろう、コンテンツに焦点を当てます。例えば、映画の場合、どのくらいの人にその映画が観られているのか、興行収入を見ればわかります。テレビにしても、テレビ朝日系の『ドクターX』シリーズのような高視聴率番組は、観たい人も多いだろうと推測できます。つまり、興行収入や視聴率から予測して、可能性の高い番組に50%をつぎ込むわけです。

一方で残りの50%は新しいもの、これまでなかったようなコンテンツ制作につぎ込みます。なぜなら、Amazonを利用するお客様は、新しいもの、他にはないコンテンツにも期待していると想定しているからです。 そういった意味で、我々はリスクを取ることを辞さない姿勢を貫いているといえます。『バチェラー・ジャパン』のような成否がわからないオリジナル番組や、松本人志さんの番組『HITOSHI MATSUMOTOPresentsドキュメンタル』(以降『ドキュメンタル』)や、浜田雅功さんと千原ジュニアさんの『戦闘車』、東映の『仮面ライダーアマゾンズ』のように、他とは違った実験的なコンテンツ制作にも挑戦しています」

――想定ターゲット層にあわせて、コンテンツを変えているのでしょうか?

「非常に難しいことではありますが、ベネフィットもあると思っています。なぜなら、Amazonの利用者は本当に幅広く、居住地は大都市圏内に限らず、老若男女、家族や単身世帯など実に多様です。そのため、単に男性向け、女性向け、子ども向けといった番組を制作するだけではいけない、という責任を感じております。

これまでに20以上のシリーズを企画・制作してきましたが、人気の高かったオリジナル番組のトップ5は、バラエティの『ドキュメンタル』や、恋愛リアリティーの『バチェラー・ジャパン』、アニメ『クレヨンしんちゃん』、ディーン・フジオカさん出演の恋愛ドラマ『はぴまり~ Happy Marriage!? ~』、『仮面ライダーアマゾンズ』など、実に多様です。これは、広範囲にわたるお客様にリーチできている証です。また、幅広い客層にコンテンツを供給し続けるということは、我々にとって大きなチャレンジでもあります」

――Amazon さんでは、どのように視聴データを分析しているのでしょうか?

「どの番組を何人が視聴しているかというデータはもちろんトレンドも重視しています。例えば『バチェラー・ジャパン』では、エピソードを重ねるごとに視聴者数が伸びていったことから、TwitterなどSNSで拡散されるのであろうと自信を深めることができ、それがシーズン2の制作につながりました。もし、注目度が下がっていれば、シーズン2の制作は中止になったでしょう。他にはいわゆるソフトデータと呼ばれている、お客様のコメントも活用しています。

Amazonのサイト上ではプライム・ビデオのコンテンツも含め、どの商品に対して誰でも自由にコメントし、それを他の人も読めるようになっています。例えば『ドキュメンタル』の場合、何千人もの人たちが番組への感想を書き込んでいて、それらは我々の意思決定に強く影響しています。人気が高ければシリーズ化しますし、そうでなければ次のシリーズ制作はありません」

――データは制作側にも提供しているのですか?

「もちろん、より良い番組づくりのために制作側に協力しています。分刻みの視聴率をチェックするといった細かいことはやっていませんが、『良かった』というコメントが多かったシーンはその部分を生かし、『悪かった』ということであれば原因を追及し、変更します。また、非常に重要なフィードバックだと判断した場合、制作側にダイレクトに伝えるようにしています。 日曜朝の番組で45シーズン続いている『仮面ライダー』シリーズは、毎シーズン違うキャラクターが登場しますが、『仮面ライダーアマゾンズ』はシーズン1のときに非常に多くの方々から、同じキャラクターを主人公にした作品が観たいという要望がありました。そのためキャラクターは変えず、様々な要素を付け加える形でシーズン2以降を制作することにしました」

――日本の制作者や制作スタイルに対する印象を教えていただけますか?

「まず、日本のプロデューサーの共通点は、信頼ベースで仕事をしている点です。これは、一晩にして緊密なパートナーになれるという意味ではなく、徐々に信頼感を高め、一緒に作品の世界観を広げていくことができるという意味です。東映の『仮面ライダー』の場合、当初は、昔の仮面ライダーの古いエピソードをプライム・ビデオで配信するところから始まりましたが、多くの視聴者がいることが分かってきました。

そこで、『仮面ライダーアマゾンズ』という、他では観れないプライム・ビデオでのオリジナル番組の発展に繋がりました。このように、小さく生んで信頼関係の構築が進むにつれて大きく発展をさせていく、というのは世界共通のスタイルだと思います。 また、多くの制作者にとって、番組の中に広告がないという点がAmazonと仕事をする上で、新鮮な体験となっているのではないでしょうか。広告主が好む番組をつくるのではなく、ファンの反応に直接触れながら制作する。このような状況に非常にうまく適応できたのが、芸人の方々です。

例えば、松本さんは、ファンの方々がどんな番組を観たいと思っているのかとてもよく分かっていらっしゃいますし、浜田さんや東野幸治さんなども同様です。ファンにとっても、自分たちが観たい番組をつくってもらえるため満足度が高いです。これは、制作者、タレント双方にとって、とてもいい環境だと思います」

――御社から制作側にリクエストすることはあるのでしょうか?

「我々や制作側にとって、最も重要なことは、やはりできるだけ多くのお客様に楽しんで観てもらえる番組を制作することに尽きます。それをどんな場面であっても常に意識してもらうようにしています。我々からアドバイスを提供することもありますし、互いに意見を出し合う協力関係はできています」――既存のコンテンツの買い付け基準と、ローカル局の番組にご興味があるのかどうかを教えてください。

「我々のコンテンツの約半分は、既存のコンテンツを買い付けたものです。例えば、アニメは非常に人気が高く、フジテレビの深夜アニメ枠『ノイタミナ』、MBSの『アニメイズム』の枠、ドラマであればテレビ朝日の『ドクターX』、テレビ東京の『金と銀』、TBS『JIN~仁~』、キッズプログラムでは『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『妖怪ウォッチ』、またディズニー・チャンネル オンデマンドなどです。このように、あらゆるカテゴリーにおいて、多角的にライセンシングを行っています。

Amazonのようなサービスの利点は、テレビのように時間帯ごとに番組数が決まっていない点にあります。番組数の縛りがないため、幅広い作品を提供でき、その中からお客様が好きな作品を見つけて視聴することができます。数の制限がないので、今後はローカル局の番組も買い付けていきたいですね」

(vol.2)に続く

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