【ラジオレコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO】沖縄の生活感が出る番組に〜RBCiラジオ『ナガハマヒロキの週刊リッスン』ナガハマヒロキさん〜

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ラジオ レコメンダー" やきそばかおる "の I love RADIO 第56回

今回は沖縄で活躍するラジオパーソナリティー、ナガハマヒロキさんに注目しました。

ナガハマさんは沖縄にある民放3局のラジオ局全てでレギュラー番組をもっています。

また、RBCiラジオで2021年春から放送されているワイド番組『ナガハマヒロキの週刊リッスン』は2022年日本民間放送連盟賞九州・沖縄地区生ワイド部門で最優秀賞を受賞しました(中央審査会の結果は11月に発表)。

今回はナガハマさんに番組作りの秘訣を訊きました。


▲『週刊リッスン』の放送風景 RBCiラジオのスタジオにて


▲ラジオリポートにて、毎朝リクガメのカメ吉を散歩させている山城さんと

●ナガハマヒロキ
パーソナリティー、リポーター。2005年4月、オーディションを経てラジオパーソナリティーに。ライターとしても精力的に活動中。

出演:『ナガハマヒロキの週刊リッスン』(RBCiラジオ 土曜 10時〜14時30分)
『しんちゃんヒロちゃんごきげんラジオ』(ROKラジオ沖縄 月曜 21時〜21時30分)
『Connect』
(エフエム沖縄 月曜~金曜 18時〜19時55分 ※ナガハマさんは金曜担当)
「集まれ!空手キッズ」
(RBCiラジオ 木曜 15時30分〜15時35分 ※『具志堅ストアー』内コーナー)
『Aランチ』
(RBCテレビ 土曜 11時57分〜12時58分)内コーナー「Aチューバーやってみ隊」
『ゴリけんの九州・沖縄ぐるぐるマップ』
(RBCiラジオ 日曜 18時〜19時)※現地リポーター/不定期。

構成・ディレクター:『RBCiラジオスペシャル』(RBCiラジオ 月曜・土曜 16時〜17時)※不定期。

◯リスナーから水着を送られて...

やきそば ナガハマさんはラジオの生放送のワイド番組からトークバラエティー、テレビ番組のロケまでいろいろなタイプの番組を担当されていますが、常に心がけていることはありますか?

ナガハマさん 常にニュートラルな状態で放送することです。昨年から4時間のワイド番組『週刊リッスン』も始まりましたが、1年目に比べると2年目はルーティンになってリラックスできていると思うので、自分では徐々にニュートラルに近づけているのではないかと思っています。

やきそば 『週刊リッスン』を聴いていると、放送に向けてかなりしっかりと準備されているのを感じます。「今週の特集」のネタ探しや取材、「今週の巻頭グラビア」※1、「現地特派員ネットワーク」※2 など、各コーナーへの並々ならぬ情熱を感じます。

ナガハマさん 「今週の特集」や「現地特派員ネットワーク」は準備をしますが、「今週の巻頭グラビア」は僕が水着姿になるだけなので何の準備もいりませんよ(笑)。

やきそば 「今週の巻頭グラビア」はナガハマさんが水着姿になった写真を10分間だけツイッターで公開するという"攻めた企画"ですが、企画を思いついた時に「これは当たる!」と思いませんでしたか?

ナガハマさん そんな風には思わないですよ(笑)。番組のコンセプトが "聴く週刊誌" だから、袋とじのような企画をやったら週刊誌っぽくなるかなぁと思って始めました。

ある日、とあるリスナーさんから「これを使ってほしい」と水着が送られてくるようになりまして、リスナーさんと一緒に遊んでいる感じがして嬉しかったですね。わざわざ数千円もかけて送ってくるってイカれてますよね(笑)。


やきそば それは良い関係ですね! 「今週の特集」「現地特派員ネットワーク」などのコーナーでゲストやリスナーと話す時は、「こういう内容になったら盛り上がりそう」という理想を描きながら話しているのを感じます。

