【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】"何が起こるか分からない感じ"ドキドキ感を創り出す現役大学生DJ〜FM802『RADIO∞INFINITY』ハタノユウスケさんインタビュー〜

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ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第69回

今回は、FM802のラジオDJ、ハタノユウスケさんに注目しました。ハタノさんは22歳の現役大学生です(2023年11月現在)。2021年に行われた同局のオーディションに合格。新人とは思えない落ち着きですが、メラメラと燃える情熱で番組を大いに盛り上げています。

●ハタノユウスケ

大阪府出身。中学生の頃に地元で開催されたロックフェスに行ったことがきっかけで、ラジオと音楽の世界に興味をもつ。大学在学中にFM802のオーディションに挑戦。2022年4月にDJデビューを果たす。2022年4月から2023年3月まで『LNEM』(深夜3時に始まる3時間の番組に週に1度出演)のDJを担当。現在はライブハウスシーンを中心とした音楽をいち早く発掘して届ける『RADIO∞INFINITY』(木曜 24時〜27時)のDJを務めている。

やきそば まずは基本的なことからお聞きします。そもそも、名前をカタカナ表記にしている理由は何ですか?

ハタノさん ハタノユウスケは本名なんですけど、名前の漢字が「裕亮」なので読みにくいんです。ディレクターに、フルネームがカタカナのラジオDJは珍しいし、こっちのほうが覚えてもらえるのでは、と言われたこともあってカタカナ表記にしました。

やきそば 確かに目を惹きますね。

ハタノさん そのディレクターには「(ミュージシャンの)チバユウスケっぽいし、良いよね」とも言われましたが、雰囲気は全然違います(笑)。

やきそば オーディションを受けている段階で「ひょっとするといけるかも」と感じた瞬間はありましたか?

ハタノさん 全くなかったです。SNSを見ていたらオーディションを受けていた人のツイートがあって、プロのアナウンサーとして活躍していた人もいたので、「終わった」と思いました(笑)。それにオーディションの時にDJの浅井博章さんやハンブレッダーズを見かけたので、「落ちたとしてもいいや」と満足していました。

やきそば 合格を知った時の心境を教えてください。

ハタノさん まず、これからはさまざまな出来事をメモしていこうと思ったのと、改めてほかのDJの皆さんの番組を聴きまくりました。でも聴くのと喋るのとでは大違いで、メッセージに対する返し方も「リスナーに寄り添えてない」と言われたこともあって、「こんなに難しいんだ」と思いました。

やきそば FM802でDJをしていることをまわりの人に言っていますか?

ハタノさん 今までは言ってこなかったんですけど、どうしても入りたいゼミがあって、その面接では明かしました(笑)。それが功を奏したのか「大阪電気通信大学 more more Challenge!」のコーナーまでスタートしました。広報誌にも載ったので言って良かったです。

DJの樋口大喜さんに憧れて

やきそば ハタノさんは高校時代から「FM802のDJになりたい」と仰っていたそうですね。

ハタノさん 高校生の頃からFM802の音楽イベントに行っていたので、将来は参加者としてではなくてFM802のDJとして関わりたいと思っていました。

やきそば 人前に出るのは好きなほうですか?

ハタノさん 実は以前、漫才コンビを組んでいて、2020年にはM-1の予選に出たことがあるんです。無観客でネタを披露して1回戦で落ちてしまい、僕のお笑いの才能のなさを思い知らされました(笑)。その時の相方はNSCに入りました。

やきそば 以前からFM802の『RADIO∞INFINITY』を聴いていて樋口さんに憧れていた※そうですが、実際にFM802で働くようになって樋口さんの印象はいかがですか?

ハタノさん 樋口さんの、まわりの人々を巻き込むパワーの凄まじさを感じました。それにとても優しくて『RADIO∞INFINITY』で樋口さんが担当していたイベント「GLICO LIVE "NEXT"」のMCを受け継ぐにあたり、相談させていただいたんです※。僕が観客の皆さんに自分のことを知ってもらおうと思って焦っていることに対して、「あまり狙いすぎなくていいよ」と言っていただきました。その言葉で気持ちが軽くなりました。てっきり「笑いをとりにいったほうがいいよ」と言われると思ったので。

やきそば なるほど! ライブによく行く点でも樋口さんと似てますよね。

ハタノさん 僕が行くとかなりの確率で樋口さんにお会いします(笑)。

※ハタノさんが担当している『RADIO∞INFINITY』は、2023年3月までは樋口大喜さんが担当していました。

樋口さんは現在『SATURDAY AMUSIC ISLANDS -AFTERNOON EDITION-』(土曜 12時〜18時)、『アコム Somethin'New』(月曜〜木曜 17時51分〜18時)を担当しています。


