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2017.11.8

ローカル探訪「高知県4局」

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地方で話題になっているご当地番組の現場や、新たな取り組みを取り上げるこの連載。今回は高知を訪ねました。4 局のみなさまに集まっていただき、座談会を開きました。

※本記事は2016年9月に発売したSynapseに掲載されたものです。

 

 


 

 

NHK総合・Eテレ(1・2チャンネル)に、民放は日本テレビ系の高知放送(4チャンネル)、TBS系のテレビ高知(6チャンネル)、フジテレビ系の高知さんさんテレビ(8チャンネル)。高知4局が一堂に会した!「県内テレビ局一丸『みてみて高知12 4 6 8( ワンツーヨーロッパ)』キャンペーン展開中。

 

 

<<  座談会メンバーの紹介 >>

 

NHK高知放送局

放送部長
大塚秋人さん

1991年入局。プロデューサーとしてEテレで『Rの法則』、『テストの花道』などを制作。
福島、和歌山、大阪などの放送局を歴任し、放送大学出向を経て、2016年7月より現職。

 

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高知さんさんテレビ

執行役員 業務推進局長
梅谷圭二さん(写真右)

1997年開局年に入社。本社・支社での営業、総務局、報道制作局、2016年7月より現職。

業務推進局次長 兼 業務編成部長
森下和恵さん(写真左)

1996年11月入社。総務局にて人事・労務の担当を経て、2015年7月から現職。

 

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テレビ高知

編成局長番組プロデューサー
岡﨑正明さん(写真右)

1981年入社。技術、本社・東京支社での営業、デジタル系の部署などを経験し、2013年より現職。

編成局 編成業務部長代理 編成担当
新納朋代さん(写真左)

1988年入社。アナウンサー、記者、ディレクター、編成業務、
深夜番組のプロデューサーなどを経て、2015年より現職。

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高知放送

編成業務局次長兼 テレビ編成業務部長
金子 勝さん(写真左)

1989年入社。本社・東京支社での営業、営業推進部、報道部長などを経て、2016年3月より現職。

編成業務局 テレビ編成業務部専門部長 システム担当
前田幸博さん(写真右)

1991年入社。テレビ営業、販促事業部、テレビ進行部、編成業務部、システム部などを経て、
2016年4月より現職。

 


 

― まずNHKさんが参加される前の468(ヨーロッパ)キャンペーンですが、これはどのようにして始まったのでしょうか?

岡﨑「昨年8月のよさこい祭りに審査員として参加していたのですが、同じく審査員として高知放送さん、高知さんさんテレビさん、NHKさんもいらっしゃって、審査の合間にふと視聴率の低下の話になったんです。各局個別の数字もさることながら、高知エリア全体として視聴率が落ち込んでいた時期で、『これはなんとかしなきゃいけないですよね』とNHKさんもおっしゃるような状況でした。

それが起点となって、各局合同で何か仕掛けていきたいねという話につながっていきました。民放3局は昨年10月からスタートしようと考えていたのですが、NHKさんは参加したい気持ちはあるものの、内部での調整がいろいろと必要で、調整ができたタイミングから参加していただくということで、ひとまず民放3 局でスタートさせました。

『468(ヨーロッパ)キャンペーン』というネーミングは、企画コンペを実施して、ある会社が民放3局の4ch(高知放送)、6ch(テレビ高知)、8ch(高知さんさんテレビ)の各数字をとった案として出してきて面白かったので、それを採用しました。ある会社といっても、当社の関連会社である『テレビ高知映像』なんですが(笑)」

 

― この3局キャンぺーンの話は、各社で社内的にどう受け止められたのでしょうか?

金子「当時の担当者が積極的に推進してくれたので、社内でも通りが非常にスムーズで、特に問題なく進みました」

森下「民放3局の社長レベルのあいだでも、高知のHUT低下が共通問題であるという認識を確認し合っていたということもあって、この話を当社内で通そうとした際も非常にスムーズに進んだと聞いています」

 

 

高知のことが分かって楽しくなる……
キャンペーンのテーマソング「テレビは高知の応援団」をレコーディング。

写真右からNHK高知・梅山茜(うめやま・あかね)キャスター、高知放送・高橋生(たかはし・なる)アナ、テレビ高知・久保円華(くぼ・まどか)アナ、高知さんさんテレビ・和田早矢(わだ・さや)アナ。

 

キャンペーンはいかに進められたか。

 

― 実際、進めていくにあたってご苦労はなかったでしょうか? 足並みを揃えるのが大変だったとか。

新納「先ほど岡﨑が申し上げたようにテレビ高知映像が468キャンペーンの受注をしたため、私が各局さんとの合意事項や要望などを連絡役として調整するかたちになりました。個人的な業務量は膨らみましたが、各局の足並みが揃わないということはまったくありませんでしたね」

 

― キャンペーン自体はどんな内容で行われたのでしょうか?

