【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】アコーディオンと歌で元気を届けたい 〜ROKラジオ沖縄『山原麗華の元気なナツメロ(爆笑)』山原麗華さん〜

  • 公開日:
メディア
#radiko #やきそばかおる #ラジオ
【ラジオレコメンダー

ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第59回

今回はアコーディオン奏者で、ROKラジオ沖縄で放送されている人気番組『山原麗華の元気なナツメロ(爆笑)』のパーソナリティー、山原麗華さんに注目。

番組は2019年秋にスタート。山原さんはもともと沖縄で介護の仕事をしており、施設などでアコーディオンを演奏して歌っていました。明るい性格でその場を楽しくさせる姿が評判になり、いつしかラジオ関係者の目に留まり「この笑い声はパーソナリティーに向いている」とスカウトされて、ラジオデビューを果たしました。


『山原麗華の元気なナツメロ(爆笑)』ROKラジオ沖縄 木曜 19時30分〜21時55分

リスナーから届いたお便りを紹介したりリクエストにこたえるほか、"人生の大先輩"に思い出を聞き、懐かしい昭和歌謡や童謡、唱歌をアコーディオンで演奏する「いつか来た道」、映画の名場面を山原さんがひとりで演じる「ラジオ寸劇・お喋りキネマ」、地元紙の読者投稿欄を紹介するとともに、いま山原麗華が伝えたいことを話す「声を大にして言いたい」といったコーナーが並びます。


山原さんの笑い声は"七色の笑い声"とも言われています。それは決してわざと笑っているのではなく、自然に出てくるもの。番組が開始した頃はスタッフに「私、笑いすぎですかね?」と相談したこともあるとか。「いつも通りに笑っていればいいよ」と言われて肩の荷がおりたそうです。

山原さん おかげさまで高齢者施設や病院などでも、とてもよく聴かれています。番組が始まった頃は施設のおじいちゃんやおばあちゃんたちに聴いてもらって「私、ラジオでも頑張ってるよ」と感じてもらえたら嬉しいと思っていました。

いざ番組が始まってみると県外の番組(MBSラジオ『次は〜新福島!』、ニッポン放送『笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ』など)で紹介されたことがきっかけで、番組がスタートして間もないにもかかわらず、日本各地からradikoを通じて聴かれるようになりました。 なかには敬老会で山原さんの存在を知り「メールでメッセージを送りたい」とスマートフォンを習い始めた高齢者もいたそうです。リクエストはメールやFAXが使えないという人のことを考慮して電話でも受け付けています。

◯アコーディオン演奏は東日本大震災がきっかけ

そんな山原さんがアコーディオンを弾き始めたのは11年前。きっかけは東日本大震災が発生したことにあります。

山原さん 被災した方のなかには遠く離れた沖縄で暮らしている人も多くいます。元気を出してもらうために何かできないか考えていたところ、いつも音楽を教わっている父親からアコーディオンを勧められました。アコーディオンなら持ち運ぶことができてどこでも演奏できるからです。 山原さんは3歳からピアノは習っていたもののアコーディオンは未経験。そこで猛練習をしました。

しかし、時が経つなかで、山原さんは後悔していることがあるそうです。

山原さん ある日、テレビ関係者の方から「被災した皆さんを元気付ける山原さんを追う特集をしませんか?」というお話をいただきましたが、当時被災地に私が行くことができず現実には叶いませんでした。

ところが、2019年に『元気なナツメロ』が始まって以降、東日本大震災に関するお便りを紹介する度に大きな反響が寄せられるんです。その度に、被災者や何かに悩んでいる方々に私ができることは何だろうと考え続けてきました。

しかし、「たくさんの人が沖縄の番組を聴いてくれているんだ」ということを実感して、県内はもちろん県外にも、もっと足を運んで、私ができるアコーディオン演奏や歌で人々を元気にしたい、と強く思うようになりました。

