HOME メディア ~ラジコプレミアム会員のやきそばかるが全国津々浦々のラジオ番組を独自の視点で愛し、世間にレコメンド~ やきそばかおる「僕のラジオ生活」
2017.11.4

~ラジコプレミアム会員のやきそばかるが全国津々浦々のラジオ番組を独自の視点で愛し、世間にレコメンド~ やきそばかおる「僕のラジオ生活」

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ラジオレコメンダー”やきそばかおる”のI Love RADIO  第1回

やきそばかおる

ライター・構成作家、そして大のラジオファン。1975年山口県生まれ
radiko.jp」をはじめ、雑誌やWebなどでラジオに関するインタビューやコラムを執筆中。
全国のユニークなラジオ番組を紹介するツイキャス『週刊ラジオ情報センター』は毎週火曜21時~生放送中。

※本記事は2017年3月発売のSynapseに掲載されたものです。


この方、やきそばかおるさん。おもにライターを生業としている。

「好き」が高じて「好き」なことをどんどん仕事にしてきた。例えば無類の高田純次好き。古くから発言を採集し、自身のサイトで公開していたらテレビ雑誌の仕事に繋がったり、自主的に書いていたテレビ番組の感想コラムがネットで面白いムーブメントや人物を取材する仕事に繋がったり。

とにかく無限の引き出しを持つ人なのだが、本コーナーで紹介してもらうのは「ラジオ」。“電波銀座”と呼ばれる山口県に生まれ、地元放送局はもちろん愛媛や福岡の局まで聴きまくり、局ごとの番組制作のカラーを比較・整理するような少年だった。大学時代を過ごした広島では、東京のラジオ局の公録に青春18きっぷで駆けつけたり、ピークの時には月産330枚というハガキ職人だったこともあった。

そんなやきそばさんのラジオ愛とラジオ生活。今回はごあいさつがわりにやきそばさんオススメのラジオ番組を紹介しまくりでお届けする。

 

忙しい朝の時間帯でも、用途と気分によって聴きわける。

まずは日々の聴取習慣から。家にいる限りはおおむねラジオが付いている。テレビの仕事もあるしテレビも大好きなのだが、割けるのは1日2〜3時間程度。録画したものの見ていない番組が600本に達していると苦笑いする。でもラジオは常に聴く。ラジオは作業しながらでも流せるから。当然、ラジコプレミアム会員で日本全国のラジオ番組からチョイスする。

まずは朝。「8時か9時に起きて、FM COCOLOの『HIRO TʻS AMUSIC MORNING』。すごくキャリアのあるDJのヒロ寺平さんの番組なんですが、これがラジオと共に歩んできた大人世代に向けた内容で、ゆったりとおしゃれな気分になれます」 朝は「タイムスタンプ」と呼ばれるぐらい、時報代わりにおきまりの番組を選びがちだが、やきそばさんは、積極的に変えていく。その選択の幅はとてつもなく広い。

「情報を得たい場合はJ︲WAVEです。平日は別所哲也さん、週末はジョン・カビラさんの番組を聴きますね。さすがの安定感です」

そして、いわば対極のような2番組を挙げる。だがこちらもラジオの“王道”である。MBSラジオの『ありがとう浜村淳です』、そしてABCラジオの『おはようパーソナリティ道上洋三です』。「個人的に関西弁のフリートークが大好きなんです。だから聴くとほっこりするというか、ヒロさんとは別の意味でなんだか落ち着いた気分になれるというか……」 浜村さんも道上さんもキャリア40年を超える大阪の“朝の声”である。レジェンド司会者とレジェンドアナウンサーの磨き上げられた話芸×関西弁がとにかく耳に心地よいのだそうだ。

「単純に明るい声が聴きたい時は福岡のLOVEFMのAnnaちゃん。彼女はバイリンガルで、トークのテンポも良くって、聴いているとすっごく元気にさせてくれます。あるいはbayfmの『miracle!!』も聴きます。……こっちもパーソナリティはアンナちゃんですね(笑)」