新納「各局のアナウンサーが出演するスポットCMを制作して、各局で出稿しました。昨年10月のキャンペーンではQUOカードのプレゼントを実施しました。この時にも、各局積極的に取り組んでいただきました。QUOカードのプレゼントに応募するためにはキーワード3文字が必要で、その3文字は『テ・レ・ビ』なんですが、各局のCMごとに1文字ずつ発表し、3局見ないと応募できないかたちにしました。

スポットCM自体は各局1日最低10本は出そうという取り決めで、11月に入るまでキャンペーンを実施しました。スポットCM以外の動きとしては県内の学園祭などへ、各局アナの調整ができる限り、極力参加していくようにしました。QUOカードも含めて想像以上の反響があって、この468キャンペーンによってHUTにも効果があったのかなと思われる状況になったと思います」

 

― 反響があった要因は何だったのでしょうか?

梅谷「3局の局アナが同時に出演するスポットCMをつくり、各局で流したので、RKCさんの画面にさんさんテレビの女子アナが出ることになるわけです。互いの局アナが他局に相互乗り入れしているような素材だったので、それだけでもインパクトあったんじゃないかと思います」

岡﨑「各局で毎日出稿を続けていくことで、それなりの出稿量になったと思いますし、どの局を見ても同じようなCM素材を何回も放送していたこともあって、"放送局が一緒に何か面白そうなことやっているな"という受け止められ方をしたのだろうと思いますね」

金子「あとはCMだけでなく、各局の情報番組のなかでも取り上げたんです。当社でいえば、これまで週1だったのを、この4月からベルトにした『eye+スーパー』という夕方の番組を始めたばかりだったのですが、そこで取り上げました。各局の自主制作番組内で露出していったことも反響につながっているのだと思います」

岡﨑「当社でいえば、『テレっちのたまご』という夕方の情報番組に、高知放送さん・高知さんさんテレビさんのアナウンサーの方々に出演してもらって、QUOカードの案内をしたり」

 

そして4局揃い踏み。12468へ。

 

― そこから、NHKさんが参画された1 2 4 6 8( ワンツーヨーロッパ)キャンペーンへと発展していったわけですが、その経緯をお聞かせいただけますか?

大塚「前任者は、468キャンペーンの立ち上げ時から入りたかったんです。高知はHUTが低くて、上げるための努力をするのは大事なことだと。あとは、私たち独自で高知県内で調査した時に、"親しみやすさ"という点で、NHKが非常に低かったということもあって、ぜひ仲間に入れてもらえたらなと考えていたんです。ただ、先ほどの話にあったような視聴者プレゼントや民放局さんとのこういう合同キャンペーンなどの前例がほとんどなかったので、組織内で上に通していくなかで、10月には間に合わなかったんです。それがやっと調整がついて、今年4月から参加できるようになりました」

 

― NHKさんが参加できて、高知エリアの全テレビ局が出揃ったという意味で良かったとは思うのですが、そもそもNHKさんってプレゼントは禁止ですよね?

大塚「4月からのキャンペーンも、プレゼントがないかたちにしてもらいましたが、民放局さんと違った基準もあるなかで、今後どういったかたちにしていくのがベストかを、みなさんと一緒に考えさせていただきたいなと思っています。各局さんにとっても効果が確認しやすいようなかたちも模索しないといけないですね」

 

― 今後の12468キャンペーンのご予定についてお聞かせください。

岡﨑「また新しいスポット"CM"……というとNHKさん的にはNGなので(笑)、今後は"PR動画"という表現になりますが、秋冬バージョンを制作する予定です。あと、天気フィラーの秋冬バージョンの撮影。9月中には撮影を終わらせて、10月から放送していきたいと思っています。あとは、昨年もやったような大学祭への参加も考えていきたいと思っています。10月が大学祭シーズンなので8月中に各大学の実行委員会へ打診していくべく、各局でスケジュールを調整中です」

 

 

高知県東部の北川村にある『北川村「モネの庭」マルモッタン』。印象派の巨匠クロード・モネが育てていたのと同じ睡蓮が見られる高知の人気スポットで、4局女子アナの映像を収録。お天気フィラーとして各局で放送しつつ、観光名所の魅力も伝えられる内容に。

 

 

 

生まれた連携をどう使うか。ローカルの今後とは。

 

― 12468キャンペーンで、各局連携の下地はできたわけですが、これからのローカル局さんの生き残りについては、みなさんどう考えていらっしゃいますか?

