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2017.11.7

イオンモールとサイネージ・コラボ! ローカル局探訪 発信力を拡大する「岡山放送」

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※本記事は2015年12月発売のSynapseに掲載されたものです

『ミルンヘカモン!なんしょん?』

右からメインMCの矢野みなみさんと黒住祐介さん、月曜レギュラーのヤナギブソンさん、レポーターの渡邊大祐さん

 

1969年開局。岡山県・香川県を放送対象地域とするテレビ局。2014年12月にJR岡山駅前に開店した「イオンモール岡山」の5・6階へ新拠点「ミルン」を開設。5階のスタジオから生放送のレギュラー番組『ミルンへカモン!なんしょん?』を放送中(月~金曜15:50~16:50、土曜9:55~10:55)。

 

 


「ミルン」のスタジオ開設直後から放送開始。月~土で生放送している情報番組を徹底取材!

昨年12月、「イオンモール岡山」の開店と同時に放送を開始した情報番組『ミルンへカモン!なんしょん?』。メインMCの黒住さんは、気象予報士として天気予報を伝えるが、番組Pでもある。写真のヤナギブソンさんは月曜レギュラー。他にも浅越ゴエさん(水曜)や藤崎マーケット(金曜)など、曜日ごとにレギュラーの芸人さんを揃え、毎日番組を盛り上げる。

また、取材・中継のリポーターを務める渡邊大祐さんは、語る。「今年2月に岡山市の西大寺で開催された日本三大奇祭のひとつ『はだか祭り』にレポーターとして参加して、何かが吹っ切れました。以来、スベってもいいから、1回のレポートで2回はギャグ放り込もうとか、笑いのポイントを必ずどこかに入れようと考えています!」

 


 

編成制作局次長兼アナウンス部長
黒住祐介さん

番組プロデューサーにして、月~金でメインMCを務める黒住祐介さんに聞きました。

 

月曜日の生放送終了後に番組Pの黒住さんと打ち上げへ。最初に仕事の流れを教えてください。

「まず、番組終了直後に反省会。次に翌日分の台本を打ち合わせて、最後にその時点であがっているVのチェックだね。MCとプロデューサー、両方の視点でチェックしてるよ」

 

企画会議はいつですか?

「毎週金曜午前だね。翌週分を綿密に、翌々週分はラフに、2週間分まとめて。ただすべては話しきれないので、普段からチーム内で密に会話してるよ」

 

兼務でかつ月.土の放送では、ご苦労も多いのでは?

「この番組を始めた頃は、誰も知らないから大変だったね。あとは、週6日の放送に対して、主なディレクター8人でまわすから、ちょっと人数少ないかなと(笑)。ただ、曜日ごとに必ず一人PDをつけて、Vの内容はかなり権限委譲してるよ。その効果もあってか、若手中心で始めたディレクター陣の成長を実感できているので非常に楽しいね。それに伴って、視聴率も徐々に上がってきているから、自信にもつながってるんだよね」

 

『ミルン』から生放送する感触はどうですか?

「地域の方々が、見に来てくれるのが嬉しいね。視聴者の方々の反応が直に感じられるのは、つくり手として良い環境だよ」
がんばってくださーい♪

 


「ミルン」の陣頭指揮を執る「未来ミルン事業局長」に語ってもらいました。

取締役 未来ミルン事業局長
倉田 康宏さん

1980年入社。長年、営業に携わり、東京支社長、OHKエンタープライズ社長を経て、現職に至る。

 

「ミルンモデル」で新たなビジネス創造へ。

「『ミルンモデル』と我々は呼んでいますがイオンモールの国内・外での物流とサイネージの映像展開を連動させようと考えています。例えば、カンボジアのプノンペンにイオンモールができたのですが、そこでジャパンウィークとして岡山をはじめとした日本の名産品を販売してもらい、同時に当社で制作した名産品の紹介映像をサイネージで、ここから配信したいと思っています。

いい意味で放送事業社の枠から一歩踏み出すわけです。ローカル局は地域外への発信はなかなかできませんが、『ミルン』のようにイオンモール内に拠点を持ち、更に海外を含めて他エリアにイオンモールが出店していくごとに、我々はサイネージを通じて、どんどん外に発信していけます。これを放送とはまた別のビジネスモデルに昇華させたいと考えています。今後ローカル局が厳しくなることが予想されるなか、各局がどうしていくかが問われています。

この『ミルン』の取り組みは、当社にとってのルビコン川みたいなもので、もう川を渡り終えました。渡った以上は、この先何十年かはこの路線で突き進むのみ、ですね」

 

「イオンモール岡山」5Fに設けられた「OHKまちなかスタジオ ミルン」では、一般の方々もスタジオの外から生放送中の番組の模様を見ることができる

 


岡山放送ならでは地域への貢献度アップの方法とは?
社長に語ってもらいました。

代表取締役社長 中静 敬一郎さん

1975年産経新聞社入社。2015年6月から現職。

 

情報発信力を上げ、地域に貢献する独自の取り組みを。

「新聞記者で終わると思ってたのが〝岡山放送に?といわれた時は驚きましたね。でも新たな出会いと学びがあるはずだ、と考えました。実際、スポンサーの方々も含めて、新聞記者時代には出会えなかったような方々と日々お話ができて本当に面白い。今は当社のビジネスモデルの部分で、もっと議論を深めたいですね。

ニュースに対する顧客のニーズや時代の要請を理解したうえで、当社をいちばんに選んでもらうための戦略を見極めることが、最重要課題です。そんななかで、新たな層の獲得という意味も含めて、独自の取り組みだと自負しているのは、『ミルン』です。『ミルン』の目的は、①情報発信力の向上②放送外収入の拡大③地域への貢献。

特に③は、場合によっては地元他局との連携も必要だろうと考えています。例えば、9月に山陽放送、テレビせとうちと当社の系列の違う3社合同で『678ch(ろくななはっちゃん)テレビまつり』というイベントを開催し、私を含めた3社長が出席しました。このイベントは、当社のスタジオの隣にある『おかやま未来ホール』で開催したのですが、これも『ミルン』を活用した地域貢献の好例。これからも、この当社独自の取り組みを様々な場面に活用していこうと考えています」

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