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2021.4.1

【ラジオレコメンダー“ やきそばかおる ”の I love RADIO】~ゲストの魅力を引き出すラジオパーソナリティたち~KBCラジオ『ドォーモ×ラジオ』長岡大雅アナウンサー他

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ラジオ レコメンダー“ やきそばかおる ”の I love RADIO  第39回

やきそばかおる

ラジオコラムニスト、ライター。山口県出身。小学生の頃からラジオっ子で、ハガキやメールをよく送っていた元“ハガキ職人“。「radiko.jp」をはじめ、雑誌、Web、新聞などでラジオに関するインタビューやコラムを多数執筆。MBSラジオ『福島のぶひろの、金曜でいいんじゃない?』の「やきそばかおるのラジオ旅。上機嫌!」のコーナーに出演中。『別冊TV Bros.全国ラジオ特集』(東京ニュース通信社)、『人気ラジオ番組完全ガイド』(晋遊舎)等関わっている。


 

ミュージシャンに対するインタビューが楽しめる番組はたくさんあります。ラジオ番組におけるゲストの時間は15分から20分ほどの番組が多く、パーソナリティ(ラジオDJ)にとっては、いかに相手の魅力を引き出してリスナーに興味を持ってもらえるか、ゲストにとってはいかに爪痕を残せるか、といった“勝負”でもあります。

 

2017年秋にスタートした『ドォーモ×ラジオ』(福岡・KBCラジオ)は長岡大雅アナウンサーがさまざまなミュージシャンを招き、相手の人となりに迫っていきます。インディーズも含めて番組が注目したミュージシャンは全力で応援しています。

さらに、週替わりで登場するもうひとりのパーソナリティ(同局のほかの番組で活躍するパーソナリティを招く)とのやりとりも注目のひとつ。長岡さんはミュージシャンのみならず、ほかのパーソナリティの魅力を引き出すことにも長けています。

私はこの番組を聴いていて、なぜ、長岡さんは人を引き立てるための雰囲気作りがこんなにうまいのか、不思議でなりませんでした。今回は長岡さんにその秘密を伺いました。

 

▲ 収録でのひとコマ(長岡大雅アナウンサー[右]、美舞みぶきさん[左])

 

やきそば 長岡さんはテレビのニュース番組『シリタカ!』も担当していて、昨年はコロナ禍の状況を伺いました(『I love RADIO 第32回』)。今回は『ドォーモ×ラジオ』における長岡さんの“聞き方”に迫りたいと思います。

長岡アナ 恐縮です。

 

「音楽でご飯を食べている人、音楽を奏で続けてくれている人を、心の底から尊敬している」という長岡さん。

迎えるミュージシャンの音源を聴き込むことはもちろん、歌詞もきちんと読み込みます。(歌詞などが書いてある)ミュージシャンの資料に、思った事や気になった事、勝手な考察、制作への想像、歌詞の世界への妄想などを書きこみます。それは収録時に参考にするため…というよりは、持っているだけで安心する“お守り”の意味合いが強いそうです。

 

「僕の独断と偏見にまみれた、決してアーティストご本人には見せられない手書きのメモが質問のきっかけになります。自分勝手に想像をめぐらせて、作詞をされた時の心情を妄想することが趣味なんです」と長岡さん。(以前のインタビューでの発言より)

 

インタビューの濃度を高くするために、ゲストの過去1年ほどのSNSやブログ等も確認します。
まだお会いしていない状態で、さまざまな情報をかき集めて、相手の人物像を脳内に描き、ひたすらにシミュレーションをする過程や、その妄想をすることがたまらなく好きなのだそうです。資料や自分で書いたメモは全て保管しているとのこと。

 

▲ 膨大な資料とメモは面白い番組の証し

 

●音楽番組としての役割

やきそば 長岡さんはゲストの事をさまざまなアングルから把握していて、「この事に触れたら楽しく喋ってくれる」というのを、ものすごくよく考えている気がします。

長岡アナ それはいつも意識しています。ゲストの方と喋っている時の楽しい空気が、リスナーの皆さんに伝わる事が重要だと思っています。

例えば、ファミレスで隣のテーブルのお客さんがすごく楽しそうに話しているようなシチュエーション。その会話がふと耳に入ってきて「めちゃくちゃ楽しそう!」と気になって、聞き耳を立ててもらうようなイメージで会話をしています。

そのミュージシャンを知らない人たちを、どうやって惹きつけられるかというところでの勝負。メディアとして、ゲストのファンの皆さんに喜んでもらうのはもちろん、初めて知った人にも興味を持ってもらわなければなりません。そのためには、そもそも喋っている雰囲気が面白くなければ、お客さんが付いてきてくれないと思います。どんな話を振ったら盛り上がるか、ずっと考えています。

相手が喜んでもらえるように、自分の武器を手元に揃えてインタビューしています。

 

●アイドリングトークでの勝負

やきそば 限られた時間だからこそ、最初にどんな言葉をかけるか悩みませんか?

