HOME テレビ 「配信で地元ならではの情報をデリバリーする」中京テレビ 林 義人さん vol.1
2018.5.7

「配信で地元ならではの情報をデリバリーする」中京テレビ 林 義人さん vol.1

SHARE ON

このエントリーをはてなブックマークに追加

中京テレビ 編成局インターネット事業部 林 義人氏


ローカル局の中でも独自の配信サービスを開発した中京テレビ。配信開始のきっかけや開発秘話、その反響、さらに今後のローカル局の在り方について話を伺った。

 

―まず、林さんが中京テレビに入社したきっかけを教えていただけますか?

僕が中京テレビに入社したのは1992年。バブルが弾ける直前、最後の滑り込み世代と言われていて、僕自身は正直どうしてもマスコミに入りたいというこだわりはなかった。たまたま受けたらご縁があって、内定をいただけたという感じです。入社後は営業畑を中心に、本社営業、支局、そのあと東京、それからまた本社営業に帰ってきて、当時は〝営業2周目だな〟とか言われていました(笑)。トータルで営業を16年間経験して、デジタルメディア部へ異動することになり、今年で丸9年経ちました。

―16年間の営業時代に広告主の変化を感じたことはありますか?

僕がデジタルメディア部に異動したいと思ったきっかけの一つでもあるのですが、96、97年あたりからインターネットが普及し始めて、2003年には地デジ放送もスタートして、これからはインターネットの時代が来ると感じたんですね。当時はまだガラケー全盛期でしたが、ドコモのiモーションという動画サービスを活用して、うちのイベントステージで芸人さんの様子を配信するといった企画が営業で持ち上がり、初めてモバイル向けの動画配信を行いました。

また当時は営業のデスクをやっていて、そんなことが実現するとは思っていなかったのですが、確か2005年ぐらいだったと思うのですが、スポンサー1社提供のミニ番組を配信できないかという依頼が来まして、社内外の調整をして番組配信にこぎつけた思い出があります。今思えばこれが中京テレビの見逃し配信第一号だったかもしれません。また2006年から始まったワンセグ放送では、番組で紹介した服が番組を見ながら2次リンクへ遷移すれば買える企画を実施しました。

ワンセグなのにといったら失礼ですが、毎週数着でも売れていたんです。そういった新しい試みをいろいろとやっているうちに、デジタル系の仕事に興味を持ち、異動願を出してこちらの部署に移ってきた次第です。今思い返してみると、ちょうどテレビも広告主も放送だけではなくWEBやインターネットを活用しなければという機運になってきた時期だったんですよね。営業時代は広告主の要請に応じて企画を考えていましたが、異動してからはデジタル時代を見据えて、主体的に企画を考えるようになりました。

―異動してからはどのような仕事をされましたか?  

デジタルメディア部に異動してからはいろいろやりましたが主にデータ放送を担当しました。非常に悔しかったのが、2010年に非連動データ放送上で遊ぶ成ゲーム「テレビで収穫(咲くっチュ!)」を開発しリリースしたのですが、ゲームのデータをすべて放送波に乗せて送り込んだため表示されるまでに随分時間がかかってしまい、視聴者にとって遊びにくいコンテンツになってしまいました。

そして開始から1年あまりでこのサービスを打ち切りました。テレビの結線が進んだら、いつか必ず通信でやろうと思った企画です。そして私にとって大きな転機の一つに、2012年のロンドンオリンピックがあります。NHKは地上波で放送しない競技のみをネット配信していたのですが、イギリスの公共放送BBCはというと、全競技をネット配信。

これが非常にインパクトのある出来事で、テレビ放送を通じてしか伝わってこなかったオリンピック競技の映像がインターネットでも配信される時代になったのかと、衝撃を受けました。

そして、僕がインターネットによる映像の配信を意識し始めた頃、日本テレビが番組の無料視聴ができる『日テレいつでもどこでもキャンペーン』を立ち上げて、見逃し配信トライアルを始めたんです。さらに、NHKがテレビとインターネットを融合したハイブリッドキャストという規格を発表したり。

当時、データ放送を担当していた僕は、テレビがインターネットに繋がっていく時代が思ったより早く来ることを実感しました。そこで、海外の状況を知りたいと思い、会社にお願いして、アメリカとヨーロッパのテレビ局の配信事情を調べたら、欧州版ハイブリッドキャストであるHbbTVという放送通信融合型データ放送があることが分かり、視察に行かせてもらったんです。視察に行ったのは2015年の1月。ちょうど3年前のことです。

 

海外視察で痛感日本はネット配信後進国

―その視察での率直なご感想は?

今日本では同時配信が話題になっていますが、アメリカもヨーロッパも既に同時配信は普通にやっていました。テレビ番組の見逃し配信も当たり前。インターネットは放送インフラの一部であることに驚きました。 ハイブリッドキャストの欧州版、HbbTVを見たときもビックリしました。

ドイツ発祥のHbbTVはヨーロッパの主要国に普及していますし、いずれ中国や東南アジア、アメリカまで拡大させたいと当時インタビューしたIRT(ドイツの放送技術研究所)のクラウスCEOは大変意気込んでいました。、世界のデファクトをHbbTVが取るんだという強い意志と共に世界に広げる動きがヨーロッパから力強く広がっているのを目の当たりにしました。

―どのくらいの期間、視察に行かれたのですか?

この研修は1カ月以内がルールなのですが結局5週間くらい行っていましたね。〝1カ月に収まりません〟って人事部に言って( 笑)。研修後は、似たような目的で民放連の海外視察研修に行っていた者と共著で報告書を作成して会社と共有しました。

―報告書の中で、最も反響があったのは?(vol.2)に続く

 

関連記事

vol.3はこちら

vol.4はこちら

 

 

 

関連記事


「配信で地元ならではの情報をデリバリーする」中京テレビ 林 義人さん vol.2

PREV

狭く刺して大きな揺れを起こす!

NEXT

人気の記事

RANKING

最新の記事

WHAT'S NEW

MORE