PROGRAM

『HIROT’SAMUSICMORNING』

DATA                         

FMCOCOLOFM76·5㊊-㊍6:00-11:00

 

CONTENTS

音楽、映画、スポーツ、トレンド、お出かけ等とっておきの旬な情報満載の5時間!キーワードはSLOWLIFEwithQUALITY。ヒロ寺平の軽快なトークでゆったりした気分に。


 

PROGRAM

『J-WAVETOKYOMORNINGRADIO

DATA                           

J-WAVEFM81·3㊊-㊍6:00-9:00

CONTENTS

通勤・通学前のひとときにチェックしておきたい情報をぎゅっと凝縮して別所哲也がお届け。日替わりで迎える話題のゲストや専門家のトークも聞き逃せない。


PROGRAM

『~JKRADIO~TOKYOUNITED』

DATA                         

J-WAVEFM81·3㊎6:00-11:30

CONTENTS

コンセプトは“UNITE(つながる)”。東京に溢れるモノ、集まってくるモノをジョン・カビラが自身の視点でピックアップし、世界、社会、人…あらゆるものと“UNITE”していく。


PROGRAM

『ありがとう浜村淳です』

DATA                         

MBSラジオAM1179・FM90·6㊊-㊎8:00-10:30㊏8:00-11:30

CONTENTS

「いちばんに入れるスイッチなんでしょう。来る日も来る日も毎日放送〜」から始まる、パーソナリティ界のレジェンド・浜村淳の朝ワイド番組。関西弁の掛け合いが耳に心地よい。


PROGRAM

『おはようパーソナリティ道上洋三です』

DATA                         

ABCラジオAM1008・FM93·3(月)-(金)6:30-9:00

CONTENTS

関西の人々には説明不要。「エグゼクティブアナウンサー」の名を持つ道上洋三の、朝のワイド生番組。気候の話を無理なく広げ、話題ごとに新聞各紙を渡り歩きながら柔らかく解説する朝刊のコーナーも心地良し。


PROGRAM

『TopoftheMorning』

DATA                         

LOVEFMFM76·1(福岡·佐賀·長崎·熊本·大分)82·5(福岡西)82·7(北九州·山口)(月)-(金)7:00-11:00

CONTENTS

一日の始まりをやさしい„ビタミン"ヴォイスでスタートアップ!今日の元気を音楽でチャージしながらAnnaとLUEがあなたの朝にマストなデイリー情報もテンポ良くお伝えします。


PROGRAM

『miracle!!』

DATA                         

bayfmFM78·0(月)-(木)9:00-11:53

CONTENTS

毎日にシゲキとイロドリを!「番組にメールを送るだけで気軽に弱音も愚痴も吐ける!一緒に楽しめる!そんなラジオは3D!」と語るDJANNAが、オトナをゲンキにする生放送を展開中!


 

また、トークを楽しみたい時には『平成ラヂオバラエティごぜん様さま』を選ぶとか。知る人ぞ知る広島の番組で、メインパーソナリティは局アナの横山雄二さんだが……。「実は横山アナは、話題のアナウンサーなんですよ。ラジオが好きなアンガールズの山根さんも横山さんの大ファン、爆笑問題のラジオ番組で紹介していました。非常に優秀で、オープニングトークが毎回面白いんです! ラジオ局のイメージとか、ノリの良さって、横山さんのような求心力と行動力のある人がいれば変わると思うんです。横山さん登場以降、RCCは攻める企画をしています。あと、今一緒にラジオ番組を紹介する放送をしているニッポン放送の吉田尚記アナウンサーとかもそうですよね!」

