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2018.11.15

【徳永有美のメディア先読み】いまの等身大の自分で、素直な声を伝えていきたい

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フリーアナウンサー 徳永有美 さん

1998年にテレビ朝日入社。『やじうまワイド『スーパーモーニング』などのMCを務め、2004年4月から『報道ステーション』のスポーツコーナーを担当。2005年4月にテレビ朝日を退職し、2017年に12年ぶりにAbemaTV『けやきヒルズ』のキャスターとして現場復帰。
2018年10月より『報道ステーション』メインキャスターに就任した。


「徳永有美 のメディア先読み」で、歯切れの良い発言と、地上波・Webの両方を知る立場ならではの鋭い視点を見せてくださっている徳永有美さん。10月1日から、テレビ朝日『 報道ステーション 』でキャスターを務めることになりました。13年ぶりとなる古巣への復帰を果たした徳永さんに、テレビ業界に入ってからこれまでのことやAbemaTVでの経験、そして今後の抱負について語っていただきました。

 

 

広告業界志望だった学生時代

―徳永さんがテレビ業界を志望したきっかけを教えていただけますか?

もともとは、広告代理店志望でした。広告を作るクリエイターになりたいと思っていたんです。映画や小説の長いものではなく、5秒、10秒で表現し勝負する世界観が好きで、学生のときには『広告批評』などをよく読んでいました。広告は、時代観やその人のセンスが凝縮されているのが楽しい。しかし、就職試験を受けるにあたってマスコミ対策みたいなことをまったくしていなくて、広告関係の本を読むぐらいでした。

アナウンサーの試験を受けたのは、広告代理店よりも日程的に先だったからなんです。広告代理店の入社試験に向けて…という感じでした。

 

―広告に関心を持ったきっかけは何でしたか?

私が通っていた大妻女子大学は市ヶ谷駅近くに寮があって、学生時代はそこに住んでいました。休みの日には、新宿にあった青山ブックセンターによく通っていました。あそこはクリエイティブ関係の本がたくさんあったので好きでしたね。自分好みの本を選んでいたら、広告に行き着いたという感じでした。

加えて、寮の同じ部屋に住む先輩がとてもおしゃれで独創的で、かなりとんがっていたんです。とても美しい人で、観る映画も、服装もちょっと変わっていて、放つ言葉もセンスにあふれている。その先輩とは美術館などによく一緒に行きました。そういった人とのふれあいから刺激を受けたのは間違いありません。

もしも今とは違う人生があったなら、「広告クリエイターとして広告を作りたい」と思ったりします。センスがあるかわかりませんが…。短い瞬間にすべてを賭けて、凝縮して表現するというところに、今でもすごく惹かれています。

 

―まだまだ、機会があるかもしれませんよ。

どうですかね。あってもいいんでしょうかね?(笑)

 

 

より良いもの、他では絶対やらないことを

―入社して、最初に担当した番組での思い出ってありますか?

最初のうちは、朝早い番組が多く、毎日精一杯でした。「自分はこんなことがやりたい」といった意志もそんなになかったです。

入社2年目ぐらいから仕事の幅が広がって、ディレクターたちと会話ができるようになると「ディレクターの思いに応えたい、それ以上のこともやりたい」と思うようになりました。そう思えるようになってきてからが、楽しかったですね。スポーツの現場でも、ディレクターをはじめとするスタッフの人と話して、より良いもの、他では絶対にやらないようなことを常に狙っていました。

私は「アナウンサーとして、自分の強みはこれだ」と誇れるものが無かったので、「人がやらないようなことをやらなければ」という思いがあった気がします。

 

―たとえば、具体的に徳永さんらしさを意識した企画ってありますか?

2001年の世界水泳福岡大会に向けて制作された、『世界水泳への道』というミニ枠の帯番組で、シンクロナイズドスイミングに挑戦するという企画がありました。元オリンピックの選手の方々とチームを編成して、『ドラえもん』の曲を踊り切るというものでしたが、髪の結い方や歩き方から始まって、1からすべて練習して、リフトで私を上げてもらったりしました。

まず、女性アナウンサーが水着になるというのが、当時は「そんなことしていいの?」という雰囲気がありましたね。でもバスケやサッカー選手がユニフォームを着るのと同じで、水泳選手なら水着を着るのは当然と思っていたので、私は大丈夫でした。競技のための水着ですし(笑)。