▲FM802のラジオDJ、樋口大喜さんと

本番では緊張しています

やきそば ハタノさんが初めて『LNEM』を担当した日こそ硬い部分はありましたが、翌週の放送から、みるみる柔らかくなっていったのを感じました。

ハタノさん 『LNEM』のレギュラー放送が始まる前にランスルー(本番と同じように通してみること)を何度もお願いしました。2回目以降はフリーゾーンの時間も設けたので、リラックスしているように聞こえたのかもしれません。

やきそば オドオドした雰囲気を感じさせないのがすごいと思います。

ハタノさん 本番ではとても緊張してるんですよ(笑)。普段からのっそりとした動きをしていることもあるかもしれません。感情も表情にあまり出ないので、ビックリした時もビックリしてないように思われがちです。僕が「ビックリした」と言っても、相手に「ホンマに驚いてんの?」と言われる始末です(笑)。

やきそば 今はライブが終わったあとに楽屋挨拶をすることも多いと思いますが、その時はどうしてますか? 楽屋挨拶の時に緊張する人も多いですが。

ハタノさん 僕も緊張はするんですけど、あまり狙ったようなコメントをするよりも「新曲を披露していかがでしたか?」といったことを、こちらから聞くようにしています。

やきそば それもいいですね!

大反響!「初オンエアかもしれないリクエスト」

やきそば 深夜の生放送に向けて体調管理はどうしてますか?

ハタノさん 放送がある日は仮眠をとると調子が出ないので、ずっと起きてます。放送が終わったあともスタッフの方としばらく話をしていて、そのあと10時半から授業があるのでそのまま大学に行ってます。

やきそば タフですね! 生放送で心がけていることは何ですか?

ハタノさん "何が起こるか分からない感じ"を出せたらいいなと思ってます。僕がそもそも『RADIO∞INFINITY』が好きになった理由がまさにそこだったんです。「このあとはどんな曲がかかるんだろう」とか、「インタビューが楽しみ」とか。そんなドキドキ感を創り出すのが目標です。

やきそば 『RADIO∞INFINITY』では"FM802でかかったことがないと思われるアーティストの曲"をリクエストしてもらう「狙え!FM802 初オンエアかもしれないリクエスト」という企画を今年から月に1度行っていますよね。あの企画はまさにどんなアーティストの曲がかかるか分からないので大好きです。

ハタノさん 今年の6月に初めて行ったところ、反響がものすごかったです。放送前はリクエストがあるかどうか不安で、1通もこなかったら自分でリクエストを出そうと思っていたほどだったんです(笑)。すぐに第2弾を行うことが決まりました。

やきそば すごい!

ハタノさん しかも、FM802が主催しているライブショーケースフェスティバル「MINAMI WHEEL」(通称「ミナホ」)(2023年は10月7日〜9日開催)のエントリー期間の前だったので、「初オンエアかもしれないリクエスト」がきっかけでミナホに繋がったアーティストも多かったです。例えば番組で紹介したポンツクピーヤは最近ヤングスキニーの対バンとして呼ばれていました。

やきそば 夢がありますね!

ハタノさん 『RADIO∞INFINITY』は2010年に始まった番組で、初代のDJは飯室大吾さん。2代目の樋口さんに続いて僕が担当しています。それぞれの代の時に駆け上がっていったバンドがあって、大吾さんの時はキュウソネコカミ、Mrs. GREEN APPLEほか。樋口さんの時はOfficial髭男dismやSaucy Dog、ハンブレッダーズなどが脚光を浴びました。

22歳だからこそのメリット

やきそば 番組では、ハタノさんと同世代のアーティストもよく出ますよね。

ハタノさん いろいろな方と仲良くさせていただいています。特に年齢が近いとアニメや声優、ボカロの話などで盛り上がれるのが嬉しいです。ゲストの方に「このアニメの話で盛り上がれるのは嬉しい!」と喜んでいただけることもあります。こないだ、チョーキューメイがゲストに来た時も麗さんとカゲプロの話で盛り上がりました。

やきそば 22歳の若さで関係性がつくれているのが素晴らしいです。

ハタノさん 僕の雰囲気からして、27歳くらいに見られるんですけどね(笑)。

やきそば 学生リスナーから勉強の仕方や恋愛に関する相談のメールが届くと思いますが、学生の年齢と近いのは有利ですよね。

ハタノさん なかなか勉強に手がつかないという悩みなら「次の曲が終わるまでに始めよう」といった具合に、ラジオを聴いている自分を想像しながら言います。実は僕も勉強が進んでないことがありますから(笑)。


FM802の音楽愛

やきそば では改めてFM802のすごいと思うところを教えてください。

ハタノさん まずは、DJとスタッフの皆さんのアーティストを尊敬する心です。ライブにとにかくよく足を運んでいます。また、『RADIO∞INFINITY』のスタッフの音楽愛もすごくて、番組の流れによって急遽1曲増やすこともあります。あとは音楽をフルでかけるところ。これはとてもアーティストに喜ばれます。だから毎日たくさんのゲストがFM802の番組に出演してくださるんだと思います。

やきそば そのかわり、準備も大変じゃないですか?

