HOME テレビ 見る人も、作る人も楽しめる。そんな番組を20年続けたい 新潟総合テレビ(NST) 制作部副部長 北村芳貴さん
2018.12.21

見る人も、作る人も楽しめる。そんな番組を20年続けたい 新潟総合テレビ(NST) 制作部副部長 北村芳貴さん

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「預ける」がポリシーの番組づくり

―生放送の現場を見せていただきましたが、みなさん機転が利いた対応で素晴らしかったです。中継も、事前に打ち合わせで細かいところまで決めているんですか?

中継は、完全に中継班にお任せしています。中継するアナウンサーにしても、こちらであまり指示をせずに、本人の個性を出すことを大切にしていますね。

僕は番組を作る上で「あまりこだわりを持たないこと」をこだわりにしていて、スタッフに預けちゃったほうがいいなと思うことが多いです。

 

―「預ける」とは、具体的には?

たとえば今日の放送なら、音響さんが曲でボケを入れましたが、こちらからは何も指示していません。カメラマンさん、スイッチャーさん、ディレクターさんにもあまり指示は出さず、基本的にはお任せです。僕が考えていない発想が出てきたりもしますし、みなさんプロなので任せてしまったほうが、より良い番組が作れるのではないかと思います。

時々ですが、こちらの意図とずれていたときに、あとから「ちょっと違っていたかもしれないですね」と話すことが年に数回あるかないかくらいです。後輩にはきちんと言うようにしますが、僕より年上で優秀なディレクターさんがたくさんいるので、基本的には細かい指示はしていません。

 

―最初からそのスタンスでしたか?

『八千代コースター』が始まったころはスタッフがいなくて、番組のほとんどを僕と今もメインでやってくれているディレクターさんの2人だけで作っていました。ただ、企業紹介やミニ企画のVTRは、僕が全部台本を書いて「これを作ってください」とディレクターさんにお願いするという、「預ける」とは真逆のことをしていました。企業紹介のコーナーにこだわることが他の番組との差別化だと、強く意識をしていました。

実は今でも『八千代コースター』と『八千代ライブ』は、制作会議をやっていません。『八千代ライブ』は、僕と放送作家との電話だけで内容の大枠を決めていきます。企業が絡む部分はバランスが大切なので、僕が台本を書くようにしていますが、フリーな部分に関しては作家さんと少し話し合いをしたら、あとは作家さんに預けて自由にやっていただき、出来てきたものを確認するという感じです。

 

―番組を作る中で、自然と感覚が共有されていったんですね。

生放送で急に流れが変わったりすると、普通だったらよく思わないスタッフさんもいると思うのですが、うちはそういう部分も含めてスタッフさんみんなが楽しんでやってくれるので、とても恵まれた環境だと思っています。

 

―放送前の打ち合わせ風景も、和気あいあいと楽しそうなのが印象的でした。

入社4年目で経験が浅いうちに『スマイルスタジアムNST』プロデューサーになりましたので、僕が指示を出すというよりも、自然とみなさんが助けてくれるような形になっていきました。それがそのまま『八千代ライブ』につながったという感じがしています。台本を出したら各々が自発的に動いてくれるので、みなさんが「自分の番組」と認識してくださっているのではないかと思っています。

 

 

スーパー・ササダンゴ・マシンさんという大きな存在

―ササダンゴさんをMCに抜擢された経緯を教えて下さい。

プロレスラーのササダンゴさんが新潟に帰ってきているという情報を得て「何かお仕事をお願いできないものか」と、面識もないままに電話でオファーをしました。そのときはまだ芸能の仕事ができる状況ではなかったのですが、後々にご縁がつながり現在に至ります。

最初は『八千代コースター』で月1回程のゲスト出演でしたが、演者として素晴らしいことはもちろん、非常にクリエイター気質のある方なので、番組に対するアイデアや企画についての相談もさせていただくようになりました。

 

―番組出演だけでなく、企画や制作まで携われる方ってなかなかいないですよね。

パワーポイントによるプレゼンが得意な異色プロレスラーとしても有名ですから、大きな企画の際にパワポの制作をお願いし、そこから少しずつ中に入ってくださるようになって、『八千代ライブ』を立ち上げるときはガッツリ関わっていただきました。

本当にササダンゴさんは恩人です。MCやクリエイターとしての存在の大きさはもちろん、ササダンゴさんの紹介で東京の作家さんに入ってもらうなど人脈も拡げて頂きました。感謝しかありません。また、ササダンゴさんはもちろん、Negiccoさんなど全国で活躍されている出演者の方々がいらっしゃるので、その関係で来ていただけるゲストの方も多く、今では東京でも『八千代ライブ』を知ってくださっている方がいらっしゃいます。新潟にいながら日本の最前線で活躍されている方たちとつながることができて、とても刺激的ですね。

 

<番組MCのスーパー・ササダンゴ・マシンさんにもお話を伺いました>

 

「YL層を開拓する!」ササダンゴさんが思い描く『八千代ライブ』

 

―ササダンゴさんにとって、『八千代ライブ』はどんな場所ですか?

