HOME メディア 【ラジオレコメンダー“ やきそばかおる ”の I love RADIO】~春のおすすめ新番組&リニューアル番組を一挙紹介!~広島FM『江本一真のゴッジ』江本一真さん他
2021.5.11

【ラジオレコメンダー“ やきそばかおる ”の I love RADIO】~春のおすすめ新番組&リニューアル番組を一挙紹介!~広島FM『江本一真のゴッジ』江本一真さん他

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ラジオ レコメンダー“ やきそばかおる ”の I love RADIO  第40回

やきそばかおる

ラジオコラムニスト、ライター。山口県出身。小学生の頃からラジオっ子で、ハガキやメールをよく送っていた元“ハガキ職人“。「radiko.jp」をはじめ、雑誌、Web、新聞などでラジオに関するインタビューやコラムを多数執筆。MBSラジオ『福島のぶひろの、金曜でいいんじゃない?』の「やきそばかおるのラジオ旅。上機嫌!」のコーナーに出演中。『別冊TV Bros.全国ラジオ特集』(東京ニュース通信社)、『人気ラジオ番組完全ガイド』(晋遊舎)等関わっている。


 

月曜から木曜の夕方4時。朝から仕事に励んでいる人は疲れが出てくる時間帯。これから仕事という人にとってはやる気を出したい時間帯。そんな夜の入口の時間帯に、広島FMではお祭り男を絵に描いたようなDJ、江本一真さんが明るいテンションでリスナーの気持ちを盛り上げています。

 

 

番組のタイトルは『江本一真のゴッジ』(月曜〜木曜 16時〜17時44分)。2019年春に始まった生放送のワイド番組で、開始当初は午後5時に始まる番組であったことからこのタイトルになりました。

現在はスタジオからの放送に加えて、月に2回、広島市内にある本通商店街からの公開生放送も行っています。初の公開生放送の様子は「I love RADIO」の第27回でも紹介しました。その後、番組の好評を受けて2021年4月からは午後4時スタートに放送時間を拡大。
今回は、注目が集まる番組『ゴッジ』の江本一真さんに話を伺いました。


 

江本さんの特徴は、テンションの高いトークと電話やメールで参加するリスナーとの楽しいやりとりにあります。

大のサッカー少年で5歳の頃からシーガル広島でサッカーに励み、サッカー漬けの生活を送ります。将来はサッカー選手に…といいたいところですが、プロの厳しさを痛感して断念。プロの道に進む仲間もいるなかで、“彼らと同じステージに立ちたい” “サッカーの実況をやりたい”との思いで放送業界を目指しました。

江本さんは2017年から3年間、広島FMで放送されている学生向けの人気番組『大窪シゲキの9ジラジ』(月曜〜木曜 20時〜22時)にてアシスタントDJを務めました。「大窪さんとの出会いがなければ今の自分はなかった」といいます。大窪さんとの出会いは、江本さんが高校3年の時にAKB48の握手会に行った時のこと。広島グリーンアリーナの広い会場にいくつもの長い列ができているなか、場内に響き渡るアナウンスが気になったといいます。

 

江本さん 会場を盛り上げるためにMCの人が喋っていたんですけど、何度も『9ジラジ』と言ってたんです。当時は『9ジラジ』を知りませんでした。帰宅してAKB48のメンバーの可愛さに浸ってたんですけど、同時に「あのモジャモジャ頭(大窪さんのヘアスタイル)の人が言っていた『9ジラジ』ってなんだろう。FMって言ってたけど…」と気になっていて、それで『9ジラジ』を聴くようになりました。それで大窪さんのことを知って、一気にハマりました。

 

その後、広島の大学に入学した江本さん。とあるイベントで大窪さんが講師を務めることを知り、大窪さんと喋ってみたいという思いから足を運びました。

 

江本さん 大窪さんに「将来は喋る仕事をしたい」という思いを伝えました。大窪さんとお話しできたことが嬉しくてたくさん質問をしていたら、ここまで積極的に聞いてくれる人はなかなかいないと言ってくれました。その日以来、大窪さんが出演するイベントは必ず行くようになりました。

 

大学卒業後は愛媛の放送局にアナウンサーとして就職しましたが、サッカー中継の実況をしたいという夢を捨てきれなかった江本さん。『9ジラジ』のアシスタントDJのオーディションが行われることを知り、思い切って受けることにしました。

 

江本さん オーディションが行われることを知った時は「神の指令」だと思いました。受かって本当によかったです。覚悟を決めて会社を辞めて広島に戻ったあとでしたから…。

やきそば まさに運命ですね!

