【 ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】〜放送局やエリアを超えたラジオの輪〜MBSラジオ『次は〜新福島!=第3章 構築と解体=』他

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ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第26回

「すごいな〜。私も頑張らないと!」

オンエア中に思わず漏らしたのは、RCC中国放送、入社2年目の渕上沙紀アナウンサー。

自身にとっての初めての冠番組『渕上沙紀の同期同期(ドッキドキ)新年会だっチュ~の! 』が元日の14時から放送されました。

上司から「番組をつくっていいよ」と言われて託された1時間枠。タッグを組んだのは同じく入社2年目のディレクターでした。入社間もないアナウンサーは覚えることが多く、同期がいないと孤独を感じるといいます。

渕上アナも怒られたり、プレッシャーを感じたり、心の中で泣いている日々。特に2019年はラジオ、テレビ、イベントの司会のほかに、24時間の生放送『RCCラジオ・チャリティー・ミュージックソン』のメインパーソナリティを務めあげるほどの多忙ぶりでした。

そんな時にふと他の同期のアナウンサーの顔が頭をよぎりました。みんな、今頃どうしてるんだろう。ひょっとして、怒られているのは私だけ? 就職活動中はお互いに励まし合っていたものの、入社すると離ればなれ。そこで電話を繋いで近況や、その土地の正月の様子を訊く企画をイチから立ち上げたというわけです。

電話を繋いだのは北海道・STVの西尾優希アナウンサー、宮城・TBCの増子華子アナウンサー、鹿児島・MBCの木藪亮太アナウンサー、沖縄・RBCの鎌田宏夢アナウンサーの4人。この企画が秀逸だった点は、ただの電話リレーに留まらなかったところ。共に就職活動から闘ってきた"同期"という要素が入ることにより、それぞれの人生のドキュメンタリーを垣間見ているような展開になりました。

入社2年目といえば24歳前後。3割は入社3年以内に離職すると言われているなかで、渕上アナと他のアナウンサーとのやりとりを聴いているうちに、職種は異なるものの自分が仕事を始めた時はどうだったか、ふと立ち止まります。

番組では渕上アナの優しさと真面目さが随所で垣間見られました。まずは出演するアナウンサーの人となりが分かるよう、相手の良いところをポイントを押さえて紹介しました。木藪アナに関しては就職活動中に感じた優しさを、増子アナに関しては台風の被災地から情報をしっかりと伝えていたことなどなど...。

宮城の増子アナとの会話では、自然災害発生時における自分の役割の話になりました。広島は2018年に西日本豪雨災害に見舞われました。他の社員は自分の役割を果たしていたものの、入社間もない渕上アナは何も役に立つことができないことに無力さを感じて泣き崩れていたそうです。「私にできることはニュースの原稿をきちんと読むことだけでした」とポツリ。

同期の活躍に触れるうちに思わず渕上アナの口から出た一言が冒頭で紹介した「すごいな〜。私も頑張らないと!」...なのでした。「類は友を呼ぶ」という言葉がありますが、今回出演した5人は向上心の塊のようなアナウンサーばかりでした。

渕上アナは新天地での奮闘ぶりを聞き出すことで、その土地の特徴もあぶりだしました。「東京出身ですが、札幌の放送局で働くようになって、雪道の歩き方をマスターした」「宮城から沖縄に移ったけど、こちらの気候にも慣れました」といった話を聞くうちに、たくましさすら感じられました。渕上アナ自身、兵庫県の、都会を離れた風光明媚な町の出身です。大学は愛知の学校に通いました。入社して始まった広島生活でしたが「兵庫よりも広島のほうが詳しくなってきています」と話す場面も。そんな渕上アナはジョギングに精を出しています。広島の街の魅力を肌で感じながら、ジワジワと広島に染まっていくことでしょう。

番組では上司や周りの人に言われたという、入社3年目に向けた心構えの話も飛び出しました。

・1年目はガムシャラに頑張る。
・2年目は1年目の反省を踏まえて少し工夫を。
・3年目は勝負の年。

渕上アナのほかに増子アナも同様のことを言われたといいます。そのほか、

「この先、どのようにして幅を広げていけばいいのか、悩んでいる」
「未だにニュースを読む時に噛んでしまう」

といった悩みを打ち明けた末、「今後、私はもっと人から必要とされる人になりたい」という目標まで話しました。

四者四様を"同期"という切り口で伝えた番組は、大団円を迎えました。

電話で各地のパーソナリティと繋ぐ企画といえば、当連載でもよく触れている『次は〜新福島!=第3章 構築と解体=』(MBSラジオ 火曜・水曜 20時〜22時 ※10月~3月のナイターオフに放送)の「ラジオ博愛主義!やきそばかおるの全国ラジオキコウ!」(手前味噌ですみません)もあります。元日に放送された『福島のぶひろの大新年会!おめでとう日本!』 では「やきそばかおるの全国ラジオキコウSP!」を放送。

