[ 株式会社ハローアース ]
※本記事は2016年に取材したものです。
吉田さんが運営するウェブサイト「HELLO EARTH CONTENT(ハローアース)」
https://www.content-showcase.com/jp/
映像コンテンツの流通を目的とした放送関連事業者限定のウェブサイト。
株式会社ハローアース 代表取締役社長
吉田 延明(よしだ のぶあき)
ご経歴を教えてください。
吉田 :僕はもともとフリーランスとして、テレビの制作現場にいました。その後、制作会社を立ち上げ、今はテレビの制作はやっていないのですが、企業のブランド戦略や広報戦略を立案したりしています。
TIFFCOMでこうして「チーム北海道」として出展されることのよさはなんでしょうか。
吉田 :1社単体だと出展しにくいのですが、「チーム北海道」では札幌市の方が仕切ってやっていただけるので大変助かっています。「ハローアース」というなんだかよくわからない名前でも、札幌市っていう看板の中でださせてもらうのはやりやすいですね。
海外のコンテンツマーケットと関わるようになったきっかけは何ですか?
吉田 :20年くらい前でしょうか。香港のプロダクションからドキュメンタリーを作って欲しいという依頼をされ、番組を制作したんです。その後、プロダクションがカンヌでその作品を売ることになり、「吉田さんもカンヌに一緒に行こうよ」と誘われ、初めてカンヌのMIPに行きました。
僕はそれまで制作者にとってお客さんというのは放送局さんしかいないと思っていたんです。放送局さんから依頼されて、作って、著作権は自分たちでは持つものではないと。でもMIPに行ったときに、世界では自由に映像コンテンツが売り買いされていることを知りました。
その時に日本にいながら、番組を売ることはできないのかな?と思いました。でも当時はなんでもテープに焼いて送るという時代。テープ一本も結構な値段がしますし、送ったらそれっきり返ってこない。海外とやりとりするにも言語の問題があるし。日本の放送局さんに言っても当時は「何言ってんの?」と言われたりもして、実現は難しいなと感じていました。
その後、どのように海外と関わっていくこといなるのでしょう?
吉田 :数年前から企画会社のお仕事として、札幌市が香港の見本市とかに出展される時のブースデザインなどをやらせてもらいました。その時「あっ、そういえば昔、海外番販のことをよく考えていたよな」と思い出したんです。
インターネットも普及し、データで映像も送れるようになって、20年以上前とは環境がガラリと変わっていましたし、今なら出来るのではないかと考えました。それで「HELLO EARTH CONTENT(ハローアース)」というウェブサイトを始めたんです。
ウェブサイト「HELLO EARTH CONTENT」は始めたのはどういうきっかけですか?
吉田 :会員制のコンテンツのウェブサイトをやりたいなと思って「ハローアース」を立ち上げました。このサイトは各国の映像コンテンツを取り揃え、映像のショッピングサイトのようなものにしたいと考えています。
こういったサービスは、それまでにあったのでしょうか。
吉田 :僕の知っている限りはありませんでした。映像を検索できるデータベースでありながら、ヒットしたものがストリーミングで見られて、それをそのまま使用許諾の権利獲得までいける。字幕の有無、制作国、許諾の中身、たとえばこの作品は地上波で年4回まで流せます、などの情報も入れておいて。
金額が大きい場合は銀行振り込みにしていますが、基本的には、オンラインで買えるようになっています。購入を決めると、仮の契約書、日本語版と英語版が出てきます。事前に入力した内容が反映された状態の契約書で、見積書も出る。そこから我々のほうに情報が来て、本契約書を各社にメール添付します。
それはかなり手間が省けて便利ですね。
吉田 :今はまだ作品数が少ないのですが、こうしてTIFFCOMに出展することでサイトのコンテンツを増やしたいと思っています。すでに、いくつか作品をいただける事になりました。たくさん作品を集めて、国内外問わず放送局の編成担当さんがこのサイトの中から必要なコンテンツを見つけて欲しいですね。