 

江本さんは2017年から3年間『9ジラジ』のアシスタントDJを務めました。その頃の印象をお訊きしました。

 

江本さん 人によってスタンスは違うと思いますが、学生の頃は、ラジオDJは本番の10分前くらいにスタジオに現れて、豪快にトークをして、番組が終わると風のように去っていくイメージがあったのですが、大窪さんは全く違っていました。放送が始まる何時間も前から丁寧に準備をするんです。フリーになって、『9ジラジ』で準備の大切さを学んだことは非常に大きかったです。

 

2019年、江本さんがアシスタントDJを始めて3年目に『江本一真のゴッジ』が1時間番組としてスタートします。1年間は『9ジラジ』のアシスタントDJと兼任していました。

 

やきそば 『ゴッジ』が始まった頃のコンセプトを教えてください。

江本さん ハイテンポとハイテンションで、ジェットコースターのように突き抜ける番組。あとは、多少は失敗してもいいから、いろいろな企画にトライしようということで始まりました。

 

番組ではリスナーを巻き込んでさまざまな企画を実施。2020年1月からは広島本通商店街から公開生放送を行うようになりました。同商店街は580メートルのアーケードに、およそ200店が軒を連ねる日本屈指の商店街です。

公開生放送といえば、大きなステージを組んで豪華なゲストを呼ぶ印象がありますが、同番組はステージを組むこともなくお店の軒先から放送します。江本さんとリスナーが同じ高さの目線でコミュニケーションを図ります。あくまでも主役はリスナーなのです。

 

▲ 公開生放送

※写真は以前行われた時の様子。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、2021年5月からしばらくの間、立ち止まって見学することができなくなりました。詳細は放送をお聞きください。

 

やきそば 本通はとにかく人が多いですよね! 江本さんは偶然通りかかった人も巻き込んでいて、度胸とパワーがすごいですね。

江本さん ちょっとでも人の目を気にしてしまうと萎縮してしまうので、羞恥心は捨てました(笑)。「あそこで何やってんの?」という目で通っていく人も多いですが、リスナーさんが応援に来てくれるし、「通りかかった人にラジオに触れてもらうためだ」と思って自分に暗示をかけて、本番が始まったらドーンといきます。なかには公開生放送でラジオのことを知ってメールを送ってくれる人もいます。

 

公開生放送は月に一度のペースでスタート。2020年4月からは月に2回に増やす予定でした。いよいよこれから…という時に新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、しばらく休止することに。その後、一度は復活したものの年末から再び休止することになりました。

そして今年の2月に再び復活。感染拡大防止対策をしながら、笑い声が溢れる公開生放送が戻ってきました。このところ、小学生もたくさん遊びに来ています。

 

江本さん 昨年の秋頃から小学生のリスナーが増えてきました。名物リスナーが生まれると「僕も聴いてます!」「私も聴いてます!」という感じでどんどん参加してくれるようになりました。親御さんがラジオ好きで、家でラジオがかかっているご家庭が多いようです。ある親御さんに聞いたところ、テレビやYouTubeも楽しいことがたくさんあるなかで、『ゴッジ』だけは正座して聴いているというお子さんもいらっしゃいました(笑)。

 

やきそば 小学生と電話で話すコーナーもありますが、江本さんは子どもとのやりとりがうまいですよね(笑)。

江本さん 僕自身はひとりっ子で弟や妹がいたわけではないし、特に何かを意識して話しかけているわけではないんですけどね(笑)。

 

やきそば 江本さん自身は、子どもの頃はどんな性格でしたか?