ナガハマさん 相手の面白さを引き出せたらと思いながら放送しています。例えば、以前「勝手に離島フェア」という企画で5つの島の皆さんにその島ならではの話題を紹介していただいたことがありました。

そのなかで伊江村漁業組合の理事の宮里和義さんにサメと闘った話や、実はサメよりもカメに抱きつかれた時のほうが交尾を仕掛けられて怖いという話をしていただきました。

僕は宮里さんが100キロのサメを捕獲したことを知っていたので、宮里さんに出演を依頼してその話をしていただいたところ、大きな反響がありました。

やきそば アンテナを張っておくのは大事ですよね。

ナガハマさん そうなんです。だから僕の知らないところで面白いことが起きていると悔しいんです(笑)。

やきそば 「現地特派員ネットワーク」の常連となっている伊良部島の「みーほーねぇねぇ」の話もいつ聞いても面白いですね。

ナガハマさん みーほーねぇねぇは個人的には"沖縄の宝"だと思っていますし、ほかにも面白い人がたくさんいます。僕は"はたから見ると面白いのに、本人は面白いことに気付いていない人"の面白い部分を引き出して紹介しているところがあります。

やきそば なるほど! それはすごく分かります。

※1 今週の巻頭グラビア
"編集長"ナガハマさん自身がモデルとなり、週刊誌のグラビアのように撮影した写真を番組のツイッターに10分間限定で公開する。画像は保存・リツイート・引用リツイートOKだが二次使用は禁止。投稿から10分後にツイートが削除される。

※2 現地特派員ネットワーク

リスナーが現地の情報をタレこむコーナー。音声アプリに録音したものを送ってもらう。毎回、県内外の4カ所からの情報を紹介し、そのうちひとりを選んで電話で詳しく話を聞く。

▲取材の時の一コマ。早朝のマグロセリ市にて

◯沖縄の番組の特徴

やきそば 僕のまわりでは「沖縄のラジオ番組は面白いよね」という人が増えています。明るくてポップな番組が多い一方、民謡をはじめとした沖縄の文化を感じられる番組も多いですよね。

沖縄(浦添市)生まれのナガハマさんからみて、沖縄の番組の特徴はどういう点にあると思いますか?

ナガハマさん いろいろとありますが、ひとつはパーソナリティーとリスナーの共通認識が多いことです。沖縄ならではの"あるある"も共感しやすいです。

やきそば 皆さんの生活が見えてくるようなメッセージが多いですよね。

ナガハマさん 文面にリスナーの同級生の名前が普通に書いてあることがありますから(笑)。僕はその同級生のことを知らなくても人柄が想像できるんです。

やきそば 沖縄の皆さんは年中行事を大事にしていらっしゃるのも伝わってきます。パーソナリティーやリスナーの皆さんが行事のことをよく話題にしていらっしゃいます。

ナガハマさん 確かに沖縄の方は行事を大切にしていますね。例えば旧盆やシーミー(清明祭)※3、エイサーなどもそうです。

やきそば 沖縄ならではの話が出るのが面白いですね。

ナガハマさん 今はラジコがあるからエリアフリーを使えば全国の放送局の番組を聴けますが、だからといってローカルで東京っぽいことをするのは違うのではないかと思っています。

ローカルで番組を作っている人はローカルを掘り下げていくほうが、地元の人もほかの地域の人も聴いてくれると思うんです。だから沖縄の皆さんの生活感が出る番組にしたいと思っています。

ローカル番組の価値はローカルにしかないと思っています。それはラジコのエリアフリーの機能ができて(2014年)全国各地の方が聴いてくださるようになってから、特に意識するようになりました。