▲公民館にて

◯少しでも元気を出してもらえたら

ここ数年はコロナ禍で人々が出歩くのを控えたことも気がかりに思っているそうです。

山原さん 外出を控えるなどの自粛生活が長引くうちに、心が沈んでいく人や仕事を失った人、家族を失った人からのお便りも届くようになりました。私は可能な限り、県内外のいろいろなところに行ってアコーディオン演奏や歌など、自分ができることで少しでも元気を出してもらえたらと思っています。

やきそば 山原さんの心も折れてしまわないか、心配です。
山原さん 特にこの2年で強くなりました(笑)。応援してくれる方々の声がとても熱くなってきました。

やきそば いいですね。
山原さん でも辛いこともあります。以前「いつか来た道」のコーナーに出演していただいた方が倒れて入院したことがありました。元気だと思っていましたが、病気が発覚して余命数ヶ月の宣告を受けたそうです。

その方に会いに行ったところ、既にお会いできない状態だったのでラジオを通じて「頑張ってください」と伝えました。その方は『元気なナツメロ』を毎回とても楽しみにしていて、放送が終わると「もう1週間頑張って生きよう」と思ったそうです。

ラジオが流れるなか危篤の状態になり、ドクターから「ラジオを消してください」と言われたものの、ご家族の方は「いつもラジオを聴いていたから」とつけたままお亡くなりになったという話を聞きました。私自身も落ち込みましたが、私がラジオで話すことで誰かが少しでも元気を出してもらえるならこれからも番組を続けていきたい、と改めて実感しました。

◯沖縄の人々の思いを伝えたい

山原さんが人生の大先輩の逸話を聞く「いつか来た道」。出演者は100人を超えました。山原さんはとても丁寧に取材をしています。

▲「いつか来た道」に登場した最高齢。103歳


やきそば 「いつか来た道」のコーナーはとても大きな役割があると思います。若い頃の恋愛話から戦争の話、さらには日常で起きた喜びも悲しみも多岐にわたって伺っていますよね。

山原さん コーナーを立ち上げる際、面白い話をしてくれる人はそこまで多くはないだろうから、やめたほうがいいんじゃないかと言われたんです。でも当時の局長(現社長)は「相手が山原麗華だからこそ喋ってくれるかもしれない」と言ってくれました。

実際にコーナーを始めてみたところ、初回から興味深い話を聞くことができて好評だったため今でも続いています。沖縄県内の方のお声を大切にしながら、今後、日本各地の方々にもお話を聞いてみたいです。


山原さんによると孤独を感じている高齢者は多く「私が皆さんに会いに行って楽しい時間を過ごせたら」とのことでした。また、山原さんがこれまでに収録してきた音源は全て残しているそうです。 戦時中のエピソードのなかには辛すぎて放送できなかったものもあるとのことですが、山原さんはいつか、何かの形で、たくさんの人に知っていただける機会ができたらと模索しています。
山原さん 「沖縄の現状をもう少し他の都道府県の人々に知ってほしい」という声がとても多いです。戦争の話にしても、沖縄の皆さんは子どもの頃から聞いて知っていても、他の地域の人々は知らなかったりします。

やきそば 確かに広島や長崎など、学校で学ぶ地域はありますが、そうではないと難しいかもしれませんね。

山原さん 戦争体験者が少なくなってきているなかで、私はいろいろな人の貴重な話を聞き続けてきたので、戦争を知らない世代や多くの方にきちんと伝えていこうと思っています。


◯自分で自分を褒めること

やきそば 山原さんからみて、元気な高齢者の皆さんになにか共通点はありますか?

山原さん 生きる力の強さを感じる皆さんは自分自身のことをよく褒めています。「今日は畑に行ってよく頑張った」とか「今日もよく働いた」とか。感謝する気持ちも大切にしていて「頑張る場所を与えてくれてありがとう」とも言っています。自分のことを褒めているからこそ感謝できるんだと思います。
やきそば 勉強になります。

山原さん 自分で自分のことを愛でることも大事だと思います。

以前お会いした方で余命半年という方がいて、その方が家族の方と一緒に私の歌を聴きに来てくださいました。その方は落ち込んで苦しい思いをしているけれど、私がラジオで「自分のことを愛してください」と言っているのを聴いて、自分で自分を褒めようと思ったら気持ちが明るくなったと言っていました。それまでは家に籠もっていたそうなんです。

元気な人もそうではない人も、明るい気持ちになるような放送を心がけています。


やきそば いいですね!