お昼もラジオは聴くけれど、“自主練”タイムとして活用も。

お昼ももちろん聴くが、わりと流動的だという。当然ながら仕事で外出することも多いし、「radiko・jp」やラジオ局広報のツイートをもとに番組を選ぶことも少なくないから。「色々なゲスト情報をツイートしてくれるので便利なんです。11時30分からこの人があの局に出て、16時にはあの人が出るからあっちの局を聴かなきゃなんて、午後は頭の中でスケジュールを立てます。どうしてもリアルタイムで聴けない番組はタイムフリー用に、脳内にメモします」 レギュラーで聴くおすすめはbayfm。「『MUSIC SALAD』ですね。1時間というコンパクトな尺で、でもバラエティ豊かで聴きやすいリクエスト番組です。公開放送なのもいいですね」


PROGRAM

『平成ラヂオバラエティごぜん様さま』

DATA                         

RCCラジオAM1350 FM94·6(月)-(金)9:00-11:30CONTENTS放送3500回を超え、2冊目の番組本も発売。ギャラクシー賞ラジオ部門DJパーソナリティ賞受賞の、天才・横山雄二アナがメインを。月曜は安仁屋宗八、桑原しおりが担当。


PROGRAM

『YAMAMANpresentsMUSICSALADFROMU-kariSTUDIO』

DATA                         

bayfmFM78·0(月)-(木)12:00-12:51

CONTENTS

サテライトスタジオからの公開生放送、bayfmのお昼の顔。スタジオ観覧者や、リスナーとの2wayをメインに、番組ラストのオンエア楽曲を投票で決める。写真は火曜担当の宇佐美友紀。


 

かつて広島から東京の公開放送に駆けつけたやきそばさんの思い出をくすぐる何かがあるのかもしれない。

「聴く番組が流動的になっている分、お昼の時間帯は僕にとってはいろいろな局を試すチャンスなんです。5分ほど空いた時間があれば、“この時間の東北放送は?”“宮崎放送は?”って聴いてみるんです。僕、中学生の時から全国のラジオ番組表を見て、あの地方では、こんな番組があるんだーって想像しながら育ってきました。それでラジオに対するリテラシーが鍛えられたところもあります。例えば沖縄だと、民謡や方言などを扱った地域色の強い番組が多いとか、地方局のカラーもなんとなくわかるようになった。それが今ラジコのエリアフリーのおかげで実際に聴けるなんて夢のようです。ここは、とにかく色々な局を聴いておく自主練習みたいな時間ですね(笑)」

 

22時〜深夜1時は激戦区。面白すぎてテレビが見られず。

夜は激選区で、聴きたい番組てんこ盛り。特に22時から深夜1時までは迷いに迷う。この時間帯のラジオの充実度が、やきそばさんをテレビから遠ざけるハメになっている。「まずニッポン放送の『オールナイトニッポンMUSIC10』。この時間は『MUSIC10』が放送される前は、深夜の『オールナイトニッポン』同様にトークが中心だったんですが、コンセプトを音楽寄りにして、しかも非常におっとりしたテイストになりました。木曜日の斉藤由貴さんは特におっとり︵笑︶。朗読があったりして心和みます。僕の周りのおっちゃんたちに、斉藤由貴さんのファンが非常に多くて。公開録音が行われた時には、整理券を求めるのに1時間待ちだったらしいですよ。夜の10時から12時のあいだに、その年代がラジオを聴くようになったのは、この番組の功績だと思います!」

同じように音楽を扱いながらも、まったく違う色合いなのが、大阪のABCラジオ。「『よなよな…』という番組もこの時間帯なんですが、僕が特に好きなのは水曜日。恋愛ソングのカリスマと言われるシンガーソングライター・近藤夏子さんが担当していて、リスナーと電話を繋いで近況を聞いたり人生相談をしたりするんですが、その距離の取り方・詰め方が天才的!」

特に「ナツコステーション」というコーナーでは、先輩に恋をしてしまった、卒業するので先生に感謝の気持ちを歌にしたい……など、リスナーから聞き出した色々な話をモチーフに、近藤夏子が曲をつくって、翌週に披露するという。「この番組は、ラジオの教科書だと思います。お手紙は小学生から80歳まで来るんですよ!」 しっかり聴いてためになり、疲れた体を癒してくれるのがLOVE FMの『月下虫音』。「女性DJの大田こぞうさんが、ちびまる子ちゃんを彷彿とさせる声で博多弁でしゃべってます。その雰囲気がかわいくて。大田さんは生き物に非常に詳しいんです。ザッピング中に耳にして、思わずハマりました」

