HOME テレビ いつだって ‟テレビ好き”の視点でど真ん中の魅力を伝えたい 戸部田 誠さん(てれびのスキマさん)
2019.7.17

いつだって ‟テレビ好き”の視点でど真ん中の魅力を伝えたい 戸部田 誠さん(てれびのスキマさん)

SHARE ON

このエントリーをはてなブックマークに追加

ライター 戸部田 誠氏(てれびのスキマ)


テレビ好きの家族に囲まれ、幼い頃からテレビと共に過ごしてきた戸部田さんは、動画配信サイトが勢いを増す今の時代においても、変わらぬ‟テレビ愛”を貫いています。趣味のブログから執筆活動を始め、テレビ業界に名が知れ渡るまでになった経緯とは?‟テレビっ子ライター”として活躍する今も、昔と変わらず大切にしている価値観や、そこから見るテレビの未来についても語っていただきました。

 

 

‟テレビ愛”から始まったライター人生

―ライターになるまでのご経歴についてお聞かせください。

社会人になったのは2001年。勤めていたのは、テレビやライターの業界とは全く関係のない一般の企業です。2009年くらいから副業でライターの仕事を始めて、2013年に会社を辞めてライター業に専念するようになりました。専業にしてからもしばらくの間は福島県いわき市に住んでいたのですが、2015年に上京しました。

─ライターの仕事を始めたきっかけは何ですか?

もともとは趣味でテレビに関するブログを書いている程度でした。転機は水道橋博士さんからお声がけをいただいたことです。趣味の延長のような形で副業としてライター業を始めて、『水道橋博士のメルマ旬報』での連載や雑誌への寄稿など徐々に仕事が増えていきました。本を出す企画が来たことを機に副業の範囲ではおさまらなくなり、ライター業に専念することになりました。

―出版のタイミングで上京したのですか?

いえ、本を出したあともしばらくは福島にいましたが、月1くらいのペースでは東京に来ていたので、交通費や宿泊費を考えるとトントンかなと。あとはタレントさんなどにインタビューをする仕事をはじめたことが大きいです。初めの頃はお断りさせていただいていたのですが、一度だけやってみたらとても楽しくて。今後インタビューの仕事を受けるなら、福島にいるのは不便だなと思って、東京に住むことを決めました。

─インタビュアーとしての仕事を断っていたのは何故ですか?

テレビ業界の方と直接会うのではなく、あくまで視聴者目線で書くということが、ライターとしての僕のアイデンティティだったからです。そのスタンスを貫いたほうがいいのかなと思い、会わないほうがいいと考えていました。しかし、自分の基本的なやり方や立ち位置が変わったとは感じなかったので、月に1本か2本くらいのペースでインタビュー記事を書いています。お話をいただいて受けることもありますし、文春オンライン等では自分で企画を出すこともあります。

 

 

幼少期からテレビが身近だった

―テレビは、小さい頃からお好きだったのですか?

家族がみんなテレビ好きで、家ではずっとテレビがついているような環境だったので、物心ついたときからテレビが身近にありました。特にどのジャンルの番組が好きということではなく、テレビ自体が好きという感じだったので、オールジャンルOKでした。両親から見すぎ!と叱られたことは全くないですね。逆に親のほうが見ていたので(笑)。僕は内気で、外で遊ぶタイプではなかったんです。学校が終わったらすぐに家に帰ってきて、ずっとテレビを見ているような毎日でした。

―記憶に残っているテレビ番組は?

小さい頃でいうと、僕はカトケン世代なんですよ。土曜20時といえば『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』。そこからダウンタウンやウッチャンナンチャンに移行するという王道を歩みました。影響を受けたという意味では、やはりダウンタウンが大きかったですね。同世代ではないのですが、僕らが夢中になってテレビを見ていた時代を代表する人というイメージです。特に松本さんは内向的な人の代表という印象もあって、個人的に感情移入した部分もありました。それまでは、お笑いの世界でそういうタイプの方は、なかなかいなかったと思うので。お笑いをカッコイイと感じるようになったのも、ダウンタウンがきっかけだったと思います。

─あの頃の松本さんは特にインパクトがありましたね。

20代ということもあって尖りまくっているというか(笑)。そういう方が世の中に対する影響力を持っていたという、割と特殊な状況だったのではないかとも思います。当時の僕は思春期真っ只中なので、僕史上あとにも先にも類を見ないほど影響を受けました。少し上の世代では、とんねるずがそういう存在だったりするのでしょうが、僕らにとってはやっぱり松本さん、ダウンタウンでしたね。

─大人になってからもテレビは身近にありますか?

会社員として仕事をしているときも、帰宅するとすぐにテレビのスイッチをいれますし、家にいるときは常にテレビがついている。それは今も同じです。今の時代はテレビの見られ方も変わってきていますが、僕の場合は小さい頃からほぼ変わりません。

─番組はリアルタイムで見るのですか?