※ 3 シーミー
沖縄の伝統行事の一つで、旧暦の二十四節気の「清明」の時期に行われる沖縄のお墓参りのこと。親族一同が集まりお墓の前で食事をする。

◯1か月で番組の雑誌を制作

『週刊リッスン』は今年の3月にオンラインイベントを開催しました。その際にグッズとしてナガハマさんが作った雑誌(番組本)『別冊リッスン』を販売しました。

▲番組のグッズである『別冊リッスン』の表紙。

沖縄県立図書館にも郷土資料として保管されている


やきそば 『別冊リッスン』はよくできていましたね。

ナガハマさん 作家の照屋(勇樹)さんにも手伝ってもらいましたが、基本的に僕とデザイナーのほぼ2人で作ったんですよ。

通常、オンラインイベントではいろいろな番組グッズを販売するものですが、「ナガハマのタオルやタンブラーを作っても弱いだろう!」と残念ながら自分で気付いてしまいまして、それならいっそのこと「雑誌を作りましょうか」と。制作期間が1か月しかなかったから大変でした。


やきそば 僕も同業者なので、これだけの量を1か月で作る大変さは分かります。ナガハマさんのインタビューページはあるものの、番組に登場した人々を面白おかしく紹介している部分がほとんどだったところがナガハマさんらしいと思いました。

ナガハマさん "『リッスン』の本"なので番組と関係のある方を前面に出しました。

◯仕事があるのがとても嬉しい

やきそば そもそも、ナガハマさんがパーソナリティーになったきっかけはなんですか?

ナガハマさん もともとラジオが好きで、高校を卒業する時、ラジオ沖縄のパーソナリティーのオーディションがあることを求人欄で見つけて応募したのがきっかけです。

やきそば オーディションはそんなに頻繁にあるわけではないですから、運命の赤い糸みたいなものですね。初めて担当した番組はなんですか?

ナガハマさん 深夜のランキング番組で、僕と女性のパートナーの2人で放送していました。初めての番組で僕はまだ18歳だったにもかかわらず、ディレクターは僕を自由にしてくれました。曲の合間にメールを自由に紹介していたから楽しかったですね。

やきそば 18歳デビューは早いですね!

ナガハマさん 番組は2年半続きました。ただしその後も順風満帆とはいきませんでした。20代の後半に全く仕事がない時期が半年ほどあって、それは辛かったです。仕事がゼロになることを経験しているので、仕事がある状態がとても嬉しいんです。

やきそば 確かに仕事がないと社会から追い出された気持ちになりますよね。同じ"フリーランス"としてお聞きしたいのですが、この世界でうまくやっていくための秘訣はなんだと思いますか?

ナガハマさん 「忙しい」と言わないこと。常に「ネタ、もってますよ」「聞かれたらなんでも話しますよ」という顔をしておくことですね。

やきそば なるほど! 勉強になります。

◯無機質にならないように

やきそば ナガハマさんは今春までRBCiラジオのラジオカーのリポーターを5年9か月担当されましたが、ラジオカーリポートの際に心がけていたことはなんですか?

ナガハマさん スタジオで話す時と中継先でリポートをする時とでは使用する頭の筋肉が違います。これはスタジオからリスナーに電話で繋いだ時もそうですが、無機質なリポートにならないように出演していただく方の面白さを伝えるようにしました。

やきそば ナガハマさんは一貫して相手を輝かせようとしますよね。

ナガハマさん そのように思っていただけると嬉しいです。あくまでも楽しくお話をしていただくことが大切です。でもそれはあまり意識せずにやっているんですよ。

僕はオンとオフがほとんどなくて、飲み屋で隣りの席になった人とも気さくに話せるんですよ。自分でいうのも変ですが、そこはありがたい性格だなぁと思います。

◯人との縁は大切

やきそば ナガハマさんは沖縄の民放3局それぞれでレギュラー番組をおもちですが、それはナガハマさんの今までの努力の賜物という感じがします。

ナガハマさん 好きでやっていることなので努力をしているつもりはないんです。ただ、人との縁は大切です。

ROKラジオ沖縄で放送している『しんちゃんヒロちゃんごきげんラジオ』(月曜 21時〜21時30分 お笑いコンビ「リップサービス」の金城晋也と放送)はもともとYouTubeで配信していたんですけど、僕がデビューしたランキング番組のディレクターがディレクションをしてくれています。再び一緒に仕事ができることに感謝です。


