放送作家対談【徳永 有美のメディア先読み】メディアとコンテンツの未来とは〜 放送作家 町田 裕章さん 〜

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放送作家対談【徳永 有美のメディア先読み】メディアとコンテンツの未来とは〜 放送作家 町田 裕章さん 〜

聞き手:フリーアナウンサー 徳永 有美(とくなが ゆみ)

1998年にテレビ朝日入社。『やじうまワイド』『スーパーモーニング』などのMCを務め、2004年4月から『報道ステーション』のスポーツコーナーを担当。2005年4月にテレビ朝日を退職し、2017年に12年ぶりに現場復帰を果たす。
現在は、Abema TVの『けやきヒルズ』などでキャスターを務めるほか、BS朝日『スポーツクロス』MCやラジオパーソナリティなど様々なメディアで活躍している。2018年10月からは『報道ステーション』のキャスターに就任予定。

話し手:放送作家 町田 裕章(まちだ ひろあき)

1998年、放送作家デビュー。現在、『金曜★ロンドンハーツ』『アメトーーク!』『VS嵐』『乃木坂工事中』などの地上波番組の他、Abema TVで『NEWS RAP JAPAN』『株式会社ニシノコンサル』などを担当。
(Twitter)https://twitter.com/machi_hi


徳永有美のメディア先読み 第2回

本連載の2回目は、数多くの人気番組を手がける放送作家の町田裕章さん。お二人はほぼ同時期にテレビの世界に入ったことから"テレビ界同期入社"、「マッチー」「徳ちゃん」と呼び合うほどです。

地上波だけでなく、インターネットテレビでも番組作りに携わるマッチーに、これからの番組作りのあるべき姿やメディアの未来について語っていただきました。地上波とインターネット、二つのテレビ業界を知るお二人ならではの「テレビ愛」にあふれたトークをお届けします。

放送作家のタイプは千差万別

徳永:私とマッチーは、テレビの世界に入ったのが同じ年なんですよね。それで同期感みたいなものがあるんですが、実は私があまり知らないマッチーの経歴を教えてもらえますか?

町田:作家として仕事を始めたのは1998年ぐらいかなぁ。きっかけは21歳ぐらいの時にテレビ朝日でリサーチャーのアルバイトをしていて、そこで知り合った方々に「作家でもやってみる?」と誘われて、そこから何となく続いて現在に至っています。大学中退だし就職したこともないです。結果的に20年以上ずっとフリーランス(笑)。

そのテレ朝バイト時代に知り合った方々が、今も『金曜★ロンドンハーツ』を作っている加地(倫三)さんや朝倉(健)さんで、当時から仕事したり遊んだりしていて、今も当時の関係性のまま変わらずご一緒させてもらっているという感じです。そこから少しずつ仕事は増えていくんだけど、担当番組数はずっと10本前後で、あまり数は抱え過ぎないようにしています。それぞれの仕事相手に悪いので。さすがに少なくなったら軽く営業のようなことはしますけど(笑)。

徳永:町田くんと出会ったのは2002年。テレ朝スポーツとして、ソルトレイクシティ冬季五輪を盛り上げようというプロジェクトの時でしたね。私は当時、体力勝負が売りのリポーターで「何か企画をしよう」というときに、マッチー達のチームが現れたんです。私は27歳で、この頃はいちばん脂が乗ってる時期(笑)。

町田:確かに乗ってた(笑)。当時、バラエティ班にいた僕がなんでスポーツ班の仕事をしたかというと、スポーツ局のディレクターだった谷口洋一さん(現・営業局タイムマーケティング部長)に誘われたから。谷口さんは当時から改革者的なところがあって、各所から人材を集めてきて番組を作るみたいなことをしていました。谷口さんとはスポーツ班とバラエティ班が共同制作で作っていた『スポコン!』という番組で出会っていて、その谷口さんがソルトレイク特番を制作するという時に、僕に声を掛けて下さって、そこで徳ちゃん達と知り合うんだよね。