すべてリアルタイムで見るのは時間的に厳しいので、録画で見ることのほうが多いです。番組によって録画とリアルタイム視聴を使い分けていて、ドラマはネタバレされたくないのでできるだけリアルタイムで見るようにしています。バラエティでも『水曜日のダウンタウン』等のお気に入りの番組は、リアルタイムで見てSNSで感想をつぶやいたりしています(笑)。

 

 

見られていない理由はシンプル

─若い人の‟テレビ離れ”が進んでいるといわれています。今、戸部田さんが仮に10代~20代だとしたら、どうテレビと接していたでしょうか?

僕はアングラ的なものも好きですが、‟ど真ん中”で戦っている人が大好きなんですよ。それは僕がテレビに惹かれる大きな理由でもあります。だから、たとえ今どきの若者だったとしても、僕はやっぱりテレビを見ているんじゃないかな。動画配信サイト等の番組も、10年20年後には‟ど真ん中”の位置づけになるかもしれませんが、2~3年くらいでは変わらないでしょうね。

─テレビが昔ほど見られていない現状についてはどうお考えですか?

気軽だからスマホで見ることができるコンテンツに人が集まるのであって、もしテレビもスマホで見られるのであれば、普通に選択肢として入って来るのではないでしょうか。1時間の番組をスマホで見るのは大変ですし、要はハード面の問題で、環境面を整えればテレビ離れは解決するのではないかと思います。

─コンテンツに関してはいかがですか?

動画配信サイト等よりも、テレビのほうが圧倒的にレベルが高く、多様性だってあると思っています。ハードがその時代に合わせて変容するにつれて、ソフト面のコンテンツもまた足並みを揃えて変わっていくのが自然なので、ハード次第。ハードが変われればコンテンツも変わるんです。
NetflixやAmazonでは予算をかけているので、コンテンツにある程度のクオリティが維持されていて、テレビと大きな差異を感じることはありません。規制等の面でいうと、今はテレビ以外のフィールドのほうが自由にやっているように感じますが、あと数年のうちにテレビよりも厳しくなってくるような予感もしています。

─なぜそのように予感されるのでしょうか?

SNS等の動向を見ていると常に監視されているという傾向がありますよね。今はまだ動画配信系に視聴者がそれほどいないので大事に至らずに済んでいますが、シェアが広がれば当然監視も強くなります。実際、動画配信系の番組に揚げ足を取るようなコメントがついたり、叩かれたりしていることも多い。そうした傾向はこれからどんどん強くなっていくと思うので、規制が強化されるのも時間の問題だと思います。

─選ばれるの決め手は?

コンテンツの良し悪しよりも、使いやすさのほうが重要だと思います。コンテンツの力に多少優劣があろうが、人はより便利なものを見る。今はまだ、テレビはお年寄りでも子どもでも簡単に見ることができるのがテレビの強みですが、全世代が普通にネットを見ることのできる時代になれば、また変わってくるとは思います。そのときはテレビorネットという垣根さえ無くなっているかもしれません。

 

 

若い感覚が‟真ん中”へ出る意義

─番組視聴に際して日々チェックしている情報源はありますか?

基本的にSNSで情報収集をしています。特にTwitterでフォローしている方のタイムラインをみています。時間があれば常にチェックしているくらい貴重な情報源になっています。

─SNSで若い方の意見や感覚に触れることも?

フォローするときに年代を意識しているわけではないのですが、たぶん同じくらいの世代の方が多いと思うので、どうなんでしょう。本当はもっと広く見ないといけないな、とは思っています。

─若者をテレビに呼び込むために、何が有効でしょうか?

ターゲットを絞ることも大事かもしれません。まさにダウンタウンさんは、出てきた頃は特に若者をターゲットに絞って戦ってきた人たちです。ど真ん中で戦うにしても、別に幅広い層に支持されることがすべてではありませんから。今よく耳にするお笑い第7世代の人たちや、YouTuberの人たちも含めて、若い感覚の人々が早いうちに真ん中に行って欲しいですね。

─それはテレビに出演してほしいということですか?

もちろん人それぞれで、テレビじゃなくても好きなところでやっていければいいやという価値観も全然アリだとは思いますが、個人的にはやっぱり「ど真ん中=テレビでがんばって戦うんだ!」という人に惹かれます。たとえば、今の若手の芸人さんでいうと、霜降り明星とかハナコとか。ようやく新しい感覚の人たちが出てきてくれたように感じます。

 

 

1
2

関連記事


Synapse編集部×Billboardコラボ企画「音楽番組の影響力とは?vol.2 ~Billboard Japan Hot 100から分析してみる~」

PREV

【 鈴木おさむ の WHAT’S ON TV ? 】ドラマに「色」をつけるための挑戦

NEXT

人気の記事

RANKING

最新の記事

WHAT'S NEW

MORE