それから、世界水泳に向けて、スペインのグラナダで選手のみなさんが高地合宿されていて、そこで一緒に練習させてもらえたのはうれしかったですね。北島康介さんや、柴田亜衣さんがいる中で、コーチ陣に「徳ちゃんもやる?」って声をかけてもらえたりして。

50mプールで泳がせてもらっていたんですが、何往復もしているうちにプールの真ん中あたりでブラックアウトみたいになっちゃって、鼻血を出してしまったことがあったんです。高地ですし一生懸命になりすぎたようで…。その後、女子更衣室で選手の皆さんに「よく頑張った!」と褒めてもらえて、立場を忘れてうれしかったのを思い出します。「選手の方はここまで自分自身を追い込んでいる。すごく過酷だな」と身をもって知ることができましたね。

そして2002年、ソルトレイクシティ冬季五輪を盛り上げるプロジェクトでやった、スケルトンですね。オリンピックコースを頂上から選手と同じように挑戦することになりました。

 

―ケガはなかったんですか?

ちょっとはしましたけど。若いからできたと言えるかもしれません。振り返ってみるとある意味、自分の中では一番恐ろしい挑戦だったのかもしれません。ディレクターや作家のマッチー(放送作家の町田裕章さん)と、気持ちをひとつにしてやり切ったという感じですね。逆にそういう団結感がなければ、できなかったかもしれません。

人がやらないことや、「あなたがやるの!?」と言われるようなことが、私としては本当に楽しい。本望でした。挑戦自体は「やらされた」というよりも、みんなで「それ、いいね」って言って決めたことなので、とても充実感がありました。

 

―「メディア先読み」にも出ていただいた町田裕章さんとのお仕事で、どんなことが印象に残っていますか?

マッチーと一緒に仕事をしたのはスケルトンだけでしたが、強烈な1回でしたね。番組を制作する過程で「歴史の武将で誰が好き?」って聞かれたことがあって、「そこから私を探ろうとしているな」ってみえたので、「これはちゃんと答えなきゃ」と思い、坂本龍馬が大好きなので、武将ではなく龍馬の話をしました。でも「おかしなことを聞く人だな」って思いましたよ。なかなかそういう人が周囲にはいなかったので。

マッチーは基本的にやさしい人ですね。なかなか、あのような物腰の人はいないと思います。とんがっているわけではないけれど、意志はちゃんと持っている人です。

 

―同じく「メディア先読み」に出ていただいた、同期の小松靖さん(テレビ朝日アナウンサー)とはどんな思い出がありますか?

そうですね…1年目の新人研修や『早起き!チェック』という番組で一緒だったり。一緒に仕事をしたのはその1本だけでしたが、そのあともずっと支え合ってきた仲間です。野村真季、小木逸平、小松靖、上山千穂、私の同期5人は本当に仲が良くて、今でも支え合う大切な仲間です。

 

―失敗して慰めあったりしたことはありましたか?

しょっちゅう。傷の舐め合いでしたね。今もそうです。同じ場にいて「昨日の私どうだった?」って素直に聞けるのは、やっぱり同期のメンバーです。「昨日のユミ、ここ良かったよ」とか「ここはやりすぎじゃない?」とか言ってくれますし、私も彼らには言える。同期のメンバーはみんなそうです。

先輩や後輩だと、そういうのを素直に聞けないことも多いですが(笑)。同期なら甘えて「どうだった?」って聞くことができる。いくつになっても変わらない関係性ですね。

 

―『早起き!チェック』のあと、徳永さんは『内村プロデュース』などバラエティにも仕事の幅を広げていかれましたが、仕事の幅を広げる転機になった出来事ってありますか?

2001年世界水泳福岡大会は、自分の中で大きな仕事でした。テレ朝が全社を挙げて成功させるといった意気込みに満ちあふれていました。アナウンサーという枠を超えて、自分もその一員としてかかわることができたことは、仕事人生の中ですごく大きな出来事でした。

「大きなプロジェクトが成功するってこういうことなんだ!」っていう感動があったんです。みんなで同じ目標に向かって汗水流して、ワイワイ話して、ご飯食べて、寝る時間も惜しんであっという間に駆け抜けた、とても忘れがたい経験です。

2021年に世界水泳が20年ぶりに福岡に帰ってくるのですが、そのことが2017年に現場復帰した大きな理由でもありました。2001年当時は朝の番組でリポーターをしていましたが、アナウンサーとしての仕事はあまり記憶にないんです(笑)。会場の雰囲気や、番組スタッフと色々なことを考えたり、事前取材をしたりといった細かいところは覚えているんですが、不思議ですね。

 

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