【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】ドラマの見られ方

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【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】ドラマの見られ方

【 鈴木おさむ の WHAT'S ON TV ? 】第40回


昨年、テレビ朝日系列で土曜日の23時台に放送された「先生を消す方程式。」というドラマ。

僕が脚本を書きまして、田中圭主演、山田裕貴、松本まりかなどが出演した学園もの。確か、ここのコラムでも「大きく振りに行く」と書いたかもしれません。(第29回

簡単にあらすじを説明すると、舞台となる学校の生徒たちは担任の先生を潰すのが好きで、そこに赴任してきた田中圭演じる先生に腹が立ち殺そうとする。毎回殺されそうになり、体がボロボロになってもあと一歩のところで死なない先生だったのだが、物語4話の最後で本当に死んでしまい、5話でなんとゾンビになって復活。ゾンビになってから生徒に復讐を始めるのですが、最後はゾンビになったまま授業をして、同じくゾンビとなった松本まりか演じる恋人とともに森の中に消えていくというお話。

とんでもない展開です。途中でそうしようとしたわけじゃなく、当初からそういう企画でした。途中で死んでゾンビになるという。放送した時からネットでは賛否両論。「なんだ、この展開は!?」「どうやってみたらいいんだ?」という声も多かった。


僕としては、ドラマ「奪い愛、冬」というものを書いてから、いろんな見方があるドラマのおもしろさに気づきました。まじめに見る人もいれば、笑ってみる人もいたりして。色んな見方があって、スマホ片手に見ながら、突っ込んだり考察したり。

その後「M 愛すべき人がいて」というドラマを書いた時に、その色をもっと強くしてみた。テレビドラマをリアルタイム視聴する意味ってこういうところにもあるんじゃないかと。スマホでドラマの感想をLINEしたりツイートしたりして、ほかの視聴者の投稿に共感したり。

そして、その年の秋に作ったのが「先生を消す方程式。」。放送して、Twitterなどでも結構視聴者の反応があったのですが、想像していたよりも爆発力に欠けたのが現実。


が、そこから一年経ち、Netflixで配信が始まり、気づくとランキングのベスト10に入っていたのです。正直、自分の目を疑いました。

Twitterを開くと、賛否両論、かなりコメントが増えていました。

僕が最初見た時は9位だったのですが、そこから7位、5位、3位と日ごとに上がっていき、なんと2位までいってしまったのです。その先の1位にいるのは、そう「イカゲーム」です。

まさか、世界中で大ヒットしている韓国ドラマ「イカゲーム」の横に自分の書いたドラマがいる。昨年書いた深夜ドラマが!

出演者の方々も知り合いからこのことを聞いたみたいで、LINEをくれました。「嬉しいです」と。

深夜23時台のドラマで、日本のドラマで、Netflixオリジナルじゃないもので、ここまで上位に来るってなかなかないんじゃないかと。


Twitterでのコメントは日に日に多くなっていきました。そして周りからも「見た」というメッセージが、テレビ放送していた時よりも多く届きました。

昨年放送した時に爆発しきれずに残念だった思いが、おかげで、今回払拭されました。

一年経って、残っていたメイクがきれいさっぱり落ちたというか。そして出演者の皆さんが喜んでくれているのもすごく嬉しかった。

この時代、地上波で放送が終わってもそれで終わりじゃない。その先に、色々な形で見てくれている人がいる。深夜ドラマだろうが関係なく、チャンスは平等。放送が終わったら終わりじゃない。それがドラマだ!!


<了>

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