徳永:それで、ソルトレイクシティ関連の特番をやるにあたって、マッチー達のチームから「私の人となりを知りたい」と言われたんです。そこで初めて対面して「どんなことが好きですか?」とか聞いてくださって、企画を練り上げてくれました。当時私は、作家さんは演者と一線を置くというか、離れたところで考えて機能しているというイメージを持っていたのだけれど、マッチーは前線に来て温度を確認するという感じがしていました。

町田:自分では意識してなかったけど、今言われて気づきました(笑)。たしかに僕は今も企画を考える時は、その演者さんに合う企画、演者さんの人格やキャラクターありきで発想します。「俺はこれが面白い!」じゃなくて、あの芸人さんだったら、あのアイドルだったら...みたいな完全な裏方気質。自分が前に出たいという気持ちは全くなくて、企画は演者さんありきで考える方が好きですね。

徳永:ソルトレイクシティの企画については、「徳永がスケルトンを滑る」という企画をどう展開していくかを町田くんが考えてましたね。私と、マッチーとディレクターたちの同世代4人でチームを組んで、チームワークも良く一緒に頑張るって感じで、ストレスなく楽しく仕事をさせてもらいました。

乱暴な言い方かもしれないけど、作家さんって演者さんと同じ立ち位置で仕事する方と、マッチーのように裏方に徹して出すぎない方と2パターンあるように思うんだけど、それに関してはどうお考えですか?

町田:それに関しては、作家さんそれぞれの人間性によるので、本当に千差万別だと思います。放送作家って憧れてなったという方が多いかと思うんですが、僕の場合は、たまたまアルバイトから始まって、もちろんテレビを観るのは大好きだったけど、作る側に自分がいけるなんて全く思っていなかったから、そもそも理想の作家像というものがないんです。

大切なのは企画を通す力

徳永:放送作家の先輩で影響を受けた方っていないんですか?

町田:そーたにさんと、おちまさとさんですかね。特におちまさとさんは、僕が若手の頃、おちさんが作る番組の下でよく働かせてもらっていました。

徳永:おちさんのすごいところって、どんなところですか?

町田:一番は企画を通す力ですかね。企画って様々な事情もあり、すんなりとは通らないことは多々ありますが、おちさんはそういう事情とかに迎合せずに自分の企画を貫く、その力が凄いなと感じてました。もちろん、通すための工夫や根回しもされているのでしょうけど、結果的に企画を通す。企画って考えるだけなら誰でも出来ますが、実は通す力がとても重要で、通すためには企画力だけではなくプレゼン力や人脈、信頼なども不可欠です。なので、新人が「これ面白い!」って提案しても大抵は通らないですよね。

徳永:どんな業界、会社でも企画を通す力って大事なことですよね。どうすれば通りやすくなるんでしょうね?

町田:タイミングですかね。タイミングを計ること。夫婦関係もそうでしょう?自分はこうしたいと思っていても、タイミングとか空気を察知しないと妻に希望は通らない(笑)。空気察知能力。会議室の空気、ひいては時代の空気を読むことでしょうかね。それをどうやって学ぶかは僕もわかりませんけど(笑)。

徳永:ひとつはタイミングね。じゃあ次は?

町田:あとは、自信なさそうに企画を出すかな(笑)。人って「これ面白いですよ!」ってグイグイ来られると、やっぱり引いちゃうと思うんですよね。だから僕は、とにかくハードルを下げて、相手が興味を持ってくれた時だけ急に饒舌になります。

徳永:具体的に、番組企画っていつどうやって出すんですか?

町田:2種類あって、番組企画募集みたいな場に自分から企画を持って行くパターンと、大まかな枠や演者さんは決まってて具体的な企画が欲しいと言われるパターン。僕は後者のほうが多いですかね。「何かない?」って頼まれたから応えている、みたいな。

徳永:でも、そこまで求められるっていうのはすごい!ずっと応えてきたんでしょう?求められたら良い企画を出すということを、積み重ねてきたんですよね。

町田:頼んでくれた人は何を求めてるんだろうかみたいなのを僕は常に考えますかね。自分のやりたいことは二の次で、この人が本当にやりたいことは何か、もっと言えば、この人がどうやったら幸せになるだろうかという風に考える。