長岡アナ 本番を迎えるにあたって、まず出会ってご挨拶をしてから、少しのアイドリングトークがあります。この時に、コミュニケーションはどこまで踏み込んで良いものか、グイグイいったほうがいいか、引いたほうがいいか、どんな声のトーンがフィットするか…などなど言葉のジャブを打ちながらインタビューの形を探っています。

打ち合わせが終わった時には、自分の頭の中にインタビューの進行のイメージが出来上がっているのが理想です。カフ(マイクのスイッチ)を上げてインタビューがスタートする時点で、ギアがフルスロットルに入っているように心掛けています。僕はカフを上げるまでが勝負だと思っています。

 

やきそば 繊細ですよね。

長岡アナ テレビのバラエティ番組のレポーターをしていた時に、街頭インタビューで一日に100人に話を訊くような企画を担当することもありました。少し会話をしただけで「この人ならこういうコミュニケーションがとれたら会話が面白くなる」と察知する能力を磨いてもらいました。だから『ドォーモ×ラジオ』はインタビューの本番が始まったら、いきなりトップギアでいきたいんです。

限られた時間ですから、1分1秒も無駄にしたくない。より精度の高い濃密な時間にしたい。インタビューは、相手に「この人は分かってくれている、理解してくれようとしている」と少しでも安心していただくこと、ともすれば油断してくれることが重要。

更には、自分の考察が行き過ぎて、それが勘違いにならないように、偏見と理解の狭間でバランスを取ることも重要。あとは相手が心を許して腹を割ってくれるまでのスピードをいかに速くするか、にかかっていると思います。

 

●女性アイドルとのインタビューで発見した事

やきそば 長岡さんが予想した以上にうまくいったケースはありますか?

長岡アナ アイドルグループの「=LOVE」(イコールラブ)へのインタビューは僕の心の中ではスマッシュヒットでした。僕があえて“キモいスタンス”で会話させてもらったんですね。(女性の友達のような口調で)「それ、すごいわかるーー!」とか「〇〇ちゃん、かわいいねーー!」とか。キャラクタースイッチを入れることで、メンバーの皆さんの空気が和らいでくれました。

質問の内容も、メンバーそれぞれのSNSをおよそ1年分振り返ったり、ブログを読ませてもらったりして、どんな話になると皆さんの感情が転がっていくか、じっくりと考察しました。ほとんどストーカーですね(笑)。

これまでなかなか縁のなかったアイドルグループの皆さんと対峙した際には、いつもの自分とは少し違う人格表現のスイッチを入れると、話が弾んでくれたのは新たな発見でした。アイドルだけど、スレスレのところでいかに魅力を引き出していくか、非常に良い経験になりました。

 

やきそば まさに“短時間勝負”ですね。

長岡アナ 楽しいですが、気は抜けません。

 

●本心から質問すること

やきそば 相手のプロ意識が高いほど、両者とも“勝負”の気持ちで収録に向き合う気がしますね。

長岡アナ そうなんです。例えばMOROHAのおふたりと話した時は、ガッチガチに緊張しました。もちろん、毎回限られた時間での勝負ですから緊張感は抱えている訳ですが、特に歯に衣着せぬような音楽を届けてくれる方々は、こちらが本心からその言葉を発しているのかどうか、心の底から見抜かれているような、半ば試されているような異様な緊張感があります。

アーティストの皆さんは全国の各番組で、さまざまなパーソナリティと作品についての会話をしているからですね。きっと相手の作品との向き合い方なんて筒抜けですよね。僕は心配性なので胃がキリキリして、眠れないこともあります(笑)。

質問しようとしている事に対して、自分が本当に好奇心を抱けているか、しっかりと自問自答をして本番を迎えます。

 

●聞き上手な人は空間を支配できる

やきそば 長岡さんはもともと、ほかの人の事が気になる性格ですか?

長岡アナ 人間観察が大好きで、興味津々です。インタビュアーは人に興味があることが前提だと思います。「間が持てない」「15分のインタビューでぶつ切りになる」という方は、相手の方に対する興味の向き方に理由があるんじゃないかと。

今はコロナ禍でなかなか出来ませんけど、後輩のレポーターには、初対面の人と会話をする機会を増やしたほうがいいと進言することもあります。聞き上手な人は空間を支配できますから。

 

やきそば 中には、何を訊いても面白い話が出てくる人もいますよね。

長岡アナ 例えば、僕の印象の中だと、関取 花さんはインタビューのテーマを絞っても細かく面白く喋ってくれる方ですので、さまざまな話題をレシーブしてくれる絶対的な安心感がありました。

逆にゲストがとっさに言葉にするのが難しい場合は、こちらがある程度サポートしながらも、話が面白く転がっていけば…という思いでお話をさせてもらっています。あくまで主役はゲストさんですからね。

 

