HOME テレビ 「これからのニュースは、時間の枠を超えて新たな空間を作り届ける役割を担う」 フジテレビ 清水俊宏さん vol.4
2018.5.2

「これからのニュースは、時間の枠を超えて新たな空間を作り届ける役割を担う」 フジテレビ 清水俊宏さん vol.4

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フジテレビ ニュースコンテンツ プロジェクトリーダー  清水 俊宏氏


前回の記事はこちら(vol.3)

—以前、清水さんが取材されたABCニュースのエグゼクティブ・プロデューサーであるドーラン氏が「ニュースに金を払おうというユーザーはほとんどいない」と語っておられました。そこで今後のホウドウキョクについてですが、マネタイズ面に関してはどのようにお考えでしょうか?

ファン作りが重要だと考えています。今でいうと、例えば軍事系の情報にはニッチな需要があって、安全保障のイベントをやると毎回かなりの人数が来てくれるようになりました。加えて、これまでのテレビになかった映像やテキストの作り方を面白がってくださるクライアントもいて、ホウドウキョクと一緒に記事をやりつつ、イベントもタイアップしていきませんかというお話も多くいただくようになってきました。

そうやってユーザーからもクライアントからもファンを獲得して、『ここにくればこういうものが必ずある』という確かな満足感を醸成していく。これはフジテレビが今までイベントや映画をやって集客をしてきたのと全く同じことなんですよね。

ドーランさんが言ってい新たように、ニュースだけでマネタイズすることは確かに難しい。ホウドウキョクに対しても『もっともっとPVを稼げば収入は上がるんでしょう』という考え方を持っている人もいますが、それはマネタイズの本質ではないと考えています。ホウドウキョクはクリックしてもらうためのメディアではなく、ホウドウキョクを通じて人が集まり楽しんでもらうためのメディアです。ユーザーやファン、クライアントと共にそういう楽しんでもらえる場をつくっていきたい、そう考えています。

 

 「北斗の拳イチゴ味フキカエニュース」

「北斗の拳」のパロディマンガとして累計170万部を超える人気作品「北斗の拳 イチゴ味」。
そのセリフ部分をニュース内容にフキカエしたマンガ。楽しみながら時事ネタを学べるコンテンツとなっている。
©武論尊・原哲夫/NSP 1983版権許諾証CNX-017

 

最新テクノロジーと人間のアイデアがあれば最強のコンテンツを作ることができる

—これからテレビがさらに盛り上がっていくためには、何が必要でしょうか?

VRやAR、AIなどの最新テクノロジーを積極的に取り入れるということは必須だと感じています。よくAIが人間の仕事を奪うのではないかという議論がありますが、これは対立する話ではなく、ビッグデータを蓄積したAIなどのテクノロジーと、新たなアイデアを生み出せる人間を組み合わせたら最強のコンテンツが生まれると思うんです。

そしてテレビはまさにそれができる。あと、ARも面白いです。例えば、今のサッカー中継は、誰かがシュートしたらその選手をアップで映したり、リプレイを流したりしています。これは必要な演出ですが、再現シーンを入れていたらその後のボールの動きを追えないこともある。でもテクノロジーの進化で、テレビ受像機の前にARの装置があって、ボールと選手の動きを全部見られたら、選手の表情も、プレーの流れもすべて楽しむことができる。

試合会場に行った時のように、ボールと絡んでいない選手の動きまで見ることができるでしょう。そういう技術が発達した時に、本当にテレビ局はテレビという二次元のハコだけに流すものをつくっていていいのか? という話になってきます。ARを映すハードそのものはテレビ局にはつくれませんが、そこに映すものは絶対につくれるんです。

なので、フジテレビは二次元映像をつくれるのはもちろんのこと、ARの空間までのすべてをつくれるようになっていたい。何十年にもわたって培われたいろんなノウハウや人材が揃っているので、絶対にできるんです。これからは、ARでのコンテンツ制作に合わせて、地上波の編成をするなんてこともあるかもしれません。

テレビ局は、新しいテクノロジーにすぐ対応できる体勢とか頭の柔軟さを持っているべきだし、実際にフジテレビという会社に限って言えば、それらはすべて持っているなと中にいて感じています。これから5Gの時代になってくればテレビ局は、空間をつくって送るという時代に入っていくと思います。テレビが今の『時間』や『画面』という枠を超えていくのが、今から楽しみです。

(了)



フジテレビ ニュースコンテンツ プロジェクトリーダー

清水 俊宏(しみず としひろ)

2002年フジテレビに入社。報道局、政治部を経て『新報道2001』のディレクターを担当し、2011年からは『スーパーニュース』の演出、『ニュースJAPAN』のプロデューサー等を担当。2015年に、デジタルメディア『ホウドウキョク』を立ち上げる。

 

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