徳永:マッチーは相手をどう輝かせるかを大切にしてるのね。

町田:けど、これって作家としては少数派かも。作家のタイプとして多いのは、やっぱり学生時代から周りに面白いと言われてきた自分のネタに自信がある人。よく野球の打順に喩えるんですけど、言っても作家は四番を打ちたがる人の方が多いんじゃないかなぁ。でも番組って多くの人が関わっているから、僕は現場ごとに自分が何番を打てばいいのか空気を読みます(笑)。全員が四番のバッティングをしてもチームは勝てないし、結果的にチームが勝ってくれたら、番組が良くなってくれたら自分は何番でもいいです。

「ながら視聴」と「積極視聴」

徳永:マッチーは地上波のバラエティの世界をずっと歩んできて、現在はAbema TVの番組もやってますよね。作家さんの立場から見て、以前と今で変わった部分ってありますか?

町田:地上波とAbema TVなどネット番組は、現時点では結構分けて考えています。地上波のように「世帯」という数字(=世帯視聴率)を意識しながら作るマスに向けた番組と、ネット番組のように特定の層に向けた番組とでは違うかなと。地上波の番組は、マスの数字こそ正義という考え方はいまだに根強いです。けれど一方で、Abema TVに限らずYouTubeやAmazonプライムなどネット配信番組は、新たな価値基準を生み出そうとしている感がある。だから作り方も内容も当然違うと思います。地上波のテレビは「老若男女みんな楽しく観られる番組です」って感じですが、Abema TVはもう少しミクロな視聴者層に寄せてる感覚はあります。

徳永:地上波は「なんとなく観ている、テレビが点いている」感じですよね。まさに「お茶の間」という。一方で、Abema TVの視聴者は能動的に楽しもうと思って観てくださっている気がしていて、そこにはかなりの違いがありますね。

町田:その通りですね。でも僕は、地上波の中でもネットと同じように積極視聴される番組になるべく携わりたいと思っています。「積極視聴番組」というのは、『世界の果てまでイッテQ!』や『水曜日のダウンタウン』のように番組自体にファンが付いている番組とか、アイドルなど熱烈なファンを持つタレントさんメインの番組とか。そうした番組の視聴者は「なんとなく観ている」ということがない。個人的には「ながら視聴番組」はあまりやりたくない。地上波には、今も「ながら視聴」を前提に作っている番組がある。世帯の数字で判断されるから、現時点では間違ってないことなんだけど、今後はキツくなってくるんじゃないかなと思います。

徳永:「ながら視聴」と「積極視聴」。番組の作り方ってどう違うんでしょうか?

町田:ながら視聴の番組って「誰にでもわかりやすく」「なんとなく生活の知恵になる」ような番組が多い気がします。そうした番組ももちろん必要だけど、そればかりになってしまう状況はよくない。だから「これ、どこどこで数字取ってましたよ、だからウチもこれやりましょう」って言うテレビマンは好きじゃないですね。悪い意味でテレビ番組の画一化がますます進んでしまう。

徳永:「誰にでもわかる」「生活のちょっとした知恵」の番組ばかりになる状況はよくないというのはどういう意味でしょう?

町田:今の地上波が世帯の数字だけで判断されてしまう以上、人口のボリュームゾーンである高齢者層を意識せざるを得ません。若年層は、そもそも人口が少ないから世帯数字に影響があまりない。これって日本の政治と同じで、高齢者優遇で若年層冷遇な番組作りになりがちです。だけど本当にそれでいいのかなって。あくまで個人的な意見ですが、広告は若年層に向けて打たなくては意味がないんじゃないかと思っています。テレビ局というビジネスモデルが広告収入で成り立っている以上、若年層を無視して高齢者向けの番組ばかりが増えていく現状はどうかと思う。

徳永:すごくおもしろいですね。

町田:でも、これは番組によっても、あるいは局によっても考え方が分かれている。いや、なんならインターネットが普及してから20年ぐらいは、メディア全体がどこに向けて広告を打つのかを迷っている気がします。そういう意味で、広告収入で成り立っていた全てのメディアは今、過渡期に差し掛かっていると思います。

徳永:Abema TVは若者をターゲットにしているイメージがあります。どうですか?Abema TVは新しい方向性をつかんでいるって感じはしますか?