江本さん 男女問わず、誰とでも仲良くなるタイプでした。あの時のまま大きくなりましたね(笑)。

 

そんな江本さん、今年のバレンタインデーには嬉しいことが起こりました。リスナーからおよそ100個にも及ぶチョコレートやプレゼントが届きました。

 

江本さん ある先輩が「バブルの時代には段ボール1箱分のチョコレートが届いたこともあったけど、さすがに平成に入ってからはあまり届かなくなった」と言っていました。番組でその話をしたこともあって、たくさんのプレゼントをいただきました。本当に嬉しかったです。
お礼に自腹でタオルを作りまして、直筆のサイン入りステッカーと一緒に全員に送りました。もちろん、宛名も自分で心を込めて書きました。

やきそば 日頃からラジオを通じて素敵なコミュニケーションをしている賜物ですね。

 

 

江本さんは念願だったサッカーの実況の仕事も行っています。およそ1年間にわたるトレーニングを経て2018年にサンフレッチェ広島VS北海道コンサドーレ札幌の開幕戦の実況を担当。Jリーグの実況を担当するアナウンサーとしては異例の若さで夢を叶えました。現在も月に7〜8試合の実況を担当しています。

最後にラジオに対する思いと『ゴッジ』の今後について訊きました。

 

江本さん ラジオには可能性しかないです。リスナーさんに直接お会いすると僕も嬉しいし、リスナーさんもラジオへの愛が一層深くなるようです。さらに、こんなに楽しいラジオを、どうすればもっとたくさんの人に聴いてもらえるか、常に考えています。

公開生放送でラジオに出会って、帰りの車で聴いてもらう…といったきっかけ作りをこれからも行っていきます!


 

後半は2021年にスタートした春の新番組のなかから、ユニークな企画の番組(ごく一部ですが)を紹介します。

 

北海道のHBCラジオでは、夜の生放送『きく!しる!そだつ! 育成型ライブアプリ Fledge‼』(火曜〜金曜 22時〜23時)がスタート。Fledge(フレッジ)は羽毛が生えそろう、旅立ちの準備ができるといった意味。

パーソナリティは入社2年目の本間吏成りせいアナウンサーと大竹彩加アナウンサーが日替わりで担当。パーソナリティとして&アナウンサーとして“知りたいこと” “知っておきたいこと” “気になること” “よくわからないこと”をきいて、知って、リスナーとともに育っていく…がコンセプト。道内の学生、ミュージシャン、クリエイターを紹介する企画もあります。

初回からノリの良い大竹アナ(水・金)と、アナウンサーとして面白いこだわりを持っている本間アナ(火・木)との雰囲気の違いにも注目。

 

AIR-G’(FM北海道)では、UHB北海道文化放送のアナウンサーが出演する『こちら札幌市中央区大通公園前時計台ビル派出所』(土曜 20時〜20時30分)がスタート。

箕輪直人さんを“巡査長”に 、“巡査”のUHBアナウンサーズ(柴田平美なるみさん・田辺桃菜さん・石井祐里枝さん・江上太悟郎さん)が道内のけしからん景色、けしからん食べ物、けしからん文化を発見(番組内では「けしからん=最高」という意味で使われています)。場合によっては証拠の提供、資料の提出、参考人(ゲスト)招致を行うことも。コントチックな番組で、情報番組としての堅さがないのがポイント。

 

同じくAIR-G’では、キャンプの魅力を伝えるオール・ロケ番組『Sound CAMPING』(日曜 9時〜9時25分)がスタート。
出演はMAOさん、プロキャンパーの星 昌宏さん。ポイントは環境音。木々がそよぐ音、野鳥の鳴き声、海キャンプなら波の音、カモメの声など、音とともに自然の魅力も伝わってきます。

 

岩手のIBCラジオ『デジタルニュース・ラボ』(火曜 18時30分〜19時)は岩手日報の若手記者が出演。自ら取材し、紙面掲載した記事をピックアップ。弦間彩華アナウンサーとともに、ニュースの背景や、記事に納まりきらなかった思いを、深掘りして伝えています。

ラジオでも楽しめますが、動画生配信では岩手日報の誌面や動画も駆使しながら紹介。ラジオの生放送後も引き続き動画配信で伝えます。
今はアナウンサーも新聞記者も、自分で動画編集までする時代。大変な仕事量ですが、原稿も動画も自分で作成した分、より熱い思いが伝わってきます。

 