テレビというメディアで、ここまで自由にやりたいことを試すことができる場所はなかなかないので、こんなに楽しいことはないと思ってやっています。僕らは最初から「テレビに革命を起こそう」なんて気持ちはなくて、純粋に毎週集まって、肩の力を抜いて楽しめるものを作っているという感覚です。こういう番組をやらせてもらえることは、NSTや社会の寛容さの一つなのだろうなと思っています。

 

―放送開始から1年半が経って、手応えはありますか?

深夜帯の再放送が始まったあたりから、同世代の男性から声をかけられることが増えてきました。先日は「娘は夕方の放送を観て、父親は深夜の放送を観ている」という話も耳にして、いい形だなあと思いましたね。ターゲットを絞って番組を作るのではなく、「八千代ライブが好きな層」を狙っていけばいいんです。年齢、性別、職業問わず、この番組を楽しんでくれる人はみんな仲間だと思っています。“YL層”とでも言いましょうか(笑)。広告代理店やメーカーの方、飲食店の方々にも、「八千代ライブファンをターゲットにした商品です」と、マーケティングに使っていただけるような価値のある番組にしたいです。

 

―今後『八千代ライブ』でやってみたいことはありますか?

まず一つは、長く続けることです。長く続けて、みなさんの中で『八千代ライブ』という存在や、『八千代ライブ』を観ることが生活の中で習慣になってもらえたらいいなと思っています。

それと、ローカル局ならではの小回りの良さみたいなものを利用して、テレビの枠を超えてこのメンバーで作っているものをアピールしていきたいですね。NSTが主催している「NSTまつり」の公開収録やイベントには、毎回たくさんの人が集まって盛り上げてくれます。そういったライブやイベントをもっと増やしていけるといいなと思います。たくさんの人を巻き込んで遊んでいけると楽しいですよね!

 

 

「続けていく」ことで見えてくる、番組の未来

―『八千代ライブ』をもっと盛り上げていくための展望はありますか?

お客さんと実際に触れ合えるステージやライブ、イベント等を定期的に開催するとか、もっと企業の方と手を組んで盛り上げていきたいという構想は頭の中にあります。

また、ツイッターは付加価値と言いつつも、イベントを開催するとツイッターをやっているファンの方々がたくさん来てくださいます。顔を見ればツイッターのアカウントとなんとなく一致する方も結構いて、そこは『八千代ライブ』の強みだと思っています。

まだ夢物語なのですが、番組絡みの飲食店等も作れたらいいですね。そこに行けば番組に関係している人が誰かしらいて、番組で紹介したものが食べられるとか。

番組の、そしてNSTのファンの方々と強く結びついて、視聴者もコーナーも増やしていきたいです。

 

―『八千代ライブ』が目指すところや最終的な目標を教えてください。

ササダンゴさんと「NSTの“いいとも”を作ろう」「20年続けよう」といってスタートしましたので、まずは長く続けることが目標です。

毎回10%以上の視聴率を取るようなお化け番組になることは簡単ではないので、どちらかというと「付加価値」について考えています。スポンサーさんも数字が高いほうが喜ぶと思うのですが、紹介されたスポットに足を運んでくださる視聴者の数に目を向けると、少し見方が変わってきます。「10人見てくれたけれど2人しか行かなかった」番組よりも、「3人しか見ていないけど3人とも行ってくれた」という側面もあるのかなと。。コアなファンの方々を味方につけて、価値の高い番組にしていきたいですね。

視聴率以外の付加価値を上げていくためにも、定期的なイベント開催やサロンのようなものができないかとも模索しています。もちろん視聴率が一番欲しいですけれど(笑)。

 

―ササダンゴさんのお話ともズレがなく、本当に番組に対する思いが一緒なんだなと伝わりました。貴重なお話し、ありがとうございました!

 

(了)

 

<北村さんのある日の金曜日>

午前中
朝までに台本を完成させ、出演者・スタッフの分の台本を用意。
13:30~
技術打合せ。
スタッフだけでなく、MCのスーパー・ササダンゴ・マシンさん、水谷悠莉アナウンサーも同席。北村さんの進行で、台本に沿って全体の流れを確認。気心の知れたメンバーでなごやかな雰囲気。
14:00~
出演されるゲスト、企業の方々をお出迎え。
14:30~
リハーサル。
スタッフ、出演者が一堂に会し、オープニングやクイズ企画など放送の一部を場当たりして、発言のタイミング、カメラワーク、立ち位置を確認。

15:55~
生放送。
北村さんは全体の進行を管理。スタッフ・出演者の機転を利かせた対応が随所に光る。
番組も折り返した頃、台本通りだと1分足りないことが発覚!北村さんがその場で巻きの指示を入れて見事時間内におさめて無事終了。

 

16:55~
出演者で写真撮影して解散!
そのままレギュラーの出演者やスタッフと飲みに行くこともしばしば。

 


新潟総合テレビ 制作部副部長 北村 芳貴(きたむら よしたか)

2007年NSTに入社。入社以来ずっと制作畑で、NSTの看板番組である『スマイルスタジアムNST』のディレクター、プロデューサーを経て、2013年10月『八千代コースター』を立ち上げる。現在は『八千代ライブ』をメインに、番組制作の第一線で活躍し続けている。

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