前田「これは完全に個人的な見解ですが、BSをはじめとした衛星放送やネットを含めた他サービスも出てきて、視聴者にとって選択肢が増えているので、やや地上波自体の数字も含めて力が下がってきているのは実感としてあります。ただそれは、ローカル情報が映像で必要なくなるという話ではまったくなくて、むしろローカル映像は確実に必要なので、ネットも含めた他サービスなどとバランスする終着点を探っていく、ちょうど変動期なんだろうと考えています」

梅谷「今、衛星やネットのお話がありました通り、『その他視聴率』が高くなってきており、これは強敵だなと感じています。ただ、県民のみなさんにとって少しでもお役に立てるような情報発信をはじめとしたローカル情報は絶対に必要ですし、そこは愚直にやり続けるべきことかなと思います」

 

― 今回のキャンペーンでHUT対策はしつつも、一方で広告営業面ではいかがでしょうか? 例えば、高知は人口も県別GDPも45~46位あたりで、東京などのナショナルクライアントからの広告出稿という点からいくと、エリアパワー的な難しさもあるのではないかと思います。今日は営業の現場に長くいらっしゃった方々も同席くださっているので、その辺りの感覚もお聞きしたいのですが。

金子「クライアントさんからの要望がますます厳しくなるなかで、放送局としてその要望に対してどう取り組んでいくのかも大きな課題です。よりマーケティング志向の営業は必要ですよね。一方で今おっしゃった通り、高知はエリアパワーとして相対的に見ると弱い部分もあるので、全国展開だったらGOでの実施は難しいという面もあります。四国や中四国、西日本などのブロック単位でのキャンペーンになっていかないと厳しいという現実はありますよね。ここは非常に難しい問題だと考えています」

 

― NHKさんはモデルが違いますが、民放各局さんについては、3局そろって468キャンペーンの営業企画提案版みたいなものをスポンサーさんに持ちかけるとかはできないのでしょうか?

一同「それは……難しいですね(笑)」

岡﨑「現時点で、直接的な共同営業提案は難しいですが、『高知で何か面白いことをやっているらしい』ということが東京支社などを経由して伝わっていくことで、『何か一緒にできないか?』という展開になればいいなと思いますね」

 

― 県外に住む日本の方々に、高知に来てもらうための468キャンペーン国内インバウンド版などはいかがでしょう? 例えば、県知事の尾崎さんが率先して高知のPRをしておられる「高知家」などと一緒に取り組みをするようなことも考えられますよね。

新納「高知県からのバックアップをしてもらってご一緒できるといいなとは思いますね。『高知家』も広告会社さんとタイアップした成功例でもありますし」

金子「他県の取り組み同様、県の名産を紹介できるようなところまでいければいいですよね。我々の活動は始まって1年しかたってないので、まだそこまでいけていないですけど」

森下「現時点では、我々の取り組みはHUTを上げていくというステージですが、現状では年度ごとに予算化をはかっている状態なので、インバウンドなどでお金がうみ出せるようなステージにまで持っていけたら嬉しいですね」

 

― シナプス読者の方で、高知の各局さんと一緒にビジネスをしてみたいと思われる方がいらっしゃったら嬉しいです。本日はお忙しいなか、ありがとうございました。

 

 

5月に中央公園で開催された『こうち春花まつり』に4局アナウンサーたちが登場。テレビで重点的にオンエアされてきたキャンペーンソングを振り付きで初披露。このほか、県内の大学祭にこのメンバーで出演も予定している。

 

局の壁を超えてオール高知で展開するキャンペーンを推進しているみなさん。2015年に完成したテレビ高知の新社屋にて行われた本座談会は熱を帯び、様々な意見交換が交わされた。

 

 


 

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