山原さん 私は毎回、その日の放送の目標を3つ立てるようにしています。例えば、ある日の放送でしたら、私が経験した楽しいエピソードを話すこと、日本が元気になるような話をすること、(放送日が介護の日の前日だったため)介護について知識を深められる話をすることを目標にしました。
やきそば だから山原さんの番組は聴いていて心に響くものがあるんですね。山原さんは笑福亭鶴瓶さんとも交流があります※が、鶴瓶さんの言葉で印象に残っているものは?

山原さん 自分がやろうと思ったことを信じてやっていくことの大切さを教えてくださいました。私がいつも笑っているのも「人を元気にしようと思っているからだよね」とも察していただいて嬉しかったです。

やきそば 素敵な言葉ですね! 山原さんが叶えたいことが実現しますように祈っております。

※山原さんの友達の紹介で鶴瓶さんに出会った。


後半は山原さんの話に関連したテーマの番組を紹介します。

Date fm(エフエム仙台)の番組『ホームケア土屋プレゼンツ ケアGiva(ケアギバ)!』(木曜 11時45分〜11時55分)は、重度訪問介護を中心としたホームケア土屋の活動を六華亭遊花とともに紹介しています。

ラジオ日本『ロイヤル介護相談室』(金曜 22時15分〜22時30分)は、よしもとイチの介護芸人・レギュラーが、介護のことや高齢者にまつわる疑問や知っておきたいことなどを、専門家の方とともに明るく楽しくお届け。レギュラーのおふたりはレクリエーション介護士1級を取得しています。楽しいトークとためになる話のバランスが絶妙です。

FM大阪『WELFARE group presents それU.K.!! ミライbridge』(日曜 18時〜18時30分)は2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催を控えた大阪・関西をもっと活性化させていくため、経営者・アスリート・有名人・若手起業家など関西で活躍する人をゲストに招き、「今」「未来」の話をします。

「パートナーズ・カフェ」のコーナーでは介護・看護スタッフの現場の生の声も交え、仕事のやりがい、課題など介護・障害福祉に関する話をします。DJはU.K./楠 雄二朗、谷本吉紹((株)エースタイル代表取締役)。

広島のRCCラジオでは介護芸人・鹿見勇輔が送る福祉介護バリアフリーバラエティー『鹿見勇輔 福祉のラジオ』(水曜 23時30分〜24時)を放送。

鹿見さんは日本福祉大学大学院修了。「めぐみ指定居宅介護支援事業所」(広島市中区)でケアマネジャー(主任介護支援専門員)やデイサービスなどの施設運営をしながら介護芸人として活動。介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、防災士の資格も取得しています。

月曜から土曜まではケアマネジャーとして介護の仕事に。日曜はお笑いの仕事に励んでいる鹿見さん。学びと笑いをセットにした講演会にも登壇しています。番組では介護の仕事を通じて感じることを伝えています。重い話になりがちな分野ですが、鹿見さんのマイルドな語りが聴いている人々に大切なことを訴えかけます。

愛媛の南海放送ラジオ『小春日和』(日曜 16時40分〜17時)は明るい老後計画をお勧めする番組。

パーソナリティーは積極的に福祉活動を続けているものまね芸人の小春と、(有)クオラの松野重弘。長く続いている番組です。

長崎のNBCラジオ『さわやか長崎すこやか人生』(日曜 10時〜10時30分)は、元気な高齢者を応援する番組。長崎県すこやか長寿財団の事業の3本柱「いきがい」「健康」「介護」をテーマにお届けします。お相手は菊野 紗史。平成6年から続く長寿番組です。

<了>

関連記事