そんななかでやはり強し! J︲WAVEの『AVALON』もチェックしている。「おもに10代の学生が聴いている番組です。渡辺直美さんやKenKenさんなど、個性豊かなナビゲーターが、ある時はまじめに、ある時は良い意味でバカバカしい企画でリスナーを連日楽しませています。ゲストも多彩です。なかでも人気の人生相談のコーナーでは、各ナビゲーターが真摯に答えています」


PROGRAM

『オールナイトニッポンMUSIC10』

DATA                         

ニッポン放送AM1242FM93(月)-(木)22:00-23:50

CONTENTS

「大人の音楽」をテーマに、森山良子、名取裕子、鈴木杏樹、斉藤由貴(写真)が日替わりで担当。松田聖子も月一で。洋楽邦楽のヒット曲からクラシック、童謡まで、音楽とラジオの楽しさを伝えてくれるプログラムだ。


PROGRAM

『よなよな…』

DATA                         

ABCラジオAM1008・FM93·3(月)-(木)22:00-25:00

CONTENTS

いろんな“おもろい”をしゃべり倒す3時間の生放送。シンガーソングライターの近藤夏子が担当するのは水曜日。超絶コミュニケーションスキルでリスナーとの距離感もナイス!


PROGRAM

『月下虫音』

DATA                         

LOVEFMFM76·1(福岡·佐賀·長崎·熊本·大分)82·5(福岡西)82·7(北九州·山口)(月)-(木)22:00-23:30(生放送)(日)22:00-23:00(録音)

CONTENTS

月明かりの下で静かに虫の声に耳を傾けるように、今日一日を振り返り、明日に向かう準備をするための時間。太田こぞうがお届けする、良いことは胸に保存、悪いことは昨日に置いて行こう…というひととき。


PROGRAM

『AVALON』

DATA                         

J-WAVE FM81·3(月)-(木)22:00-23:30

CONTENTS

ニュー・ジェネレーション(若者)が住む架空の街「AVALON」を舞台に、その街をよくするために奮闘する政党の代表が日替わりでナビゲート。この4月から内容も大幅リニューアル。多彩なネタを聴かせてくれる。


 

同じ時間帯の、やきそばさんのなかでの選択肢におけるもう一つのライバルはFM802。「落合健太郎さんのリクエスト番組です。ラジオはリスナーやゲストに対するおもてなしの精神が重要だと思うんですけど、この番組のホスピタリティは目を見張るものがあります。本来は自由に“聴き寄って”、飽きたら帰ればいいと思うんですけど、この番組には“また行きたい”と思わせる力がすごく強い」 例えば受験生向けの企画。電話を繋いで受験生に思いの丈を語ってもらったあと、番組ステッカー「うまくいくシール」を最大5枚送るらしい。そう、友だちにお裾分けしてもらう分だ。「こういうのって80年代の夜のワイド番組の文化なんですよ。僕が中高生の頃には必ずありました。ラジオ番組のリスナー参加コーナーに出たら、自分の学校名と友だち5〜6人の名前を言って最後に『サイン入りの番組表を10枚ください』、というところまでがお約束。こういうカルチャーが802には残ってるんです。あと、やまだひさしさんの『ラジアンリミテッドF』あたりの深夜番組にも、そういうムードは色濃くあるんですね。いろんな番組で僕が聴いたことがあるのが、例えば “志望校は口に出して言ったほうがいい”みたいなスタンスというかフレーズというか。そんなことをどんどん流布させていくみたいな……そういうラジオならではの、学生たちのノリと連動したカルチャーって大事ですよね」