『次は~新福島!』では民放AM・FM局、地域を問わず紹介していますが、この回では民放で活躍する5組のパーソナリティのほかに、福島暢啓アナと親交のあるNHKの神門光太朗アナウンサー(NHKラジオ第1『発掘! ラジオアーカイブス』)、アナウンサー界の"人間国宝"、石澤典夫さん(NHKラジオ第1『ラジオ深夜便』)も登場しました。石澤さんの落ち着いた口調から「調べたことを喋るのは腹六分目がちょうどいい」「軸がしっかりしていれば(多少は外れたことをしても)大丈夫」など、家宝にしたい言葉が連発。その間、福島アナ、ゲストの石井亮次アナ(CBC)、私の3人は背筋をピンと伸ばして聞き入っていたのは言うまでもありません。

実はこのコーナーの前の時間帯には、『次は〜新福島!』とほぼ同じ時間に放送している番組『伊藤史隆のラジオノオト』(ABCラジオ 火曜〜金曜 18時〜21時)の伊藤史隆アナウンサーがスタジオ出演しました。稀有なことですが「ラジオをもっと聴いてもらわないといけない時代に、放送局が違うなんて言っていられない」という思いで決行。福島アナ、石井アナと鼎談を行いました。

伊藤アナは「ラジオは、一人(の心)に刺さればいい」「(ラジオパーソナリティは)出て行って人に会いに行くか、人を引き込むかに分かれる。自分はその(パーソナリティの)部屋に行きたい、入って話を聴きたい」と一言。

伊藤アナは主にスポーツ実況の世界で活躍した大ベテランですが、あまり前に出てこようとせず、どこか遠慮がち。そんな伊藤アナの姿に福島アナと石井アナは「"自分が、自分が"といって目立とうとしていてはダメですね」という話をしていました。続く「ラジオキコウSP!」では今度は石澤さんが(前述の)「腹六分目くらいがちょうどいい」という話をしたため、少し控えめにいくことの大切さを3人で再確認してコーナーを終えたのでありました。

ちなみに、昨年秋からはABCラジオ『武田和歌子のぴたっと。』(ABCラジオ 月曜〜木曜 15時〜17時55分 ※月曜は17時まで)でも各地の女性アナウンサーと電話を繋ぐ「今そっちどう?Let'sアナ電」がスタート。アナウンサーの紹介とその地域のトピックスをお話ししています。初回は武田アナの出身地、茨城県の茨城放送(IBSラジオ)で活躍している菊地真衣アナと電話を繋ぎました。『ぴたっと。』と菊地アナはその後も交流があり、『ぴたっと。』の出演者(しかも男性)が菊地アナのまねをしてSNSにアップするなど、微笑ましい(?)やりとりが行われています。

radikoのエリアフリー機能が設けられて5年。以前に当連載で紹介した、2017年に行われた静岡のSBSラジオ『テキトーナイト!!』と鳥取のBSS山陰放送『森谷佳奈のはきださNight!』とのコラボ番組『テキトーにはきださNight!』。およびSBSラジオが立ち上げた『ラジオナイトサミット』、沖縄のRBCiラジオ『ラジオBar 南国の夜』をはじめ、パーソナリティがお互いの番組にスタジオ出演するコラボ企画も増えてきました。

沖縄の民放3局のアニメ好きなパーソナリティ(RBCiラジオ『2次元SWAMP』嘉 大雅アナ、ラジオ沖縄 小橋川 響アナ、FM沖縄『オキアニ!』又吉里香アナ)が、それぞれのラジオ局の番組に不定期に集まる企画もすっかり定着。お正月真っ只中の1月2日にはFM沖縄から生放送が行われ、お互いが喋りたくてしょうがない気持ちを抑えつつ、3人ともうまく譲り合いながら中身の濃い番組展開となりました。今回は1時間の放送でしたが、できれば4時間はほしいところ。