ハタノさん 『LNEM』の時はDJになったばかりということもあって、準備をするのにオンエア時間の3倍はかかりました。放送では僕だからこそ話せる内容を心がけています。ライブを観に行ったエピソードとか、楽屋挨拶での出来事とか。

やきそば 最近は『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-』のエンディングでオチケンさん(落合健太郎)とクロストークをするようになりましたよね。

ハタノさん ゲストやリスナーからのメールに対するオチケンさんの返しは世界一だと思います。実は6月のスペシャルウィークに一度オチケンさんとクロストークをしたのですが、その時にうまく返せなかったんです。それで他の番組のクロストークを全て聴いて勉強しました。そのことを知った『ROCK KIDS 802』のディレクターさんが「毎週やろう」と提案してくださいました。そんなこともあって、毎回勉強させていただいているんですけど、ディレクターさんには「最近、うまくなってきたのはいいけど、以前みたいにぎこちないままでも良かった」と言われちゃいました(笑)。

やきそば よく相談に乗ってもらっているDJはいますか?

ハタノさん 樋口さん以外だと田中麻希さんです。田中さんは、どんなことでも一度は肯定してくれる感じがあるので安心して相談してます。ミスをしても「それは仕方なかったね。でも...」みたいに。

やきそば いいですね〜。そのほか、誰かに言われたアドバイスで印象に残っていることはありますか?

ハタノさん ディレクターさんに「ラジオの型にハマらなくていいよ」と言われました。最初は自信がなくてミスも多かったので、この一言に救われました。

やきそば 「新しいものをつくってほしい」という願いも感じられますね。

ハタノさん あと、アドバイスではないのですが、こないだ人に言われて「なるほど」と思ったことがあります。僕がトークの時に声を張って喋ってないところが「新しい」と言われました。声を張って喋っている人が多いなかで、ナチュラルに聞こえるそうです。僕自身は個性がないと思っていたので、新しい発見でした。

趣味もいろいろと

やきそば 話は音楽から少し逸れますが、ハタノさんは音楽以外にお笑い、野球、ラーメンも好きなんですよね。

ハタノさん 実はラジオを聴き始めたのは芸人さんのラジオがきっかけでした。霜降り明星やマユリカの番組が好きです。野球は阪神が好きなんですけど、音楽番組なのであまり阪神愛は語らないようにしています。ゲストが阪神ファンだと盛り上がってしまうことはありますが(笑)。ラーメンに関していえば、僕のInstagramはラーメンの写真ばかりアップしています。

やきそば ハタノさんの番組はラーメンにまつわる話も出てくるので、聴いているとお腹が空きます(笑)。これからのますますのご活躍を期待しております。





後半はユニークなジャンルの音楽を紹介する番組のなかから3本を紹介します。


高知のRKCラジオ『ハイスクール♪バップス』(火曜 17時25分〜17時30分)は高知県内で活動する高校生のミュージシャンを紹介。地元の高校生の音楽を放送する番組はとても珍しいです。なかにはTOKYO FM『SCHOOL OF LOCK!』とSony Musicが主催する10代のアーティストのみによる「閃光ライオット」のファイナリストに選ばれたバンドも紹介されています。


宮崎のMRTラジオでは『be quiet -世界で一番静かなラジオ-』(日曜 21時30分〜22時)を放送。ポーランド国立ショパン音楽大学にてピアノを学んだピアニスト、横山起朗さんの番組です。文字通り、とても静かな雰囲気で、日曜の夜にひとりで聴いて気持ちをリセットするのに向いています。


ROK ラジオ沖縄『にちようびのグルーヴ』(日曜 23時30分〜24時)はライブハウスgrooveを経営するDJの上地gacha一也さんの選曲から耳が離せない番組。ロックやジャズ、電子音楽や現代音楽のほか、grooveで演奏するミュージシャンたちの貴重なライブ音源など、沖縄のちょっと変わった夜の音が楽しめます。

<了>

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