それが途切れることなく続き、支持されているところがラジオの面白さなのかもしれない。「そういえば先ほどの『AVALON』でも番組オリジナルバッジをつくっていて、投稿が読まれた人に“お友だちにあげてね”って2〜3個送る。そういうラジオ文化の名残を感じます」

 

これからラジオを世間に広めるには。やきそば流パブリシティ案。

では、多くの一般の人たちにラジオの面白さを伝え、広げるにはどんなやり方があるのだろう?「いい取り組みは色々ありますよ。例えば『スクール オブ ロック!』の“出張授業”。以前、FM山口に出張していたのですが、昼帯から出演して夜の番宣をしたり、本番中は地元の人と電話を繋いで地元のいいところを聞いたり……そういうコミュニケーションはすごく大事だと思います」

ラジコの登場でザッピングが楽になったけれど、選択肢が全国に広がった。それに戸惑って、多くの人はいつもの局を聞きがちだが、やきそばさんはツイッターを活用する。それも、局の公式アカウントから情報を得るだけではない。「やっぱり“可視化”するのが重要ですね。ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーは非常にマメです。日本一アニメに詳しいアナウンサーとしておなじみなんですが、吉田さんのツイートはすごく細かくて」


PROGRAM

『ROCKKIDS802–OCHIKENGoesON!!-』

DATA                         

FM802FM80·2(月)-(木)21:00-23:48CONTENTS関西No·1リクエストプログラム。落合健太郎の送る「ROCKKIDS802」。新旧洋邦問わず、みなさんが聴きたいリクエスト曲のみオンエア!豪華ゲストとリスナーの学校を訪れて行う公録も大好評。


PROGRAM

『やまだひさしのラジアンリミテッドF』

DATA                         

TOKYOFM他JFN系列全国38局ネット(金)25:00-29:00

 

CONTENTS

『花金深夜ラジオ』として、やまだひさしを旗手に番組とリスナーの絆を深める企画満載の生放送でお届け。25時台、26時台にはコーナー「ポッキー放課後のMUSICROOM」も。


PROGRAM

『スクールオブロック!』

DATA                         

TOKYOFMをキー局にJFN系列全国38局ネット(月)-(木)22:00-23:55(金)22:00-22:55

 

CONTENTS

ラジオのなかの、„未来の鍵を握る学校"。旬なアーティストたちをレギュラー講師に、素敵な女子たちの展開する女子クラスも設定し、全国の中高生にラジオを全力で展開中。


例えば、その日自身が参加するイベントを予告し、感想を述べ、次の予定も公表するのだ。「吉田さんの番組のリスナーは、ラジオ以外の動きを追えるだけでなく、彼の興味の対象も知ることができて、“吉田さんが気にしているならチェックしてみよう”って幅が広がりますよね」 同様に、自身が興味を持っている対象をツイッターでどんどん広めているのが、FM802の板東さえかさん。「20代の若手DJで、学生の頃からラジオのDJを志望していたという人なんですが、タワーレコードの現役のスタッフなんです。かなり足繁くライブに通ってるんじゃないかと。その都度ツイートしてます。吉田尚記さんもそうなんですけど、そこで話題になっている声優さんやアーティストのファンも番組を聴くようになるだろうし、逆に番組のファンもDJたちがツイートした人のことを気にしてフォローするようになる。そういう文化的な相乗効果が生まれてすごくいいと思います」なお、ツイートの時は写真付きが絶対、だとか。見えないラジオを見えるようにするための必須条件。顔が見えると、より身近に感じられるのだ。「オチケンさんもその辺はぬかりない、FM802ってやっぱりすごいなと思いますよ」


 

