HOME テレビ J:COM発!視聴ログを活用した新たなマーケティングの可能性~株式会社ジュピターテレコム(J:COM) 遠田 智洋さん~
2020.1.27

J:COM発!視聴ログを活用した新たなマーケティングの可能性~株式会社ジュピターテレコム(J:COM) 遠田 智洋さん~

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CS広告の新しい売り方「J:COM PMP」

 

─「J:COM PMP」についてお聞かせください。

視聴ログのデータを元に、グループチャンネルやご賛同頂いたCSチャンネル様をまとめてプランニングし、出稿準備もアクチュアル(CMが見られた割合)の測定も全部やりますので、我々に一括でご相談くださいという、単純明快な売り方です。我々がまとめることで問い合わせ窓口を一元化できますし、CSチャンネルをネットワーク化して規模を担保することができます。
バラバラに行っていた膨大な量の作案も我々がまとめ、必要な管理まで全て請け負います。この「J:COM PMP」を、2019年の頭からトライアルで売ってきて、複数社様でご決定をいただいて好評だったので、昨年10月から正式にセールスをかけています。

 

─「J:COM PMP」の主な顧客は誰なのでしょうか?

「J:COM PMP」は基本的にスポンサー全般を対象とした商品になります。あとは、デジタル系のクライアント様にもご利用頂けるよう、デジタルで流した素材をそのままCSで展開したりもしています。
今までは動画というとテレビの素材しか、ありませんでしたが、今はデジタルの動画素材も増えているので、それをCSでご活用頂けるのではないか、と。
また、お持ちでない場合は、J:COMグループの動画マーケテイング会社プルークスでの制作も可能です。

 

─プランニングや報告にデータを活用することで、どのような変化がありましたか?

詳細なデータを出したことで「どのような人が視聴しているのか」が推計できるようになったんです。今までは「映画ファンへの出稿なら映画専門チャンネルにお任せください」というような営業をしてきましたし、クライアント側もそれで納得されて物事が進んできたのですが、実際にデータを見ると、当然ながら映画だけ見ている人なんていないのです。
スポーツを見ている人やニュースを見ている人も映画を見ますし、スポーツチャンネルやニュースチャンネルの中にも、映画ファンは当たり前にいるんです。それを実際にデータで見て、どの時間帯に多くいるのかというところまで見極め、「大体こういうプランニングで出稿すると、これくらいのターゲットに当たりますよ」という算出をして提案しています。アクチュアルに関しても、ログを確認しながらデータをお渡しするという流れです。

 

─データがあることによって説得力が出てきますよね。

今までは、「野球好きって映画チャンネルも見てるよね」とか、「女性も普通に野球見てるよね」というような感覚が、クライアント側に受け入れられにくかったんです。「お母さんと子どもには、実はこっちのチャンネルも見られてますよ」と薦めても理解されないことも。
しかし、きちんとデータを提示すれば、そのチャンネルにも普通にCMを出していただける。例えば子育てアプリのCMが、スポーツチャンネルでも流していただけたケースもあります。

また、商談が進み易くなりましたね。データがあれば、提案した後も社内での意思決定を促していただきやすいですし、放映後の視聴データもお返しできるので、改善していくための議論もできるようになりました。

 

─データの見せ方で工夫したことはありますか?

レポートフォーマットですね。CMをインプレッションで表記し、デジタル系のフォーマットに統合しやすい形で作っているんです。デジタルに出稿したものの「認知度が上がらない」「高齢層が見てくれない」といった問題に直面して、「J:COM PMP」を使っていただいたケースがあるのですが、他のデジタル系の媒体と同一のフォーマットで報告できるようになっているので、比較・評価しやすいとご評価頂いています。

 

─参画しているチャンネルはどれくらいあるんですか?

今はグループチャンネルを含む14社くらいでやっていて、順次増やしていきたいと思っています。「J:COM PMP」で売るのは在庫枠なので、「データを活用し、マネタイズできていない部分を一緒にマネタイズしましょう」という方針を示すことができているのは強みです。

 

─チャンネル各社にとっても、とてもいいお話ですね。

データを活用し、CS市場全体の魅力を可視化する。その視点に立ったのが、「J:COM PMP」ですね。弊社のデータを活用するので、プランニングからアクチュアル報告までを纏めさせて頂くことで、クライアントが市場全体をスムーズかつ容易に把握できるようになります。

それにより、もし煩雑さからCS広告を諦めていたクライアントがまた振り向いてくれれば、全てのステークホルダーにとって良い話になるのではないでしょうか。

 

 

「J:COM PMP」とテレビの未来

 

─「J:COM PMP」が目指しているものは何でしょうか?

デジタルと同じようなデータを使ってプランニングやアクチュアル報告を行いますが、あくまでテレビCMを効率的に視聴者に届けるための取り組みだと思っています。視聴者という大きな塊に広告を届けながら、データを元に効率の良いプランニングをして、塊のなかのターゲット含有率を上げていく。ただ、大きな塊に届くということはテレビの特性であり良さでもあるので、そこは活かしていきたいです。

 

─データ面の現状と今後の目標をお聞かせください。

実際のプランニングでは、ターゲット像を指定します。それを単価いくらで何本出したら、インプレッションのトータルがどのくらいまで行くのかを算出し、出稿額で割ってインプレッション単価を出しています。世帯単位だけではなくターゲットの数字も含め、全て事前にお出しすることができます。
予算に対する効果の見通しを提示するということですね。事後には、CMの完視聴も算出しており、15秒のCMでは、90%前後が最後まで見られているというデータも出てきており、これはかなり高い数字だと思っています。CS のCM視聴は強制ではないわけですが、実はよく見られているんです。

映像視聴の専用デバイスのテレビで、音声がデフォルト、フル画面でのCM完視聴が90%前後。これが、PCやスマホと比べてどういう価値を持つのか、に興味がありますね。

 

─「J:COM PMP」の課題や改善していきたい点をお聞かせください。

プロセスのデジタライゼーションですね。今は視聴ログというデータを使って「こんなことができます」という段階。データもBIツールで見られるわけではありません。このあたりの改善や、取引プロセスのデジタル化が今後の課題だと思います。

 

─テレビの安心感やメリットは活かしながら、ということでしょうか?

テレビは放送確認書を出すので、CMが確実に放映されたかどうかが明確ですし、培ってきた歴史も長いので安心してご利用いただけるのではないかと思います。

そして、テレビの一番のメリットは、様々な人に同時共視聴してもらえることです。

テレビの仕組みをネット広告のように完全にデジタル化してしまうと、今までのビジネスモデルと違いすぎて無理があるし、テレビにはテレビにしかない価値があるので、僕は「テレビは今のままで良くない?」と本当に思っているんです。ただ、ターゲットが「含まれているかいないかもわからない」では時代にそぐわないので、データを活用してターゲットの含有率を高める。これがテレビの理想的なビジネスモデルだと思います。

 

─ありがとうございました。

 

<了>

遠田 智洋(えんだ ともひろ)

株式会社ジュピターテレコム(以下、J:COM)メディア・エンタテインメント事業統括室マネージャー。2001年に新卒で入社した広告代理店で新規営業に3年間携わり、J:COMの姉妹会社であった株式会社ジュピター・プログラミングに入社(現 J:COM)。広告営業部で大手広告代理店担当の営業、企画部を経験した。2017年5月よりメディア事業企画部(現メディア・エンタテインメント事業統括室)を兼務し、2018年4月からはメディア事業企画部に。部門の中期事業戦略、部門方針策定、新規事業開発推進の全般を担当している。

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