▲左:ラジオ沖縄 小橋川アナ/中央:FM沖縄 又吉アナ/右:RBCiラジオ 嘉アナ

▲1月2日生放送のスタジオにて

北海道でも新たな動きが生まれています。1月11日にはSTVラジオ『ログイン!よる☆PA』とFM NORTH WAVE『Anison-R』がタッグを組み、両番組をあげたアニソンパーティを開催しました。両番組と縁のあるアニソン・J-POP DJの第一人者「DJ和」のほか、人気シンガーの春奈るな、nonocもゲスト出演。STVラジオとFM NORTH WAVEの人気番組のコラボに、イベントの概要が発表されると話題となりました。STVの藤井孝太郎アナウンサーと、FM NORTH WAVEの片岡香澄さんによる番組や動画での煽り方も楽しく、これからの展開も楽しみです。

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▲『ログイン!アニパ』収録風景


▲『ログイン!よる☆PA』藤井アナ

▲1月11日イベント『ログイン!アニパ★』での集合写真

ただし、コラボはやればいいというものではありません。さまざまなコラボの様子をみていて痛感するのは、両者のベクトルの向きと大きさが同じであることの大切さ。例えば2つの番組でコラボをした場合、両方の番組の人気度が同じくらいあること。コラボをする前に、お互いが先方の番組のパーソナリティの面白い点をリスナーに浸透させてあること。そして2人の距離感を感じさせないくらいに、お互いが自由に言い合っていることが理想です。このバランスが良くないと「そもそも、なぜ、この2つの番組がコラボしたんだろう」と、疑心を抱きかねません。コラボは慎重にしたいところです。

ところで『渕上沙紀の同期同期(ドッキドキ)新年会だっチュ~の! 』は渕上アナにとって初めての冠番組でした。冠が付いているのは期待されている証拠でもあります。そこで、20代のアナウンサーの冠番組の一部を紹介します。

青森のRABラジオ『みなみをミテ☆』(水曜 21時〜21時30分)。猪股 南アナウンサーが大好きな天体をテーマにしています。「スターガイド」のコーナーでは、注目の星や天文現象について、少し難しそうな話も噛み砕いて話します。猪股さんは弘前大学 理工学部 地球環境卒。

RABラジオでは吉﨑ちひろアナウンサーによる音楽番組『Chihi Rock!!』(木曜 21時〜21時30分)や、境 祐貴アナウンサーのトーク番組『サカイやさかい』(水曜 21時30分〜22時)などを放送しています。境アナは少し頼りなさそうな雰囲気もありますが、トークの端々に面白くなりそうな芽が見え隠れしており、今後どんなアナウンサーになっていくか楽しみです。

新潟放送『三石佳那の夜はフツーでいいじゃない。』(月曜 19時〜20時)。「性格は良さそうだけど...フツーだよね」と言われて数年。「フツーだっていいじゃないか」といわんばかりに「普通」をテーマに放送しています。ちなみに、三石アナが地元の神社でおみくじをひいたところ「平」が出たそう。吉と凶の中間にあたるそうですが、このおみくじは全国でも限られた神社にしか含まれておらず、引き当てる確率は2%とも言われています。"フツー"ではない出来事でした。

茨城放送(IBSラジオ)『菊地真衣のこんなんで、いいのかYO!?』(火曜 20時〜21時)は当連載でもおなじみの人気トークバラエティ。1月3日には14時から4時間40分にわたり『くだらないから縁起がいい 菊地真衣とご多幸ラジヲ』を放送しました。良い意味で「くだらない」にこだわった番組で、くだらないサプライズにくだらない選曲企画、くだらないメッセージ紹介など、菊地アナワールド全開。リスナーをひとりでも増やそうと「ドン・キホーテ」などの店内でよく流れている「呼び込み君」の音楽をBGMにした点はくだらなくて秀逸でした。

TBSラジオ『山形純菜 プレシャスサンデー』(日曜 6時〜9時55分)は、日曜の朝をノンビリと過ごしたい人にピッタリの雰囲気。一方、9時台のゲストコーナーでは相手の魅力を引き出すほか、自分も楽しんでいて、その雰囲気がラジオを通じて伝わってきます。浪曲師の玉川太福さんを迎えた時は、浪曲について初心者でも分かるような話を引き出して一緒に浪曲の世界を楽しんだり、SILENT SIRENの あいにゃん(山内あいな)さんが出演した時は、時間を忘れるような楽しい雰囲気でベースを教わったり。リアクションが自然なところもポイントのひとつです。