また、著名人の力も利用していくべきだとやきそばさんは言う。実は著名人のなかにはラジオファンが意外に多くて、彼らの声を集約して発信することができれば大きな力になると考えている。「例えばミュージシャンのaikoさん。彼女は超ラジオっ子で、TBSラジオの『山里亮太の不毛な議論』などの深夜番組を普通に聴いて、普通に感想をツイートしたりしています。面白い番組をよくご存知で、新曲の発売キャンペーンで全国を巡る時にも“この後はFM大阪に出まーす”とか“KISS FM KOBEに移動中です。この後17時頃から出ます。聴いてください”みたいに細かくツイートしていて、それを全国のaikoさんファンがラジコプレミアムで追っかける。これすごくいい循環ですよね」 あらゆるアーティストがツイッターやインスタグラムを駆使してラジオ出演情報を発信してくれたらと力説する。もちろん番組からの公式ツイートもあるけれど、アーティスト本人と比べると拡散力は雲泥の差。

他にも、やきそばさん注目のラジオ大好きアーティストが! それがNakamura Emiさん。2016年「YAMABIKO」が全国のCSやFM/AMラジオ52局でパワープレイを獲得し、スマッシュヒットに至った。「Nakamuraさん自身もラジオのおかげですって感謝されてたんです。そういうところからもまたラジオのファンがつくと思うんです。僕はアーティストのプロモーションに関しては、レコード会社もミュージシャン本人もラジオ局も一体となって、セットにして行うといいと思います」 また、やきそばさん調べでは、他にもラジオ好き著名人は多数存在するらしい。「爆笑問題の太田光さんがラジオにドはまりしてますよ。ラジコプレミアムでよく聴いていて、自分の番組で“森口博子さんがこんなことをしゃべってた”とか“横山雄二アナが面白いクイズやってた”とかよく言ってます。あと、電気グルーヴの石野卓球さんとか作家の加藤千恵さんとかもラジオ好きです。そういう動きをうまく生かせると面白いと思うんですけどね」

 

ラジコプレミアムの時代だからダイジェスト番組。そして……。

「FM802やNACK5では、その週にゲストが来て盛り上がった番組や、反響が大きかったコーナーを紹介するプログラムが始まりました。また、J︲WAVEの公式サイトでは面白かった番組の内容をスタッフのおすすめコメント付きで見ることができて、ラジコのタイムフリーで聴けるようになっています。これもラジオの可視化のひとつで、リスナーにとっては非常に便利だし、大変嬉しい企画です」

リスナー一人ひとりが、面白かった番組のリンクを貼ってツイートするだけでいいという。そうすることで、ファンは格段に増える。

 

やきそばさん自身も、全国のラジオを盛り上げる活動を行っている。何度も名前が出てくる吉田尚記さんと、「週刊ラジオ情報センター」と題し、テーマ縛りで全国の面白いラジオを紹介している。しかも、ニッポン放送の社内からツイキャスというある種の暴挙。ここに毎回100本を超える情報が寄せられるそうだ。そしてこの話の流れで、やきそばさんからまた面白げなラジオ番組の話があふれ出てくる。全国の鉄道好きな番組、大喜利をやっている番組、方言の番組、地元の人たちのお誕生日を祝うだけの番組……。「僕はここから次世代のラジオスターを生み出したいと思っています。地方局に面白い人がいっぱいいるんです。今後は遊びに来てもらえたらと思っています」

 

例えば山陰放送の森谷佳奈アナウンサー。「彼女の番組は、爆笑問題の番組で紹介されたこともあり、ラジコプレミアムで聴いている全国のリスナーが参加しています。テンポの良いメール紹介と秀逸なリアクション、あけすけなトークも人気です。僕はローカル番組にもスポットを当てていきたいと思います。。ラジコができてタイムフリー、エリアフリーになって全国の番組は同じ土俵の上に乗ったと思うんです。野望は、民放とNHKラジオの両方の番組を紹介する番組です」で、最後にやきそばさんからのラジオのつくり手のみなさんへの「お願い」。「ぜひ“ラジコプレミアムでお聴きの方からお便りいただきました”と言うことをおすすめします。感度の高い観光地が外国に門戸を開くように、ラジオも絶対それが重要。“北海道からいただきました”“東京から”って、ラジコで聴いていることを前提に対応するほうがいいと思いますね」

(了)

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