町田:僕はあまり詳しいことはわかりませんが、Abema TVは10代・20代に向いている感じがしますし、SNSを凄く意識しています。タレントさんって、認知度の高いタレントさんと人気度の高いタレントさんの2種類いて、後者は認知度でいくと前者には敵わないけど、ファンの愛情度が深いからSNS等で拡散しやすい。だから、Abema TVは「特定の1000人の心に深く刺さる」みたいな人をもっと使った方がいいんじゃないかな。

徳永:ネットは、強烈な1000人のファンがいればどんどん拡散されます。この仕組みがおもしろいですよね。

町田:そうそう。だから、同じ人数でもどれだけ深く心に刺さったか、みたいなのが数値化できればいいのにと思います。最近は、顔認証技術を使って視聴中にどういう表情でテレビを観ているのかを数値化するベンチャー企業もあるそうです。そういうデータがちゃんとスポンサーに届くと、番組作りももう少し変わってくるのかなと思います。

徳永:改めて、マッチーは人や時代、空気を捉えながら仕事をしてきたんだなと思いました。スタッフ同士でこういう話ってするんですか?

町田:今日は聞かれたから答えてるけど、めったに自分からは言わないよ(笑)。

徳永:昔から思ってたんだけど、マッチーって自分の良さとか能力とか、「自分はこう思っている」とはほとんど言わなくて、爪を隠しっぱなし(笑)。そのスタイルでよくぞここまで...(笑)。

町田:やっていけてるんですよ、そこそこは(笑)。

地上波とネットテレビは融合するか?

町田:これは徳ちゃんとの共通点でもあるけど、僕はすごく歴史が好きなんです。だから、テレビ過渡期って、歴史で言えばどういう時代なんだろうってよく考えるんですよね。過去の歴史で起こった出来事を現代に置き換えると、この先のことはある程度の予測がつくんじゃないかと思ってるんです。

歴史的に見ると、新たなイノベーションや価値観によって起きた時代の変革期って、必ず保守勢力からの反抗が起こる。イギリスの産業革命も、日本の幕末もそうですよね。けど、最終的には絶対に新しい勢力の方が勝つ。旧体制側の人はもっともらしい反対意見を言うけど、必ず負ける。となると、今回の過渡期も今後どうなっていくのかがわかるような気がします。

徳永:それって、いつかは地上波の牙城が崩れるときが来るということ?

町田:今のビジネスモデルという意味で言うと、崩れる部分もあるんじゃないですかね。だってテレビ局の広告収入が今後、大きく増えることはないですよね。だから広告収入以外の新たな収入源を生み出す必要がある。その一つとしては、やっぱりコンテンツにファンをつけることだと思います。最近でいうと『カメラを止めるな!』とか凄いじゃないですか。ひとつのコンテンツであれだけ拡散するんだから。未来があるなって感じがする。視聴スタイルもテレビに限らず、スマホだろうが映画館だろうが何でもいいです、とにかく愛されるコンテンツ。人に拡散したくなるような。

徳永:ネットと地上波の融合が言われているけど、マッチーはどうなっていくと思いますか?

町田:そもそも観ている側は、ネットとか地上波とか関係ないですよね。ただ、今あるようなテレビ視聴の形は徐々に変わるとは思います。実際、今10代で一人暮らしする子の家には、ほとんどテレビを置いていないという実状がある。そんな子達が30代ぐらいになったら必然的に今のお茶の間テレビ視聴というスタイルは無くなりますよね。段階的にですが、今のテレビという受像機も無くなって全てモバイルに飲み込まれていくと思います。固定電話みたいな感じで、「あ、家に固定テレビがあるんだ?」って言い出すんじゃないですか?30年前に誰も家から電話が無くなるなんて思ってなかったですよね。

インターネットテレビが進む道

徳永:先程、「テレビ局が生き残っていくには、『愛されるコンテンツ』作りが大切」という話が出ましたが、私が今出演し、気持ちを注いでいるAbema TVのようなインターネットテレビのこれからをどのように考えますか?

