HOME テレビ 【 鈴木おさむ の WHAT’S ON TV ? 】『M 愛すべき人がいて』を通じて今のドラマへの思い
2020.6.30

【 鈴木おさむ の WHAT’S ON TV ? 】『M 愛すべき人がいて』を通じて今のドラマへの思い

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【 鈴木おさむ の WHAT’S ON TV ? 】第26回

 

テレビ朝日で土曜23時15分に放送されているドラマ『M 愛すべき人がいて』の脚本を書かせていただいてます。

コロナ禍で放送が始まり、第一話放送後、ネット上で総ツッコミをいただきました。ドラマ自体のいろんな危うさというか、台詞が大げさだったり、演技だったり、演出だったり、すべてにおいて。そして、ドラマに出てくる田中みな実さん演じる礼香というキャラが、眼帯をしているんですが、それが「博多通りもん」に似てるとか、まあ、想像していた以上の状態でした。賛否ともに激しく。

脚本打ち合わせの時に、僕は「いくつかの見方が出来るドラマにしたい」と言いました。原作『M 愛すべき人がいて』の中でのマサとアユのラブストーリー。それを格好よく描く方法もあります。

 

僕の中では、今、テレビドラマに対する思いが色々あります。
世帯視聴率ではないところで、ジャッジされるようになってきている中、個人視聴率や若い層の視聴率を見ていくのも大事ですが、やはり、世の中どれだけその作品で動いてるかどうかも、かなり大事なのではないかと思っています。

Twitterが騒いだり、主題歌がサブスクで再生回数が伸びたり、そうすることにより、そのドラマが地上波放送の後に、いろんなところで動画としても伸びていく。地上波放送のリアルタイムだけではなく、その後、色々な見方を長くされて、そしてマネタイズされていくことが、ドラマでは大事な要素になってきている。だからこそ、賛否ともに「騒がれる」ことも大事な要素の一つではないかなと思っています。

なので、ドラマ『M 愛すべき人がいて』の第一話の完パケが出来上がってきた時に、その「危うさ」はいいなと思いました。そして放送して、テレビ番組で、しかもリアルタイムで、これだけネットでリアクションしてくれることがありがたいなと思っています。

今までは、なんとなくその時間に見ておもしろい!ということで成立していた番組も多数あったし、それがテレビの良さでもあったと思いますが、これからの時代、それでは許されなくなってくるんじゃないかと思っています。

 

ちなみにですが、第一話の放送が終わり、「博多通りもん」の会社、明月堂さんから番組宛てに手紙が届いたそうです。プロデユーサーさんは怖くて一日見られなかったと言っていましたが、見てみると、まさかの感謝の手紙でした。

あの眼帯は博多通りもんに似せたわけじゃないのに、それを感謝してくれている。そして回を増すごとに「博多通りもんに似てる」と言われていき、なんと、第四話では明月堂さんがスポンサーをしてくれたんです。全国ネットのスポンサーは初めてで、博多でしか見ることの出来ない「博多通りもん」のCMが全国で流れる。その瞬間、Twitterがかなりはねました。

博多では昔から流れている「通りもん」のCMが全国に流れて、Twitterが騒ぎ、トレンド上位に入る。
ドラマとは関係ないところでも、こういううねりが出来るのは、今後何かのヒントになるかもなと勝手に思ったりしています。

 

テレビで出来ることはまだまだある。
なんとなくおもしろい番組もいいけれど、騒がれる番組を今こそ意識してもっと作るべきなのかなと、自分に言い聞かせています。

 

<了>

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