やきそば 『しんちゃんヒロちゃんごきげんラジオ』はほのぼのしていて良いですね。

ナガハマさん こちらはラフに放送しています(笑)。晋也が達者なので何を話しても大丈夫です。

やきそば エフエム沖縄では『Connect』(月曜〜金曜 18時〜19時55分)の金曜日をナガハマさんが担当されていますよね。『週刊リッスン』や『しんちゃんヒロちゃんごきげんラジオ』とはまた違った雰囲気で...。

ナガハマさん エフエム沖縄の方には初めて声をかけていただいたから本当に嬉しかったです。都会のオシャレなラジオ局のDJのような表情で喋っています(笑)。

◯ひとつ、心残りなことは...

やきそば 心残りはありますか?

ナガハマさん 僕は18歳の時にラジオで話し始めたので、20代の時は学生に向けた番組をやりたいと思っていました。その点は心残りです。ラジオって、一緒に育ってきた同世代とは共有できる話をするのが楽しいし、離れた世代とはそのギャップで盛り上がることもある。今はその両方を楽しんでいきたいです。

以前『9ジラジ』(広島FM)のDJの大窪シゲキさんとお話する機会があって、いろいろとお話しさせていただいたのですが、大窪さんは世代を超えて愛されているなと思いました。


やきそば 『9ジラジ』の大窪さんは同番組のADを経て2007年からDJを務めていますよね。15年以上にわたって広島の10代を応援し続けています。(『I love RADIO』第51回参照)

ナガハマさん 大窪さんは僕よりも年上で学生とは20歳以上も離れているのに、学生の心を掴んでいるところが凄いと思うんです!

やきそば いつか実現できるといいですね!!



ここからは沖縄にまつわる番組のなかから、沖縄以外で放送されている番組の一部を紹介します。


ラジオ福島の人気ワイド『Radio de Show』(月曜〜金曜 13時〜16時)では、金曜日に沖縄出身のシンガーソングライター、普天間かおりが出演。「普天間かおりの♪ゆんたくさんだより」(13時10分頃〜)を放送しています。「ゆんたく」は「おしゃべり」という意味です。沖縄にまつわる話題やエピソードが全開。

普天間さんは同局で『普天間かおりのぬちぐすいやっさー』(土曜 18時15分〜18時30分)も放送。こちらは沖縄のRBCiラジオ(日曜 17時45分~18時)でも放送されています。


FMヨコハマでは『かりゆし☆らんど』(日曜 22時〜22時30分)を放送中。DJは沖縄にゆかりのある柴田聡。沖縄に縁のあるアーティストとおしゃべりをしたり、沖縄で活躍する「seven oops(セブンウップス)」のドラム担当MAIKOによる「美らリポ with MAIKO」(第1週)やエンディングテーマを担当する護得久栄昇の「ちんだみ☆ランド」(最終週)も。

FMヨコハマでは沖縄に関連するイベントもよく行っています。


千葉のbayfmでは1989年のbayfm開局以来、DJを務める、きゃんひとみの番組『てぃだきゃん』(月曜 5時〜5時57分)を放送。一瞬の隙もないほど元気な彼女。長年応援しているファンも多く、番組イベントも大盛況でした。

沖縄のRBCiラジオでは『きゃんひとみの琉球花物語』(日曜 11時45分〜12時)を放送しています。ゲストを招いて楽しくトーク。こちらも元気の塊!


FM愛媛では『ハイサイ!沖縄 PARADISE RADIO』(日曜 21時〜21時30分)を放送。沖縄の話題と音楽でいっぱいの30分です。パーソナリティーは松山市内でbar「Keep on」経営、美ら島沖縄大使を務めるポン川村。

<了>

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