町田:今はかなり黎明期だと思うのでわかりませんが、どんどん細分化されていくコンテンツにそれぞれ見合ったスポンサーから広告収入を付けるとか、ファンから課金などの仕組みをちゃんと構築することとかですかね。現在のテレビ局のモデルとの差別化ですよね。あとはNetflixやAmazonなどの巨大外資にどこまで対抗できるかですね。

徳永:Abema TVのコンテンツでうまくやっている印象の番組はありますか?

町田:SNSで拡散させるのを重要視しているという意味では、『72時間テレビ』は大きな成功例じゃないでしょうか。語弊あるけど、地上波とは違って、しがらみがないという強みを生かして作った番組でしたよね。だからやっぱり、熱烈なファンを持つタレントさんが出演する「愛すべき番組」を作って、そのタレントさんに相応のお金が流れる仕組みを作ることができれば、演者さんもスタッフも視聴者もウィンウィンだし、インターネットテレビはその方向へ進むべきじゃないかと思いますね。

徳永:地上波とインターネットTVの番組の作り方で、世帯/特定の個人っていうターゲティング以外に何か異なる点ってありますか?

町田:ネットには、ある種の忖度がないという良さがあります。現場が面白いと感じていることが視聴者に届くまでの距離が短いというか。地上波は巨大企業だし多くの人が関わっているから、結果的に面白いものが届くまでの時間も距離も長い。

徳永:私はAbema TVで報道をやっていて思うんですが、地上波は、その影響力もあって、いろんな方々の立場を考えながら作っていくので、極力誰も痛まないようにする反面、あまり深くは掘れない部分も出てきます。一方で、Abema TVは、「自分たちは、このニュースのここがおもしろいと思っている」ってことをいかに伝え、人の心に刺さるようなものを作れるかってところで勝負している。その違いって実はすごく大きいと思ってるんです。地上波はニュースの本質以外に向き合わなくてはいけない部分も多いのだけど、Abema TVはニュースの本質とだけ向き合える環境になっているから、純粋にニュースの本質を掘れるっていう喜びはありますね。

町田:うん。地上波のような大人数が目にするメディアだと、当然反対意見も多くなる。けど、反対意見を怖がって丸い意見ばかりを言っても面白くない。でも徳ちゃんにはAbema TVだろうが地上波だろうが関係なくニュースの本質を伝えていってほしいですね。

誰かの心に深く刺さるものが残る

徳永:地上波の番組は長い時間をかけて丁寧に作っていますが、各局ともやっている事が似てくる場合もあるし、番組の個性が埋没することもあるように感じています。「これ、数字あるからやろう」っていう状況が続くと、厳しい時代が来るかもしれません。

町田:テレビってもっと自由だし、多少怒られてもいいから、もっと自分のやりたいことをやるべきなんですよ。それが個性に繋がるし。

徳永:そういう意味では、「これを伝えたい」という声を持っている人がより貴重な存在になっていきますね。

町田:そう。そういうスタッフや演者さんが大事。そうすると、誰かの心に深く刺さるものが残っていくし。そして、そういう優秀な作り手や演者さんがストレスなく物作りできる環境が必要なんでしょうね。若くて熱い作り手は今も沢山いるし、ちゃんとした番組作りをしているから、なるべくそういう人たちと仕事したいですよね。

徳永:若手でテレビに対して熱意のある人たちには、タイミングや空気を読みながら企画を出して、自らの思いを体現していってほしいと思います。抱えている仕事を全体的に見て、マッチーは今、放送作家としてどの打順ですか?

町田:うーん、しいていえば6番かな。クリーンナップが残した出塁者をホームへ返すような仕事。って、こんな風に野球に喩えるのはよくない、おじさんはすぐ野球に喩えたがる(笑)。若い子に言っても「は?クリーンナップってなんすか?」ですよ(笑)。でも、野球はマスのスポーツだったから喩えとして成立していたんですよね、だから今は本当にマスがなくなってきているってことなんです。これからは何に喩えていったらいいんでしょうか(苦笑)。

徳永:地上波とインターネットテレビの行方、これからもますます目が離せないですね。本日はどうもありがとうございました。

町田:こちらこそ、ありがとうございました!

(了)

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