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2020.4.24

【 鈴木おさむ の WHAT’S ON TV ? 】 ピンチが生む成功

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【 鈴木おさむ の WHAT’S ON TV ? 】第24回

 

僕が凄く好きなバラエティー番組がある。1990年4月から半年だけ放送されていた『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!』という番組だ。これはフジテレビ木曜9時に放送されていた番組である。

元々この時間は『とんねるずのみなさんのおかげです』が放送されていて超高視聴率だった。だが突然、半年間「充電」と言って番組を休んだ。ネット情報によると、とんねるずさんが日本テレビのドラマ『火の用心』の撮影に専念するため番組が半年間休止になったらしいが。多分本当なのだろう。

で、人気番組『みなさんのおかげです』が半年間休みになり、白羽の矢が立ったのが、当時、人気が急上昇し始めたウンナンさんだ。今は「お笑い第七世代」が人気だが、当時、ウンナンさんは「お笑い第三世代」と言われ、ダウンタウンさんと共に、その集団のトップを走り引っ張っていた。とは言っても冠のゴールデン番組をやってはいなかったはずだ。

 

とんねるずさんの番組が休みになり、フジテレビの人達が考えて、ウンナンさんに任せることにしたのだろう。超高視聴率番組の『みなさんのおかげです』の半年間の「つなぎ」をやるなんて、出来ることならやりたくないはずだ。比較されるし。だけど、ウンナンさんはやることになった。

僕は当時高校生で、とんねるずさんも大好きだったが、ウンナンさんも大好きで、この番組が始まった時、そのタイトルにワクワクしていた。『誰かがやらねば』って、そのまんまのメッセージ。

そしてこの番組が好評となり、『みなさんのおかげです』が半年後に復活した後に、ウンナンさんは、フジテレビでは伝説の枠、土曜8時の枠を任されることになる。この枠は、『オレたちひょうきん族』が終わってから、ドラマもやったりしていたが、僕から見たら『ひょうきん族』の呪縛が強くてヒット番組は出てこなかった。ウンナンさんは、この土8で勝負することになる。だからタイトルが『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』なのだろう。そしてこの番組は大ヒットする。

僕は、この「流れ」が大好きだ。テレビ界では、時折、こんなことがある。苦肉の策と言ったら失礼かもしれないが、普段はやらないギャンブルを、打つときがある。それが大ヒットにつながる時がある。ドラマでも「あのヒットドラマの主役は実は○○に断られて仕方なく、□□になったが、結果大ヒット!」ってこともたまに聞く。

 

2011年、東日本大震災のあとは、バラエティーを放送することに罪悪感もあった。だが、今回、コロナの問題で在宅率が一気に上がり、なんか「楽しいものを観たい」という空気がある気がする。

だが、テレビ界を様々な危機的状況が襲っている。収録できなかったり、スタジオにたくさんの人がいることが難しかったり。

テレビの人はとにかく、クレバーだ。その状況を逆手に取ったような作りをする人もいる。こんなことを言ったら失礼かもしれないが、今のテレビを観ていてワクワクする自分もいる。こういう状況だからこそ、いつもは出来ないことをやっている局もある。それが結果的に成功していたりもする。だから、この危機的状況が過ぎた時に、テレビ界は大きなイノベーションが行われている気がするし、新たなものが生まれてくる気がする。

少しでも不安がワクワクに変わりますように。

<了>

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