IBS茨城放送は2021年4月1日より「LuckyFM 茨城放送」に愛称を変更。そこで、平日の夜の時間帯を中心に大きな改編が行われました。

なかでも注目のひとつが『ダイバーシティニュース』(月曜〜木曜 21時〜21時55分)。
月曜「社会(ダイバーシティ&インクルージョン)」、火曜「政治(リベラル&保守)」、水曜「ビジネス&スタートアップ」、木曜「エンタメ」をテーマにコメンテーターが徹底解説。東京Lucky Studioから放送しており、東京で活動している解説者が茨城のリスナーに向けてあけすけに話します。

また月曜22時からは茨城出身の磯山さやかさんによる『今夜はLucky Night~さやかマンデー~』がスタート。
磯山さんは『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)に出演しており、初回の放送からビバリー昼ズ共演者の松村邦洋さんからのメッセージが届けられると、ビバリー昼ズファンも大挙聴いていて大いに盛り上がっていました。

 

FM NACK5は月曜から木曜の夜ワイドを一新。『FAV FOUR』(月曜~木曜 20時~23時)が始まりました。
日替わりパーソナリティとして、バカボン鬼塚さん(月曜)、JOYさん(火曜)、古坂大魔王さん(水曜)、はなわさん(木曜)、アシスタントとして松本有紗さん(月・水)、結さん(火・木)が出演されています。

バカボンさんは久しぶりにNACK5のこの時間に復帰。初回の放送では2月に再婚していたことを発表。プライベートは謎の多いバカボンさんの再婚のお知らせにリスナーは狂喜乱舞。おまけにアシスタントの松本有紗さんは今年の3月に東京大学修士課程を卒業。現在24歳で既に結婚していることを明かし、ツイッターは終始大騒ぎでした。

結さんも謎は多いですが、古坂大魔王さんとはなわさんが、それぞれのアシスタントをおもしろくおかしく料理しています。

 

千葉のbayfmは平日早朝の情報番組を刷新。『AWAKE』(月曜〜金曜 6時〜8時57分)が始まりました。
コンセプトは、一日を、人生を前向きにするきっかけをリスナーと共に考える、情報番組の先にある、情“考”番組。グローバルで、社会性のある情報から、リスナーの「そこ」にある身近な話題まで、話題・問題を「伝える」のではなく、とらえ、ほぐし、追求。その先を「共に考えていく」朝の“芯”番組です。

地元の情報はもちろん、幅広いトピックスを扱います。テーマに沿ったこだわりの選曲にも注目。リスナーとのコミュケーションも活発です。月曜から木曜はフリーアナウンサー・アメリカンフットボール指導者としての活躍も目立つ有馬隼人さん。金曜は同局でおなじみ柴田幸子さん。

 

同じくbayfmでは『ジェネZ』(日曜 22時30分〜23時)がスタート。出演はお笑いトリオ、トンツカタンの森本晋太郎さん、アイドルグループ ≠ME(ノットイコールミー)の蟹沢萌子さん。人気急上昇中のふたりによる番組が誕生。

ポイントはふたりのセンスが爆発しているネタのコーナー。蟹沢さんのリアクションが良い味を出していて、もはや森本さんが何を言っても笑っています。

 

Z世代といえば、bayfmでは学校のランチタイムを笑顔にする校内放送をお届けする企画「ベイエフエム presents スクラジ!」も行いました。
bayfmのDJのトークにbayfmセレクトの楽曲ありの20分程度の番組。コロナ禍で寂しいランチタイムに華を添える企画です。(2021年4月現在、第2弾まで実施)

 

TBSラジオを含む全国32局ネットでは『地方創生プログラム ONE-J』(日曜 8時〜10時)が生放送でスタート。
毎週、JRNの各局からそれぞれの特色を持った名物レポーターが登場。映像がないからこそ、各地の美味しいもの、珍しいもの、絶景などが楽しめます。ツイッターで参加する人が続々と増えているうえ、ラジオが好きな本仮屋ユイカさん、有村昆さんもリスナーの心を躍らせています。

 

同じくTBSラジオでは30分ノーカット一本勝負で収録したものを放送する『ZonE』(土曜 27時30分〜28時)がスタート。
BGMも効果音も使用禁止。“体から出る音”のみで勝負するトーク番組。出演者は普段表に立っている人とは限らず、例えば演劇の裏方の人も登場。一発収録だからこそのヒヤヒヤも。

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