ABCラジオでは『澤田有也佳のアナがパジャマに着替えたら』(土曜 27時〜27時30分)と、新人の増田紗織アナウンサーの『SALLY'S COFFEE』(日曜 5時25分〜5時40分)を放送。『アナが〜』は毎回ABCの女性アナウンサーを招いて、お互いの個性を浮き彫りにしていきます。実際にパジャマ姿で喋っているのもポイント。『SALLY'S COFFEE』は増田アナの格好いい部分と親しみやすさが同居したような雰囲気。増田アナの曲紹介は非常に格好よく、番組にメリハリがつきます。

KRYラジオ『高松綾香の恋する☆オンガク』(日曜 12時〜13時)の高松アナは、ライブはもちろん、フェスにも足を運んでいるほどの音楽好き。楽曲の紹介の仕方が丁寧で、落ち着いた雰囲気なのでオンガク初心者にもおすすめ。

同じくKRYラジオ『なりカル!』(土曜 22時~23時)は山口放送の若手、成田弘毅アナウンサーの番組。大好きな漫画・アニメ・ゲームなどを語り尽くします。ディレクターの"はなちゃん"もトークで参加。ツッコミや軌道修正など、そっと手を差し伸べるようにフォローしています。成田アナの流れるようなトークに定評があり、当初は30分番組としてスタートしたものの好評で1年半で60分番組に昇格。公開生放送やオフ会も度々開催しています。1月4日に行われた公開生放送でも22時からの放送にもかかわらず、県外からも多数のファンが詰めかけて大盛況。参加者は、放送中は拍手をしたり笑ったりするのはもちろん、番組を拡散させるべくそれぞれがツイートを行い、ツイッター上でも話題になっていました。

▲1月4日収録中

四国放送ラジオでは『江間丈のJRT school』(月曜 23時〜23時40分)、『野口七海のなないろラジオ』(木曜 23時〜23時40分)などを放送。江間アナはさまざまな話題を"国語""社会""道徳"などの教科にあてはめながら紹介。"道徳"ではある楽曲の歌詞の朗読を披露して、詞の世界を堪能したところで楽曲をオンエア。いつも腕時計の秒針の音を聞いて自分を落ち着かせているという江間アナ。番組全体にどこかお洒落な雰囲気が漂っています。『なないろラジオ』は子どもの頃から好奇心いっぱいだった野口アナが、リスナーの興味をくすぐるような話を展開。ちなみに野口アナの趣味はお城めぐり。日本100名城®を巡っているそうです。

大分のOBSラジオでは『おはようサンデー 山崎唯衣の教えて!農業』(日曜 8時〜8時30分)を放送。農業関係者を招き、お堅くなりがちな農業の話を柔らかく噛み砕きながら伝えます。ゲストも山崎アナの明るい人柄に緊張がほぐれているよう。現地レポートも交えていて丁寧な番組です。

沖縄のRBCiラジオ『稲森彩のミュージックファイルマックス』(金曜 24時〜24時30分 ※日曜25時から再放送あり)は収録番組ということもあり、放送中に自ら実況ツイートを行ってオンタイムで聴いているリスナーの気持ちを盛り上げます。ちなみに、稲森アナは東京海洋大学卒業。『漢那邦洋のスポーツフォーカル』(月曜〜金曜 14時〜15時45分 ※稲森アナの出演は火曜)では自筆のイラストを使った魚の解説も行っています。キュートな声で分かりやすいですが、一歩踏み込んだ質問をされると急にスイッチが入ったかのように本格的に答えます。RBCiラジオは非常に仲が良く、ほかのアナウンサーが担当している番組を聴いて、ハッシュタグを付けてリアクションをすることもあります。

前述のRBCiラジオの嘉 大雅アナウンサーは『嘉大雅のサタデーマグネット』(土曜 10時〜11時30分・12時〜15時)を担当。4時間半の生放送ですが、いわゆる"卓操作"は嘉アナがひとりで行っています。喋りと卓操作、両方しながら4時間半をもたせる集中力に脱帽。途中で30分の空き時間がありますが、昼食はほとんどとらないそうです。ちなみに、RBCiラジオはパーソナリティが卓操作をする場合が多いのが特徴。

ざっと挙げただけでもたくさんの番組があります。ほかにも、20代のフリーアナウンサーの冠番組や、冠はつかないものの、ひとりで喋っている個性的な番組もたくさんあります。こちらは機会を改めて紹介します。

<了>

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