●「面白い事を喋るな」と言われた衝撃

やきそば 『ドォーモ×ラジオ』はゲストコーナー以外は週替わりのパーソナリティと進行しますが、そちらでも長岡さんは相手が話しやすい雰囲気を作っていますよね。

長岡アナ 入社して間もない頃、深夜のバラエティ番組『ドォーモ』(テレビ番組)を担当していた時は、「自分が面白いことを言わなきゃ!」とばかり考えていました。それが番組の面白さにつながると思っていたんです。

しかし、そればかりではないことに気付かせてくれた企画がありました。
大学の周辺で出会った男子大生にお願いして、家で料理を作ってもらう半ば無茶な企画です。もちろん初対面ですし、いわゆる一般の大学生です。番組のコンセプトは『テレビやラジオの出演者よりも、街を歩いている皆さんこそ面白い』というものでした。

彼の魅力を引き出すのが僕の使命でしたが、僕ばかりがたくさん喋ろうとしたため、当時のディレクターに「お前が面白いと思うことを喋るな。とにかく聞き続けろ」って言われたんですね。その一言は、学生時代に“それなりのおもろいやつ”として調子に乗っていた自分にとって、何だか存在価値を否定されたような気もして、衝撃でした。

 

やきそば 確かに!

長岡アナ 『ドォーモ×ラジオ』でも、リスナーに週替わりパーソナリティに対してより好感を持ってもらえるにはどうすればいいのか、試行錯誤しています。結果、自分が喋りすぎてしまうことも多々ありますが(笑)。

さらに、ゲストのミュージシャンのファンも一度限りの聴取ではなく、面白いインタビューを届けてレギュラーの番組ファンになっていただくことが理想。そのためにはどうすればいいのか、常にニヤニヤしながら考えています!

 

と熱く語ってくれた長岡さん。長岡さんの挑戦は続きます。


 

 

後半はゲストの話の引き出し方がうまい番組のなかから、一部の番組を紹介します。

 

栃木のFMラジオ局、レディオベリーの番組『ナベのくせに』(木曜 21時〜21時30分)。
パーソナリティは、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」のトップリーグ「B1」の「宇都宮ブレックス」渡邉裕規 選手。弾けるようなポップな語り口で、渡邉選手のことを知らない人が聴くとラジオDJを本業にしている人かと思うほど。ゲストに招いた選手とのワチャワチャ感もポイント。

 

FM NACK5『キリン一番搾り One More Pint!』(金曜 18時〜19時)はゲストにじっくりと話を伺う番組。初代MCはブラザートムさん、今年から2代目MCのヒャダインさんにバトンタッチしました。

ゲストに対してとにかく優しく、なおかつ音楽家の目線から質問を繰り出します。ゲストのファンにとっては知りたかったことが丁寧に掘り下げられた内容。リスナーから寄せられたお便りを紹介する時も、コメントに優しさが溢れています。プロデュースしているアイドルの裏話から、おすすめのアニメの話まで守備範囲が広いのも特徴。

 

TBSラジオ『伊集院光とらじおと』は10時台にゲストコーナーがあります。
伊集院さんの素敵なところはリスナーを置いてきぼりにしないこと。話を進めていくなかでリスナーに伝わっていないと思われる部分があると察知すると、すかさずパートナーを介してフォローをした上で話を先に進めます。リスナーの痒いところに手が届くようなことを訊くのも嬉しいところ。

 

TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』(日曜 17時〜17時30分)は2015年開始以来、そうそうたるゲストが出演してきました。
初回は石井竜也さん。はじめは不安だったこともあり「よく喋ってくれそうな人」にオファーしていたそうです。その後、宮本亞門さん、東儀秀樹さん、ジョン健ヌッツォさん、安藤忠雄さんほか、大物ゲストが続々と登場。コシノさんはゲストの人間ドラマをさりげなく引き出すことに長けています。

 

余談ですが、同じくTBSラジオ『大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版』(土曜 15時〜17時)の大沢悠里さんによると、平日の朝に放送していた頃は放送前にゲストと一緒に朝食をとって打ち解けてから本番を迎えていた時代もあったそうです。「◯◯さんは◯◯◯(食べ物)がお好きだそうで」といった話のネタが増えるのが良いところだとか。

 

文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(月曜〜金曜 13時〜15時30分)は15時台のゲストコーナー「大竹紳士交遊録」に注目。
大竹さんの博学っぷり、事前のリサーチ、さらにご自身の人生経験からの勘をもとにした珠玉の質問が刺さります。トークコーナーは20分弱程度あるものの、このままずっと話を聞き続けたいと思わせてくれるコーナー。

 

毎回芸人をスタジオに招く、ニッポン放送『ザ・ラジオショー』(月曜〜金曜 13時〜15時30分)はナイツ(月曜〜木曜)と中川家(金曜)の芸人への愛が炸裂。出演した芸人に損をさせないスタンスは好感度も高いです。2組ともほかの芸人への好奇心が強いのもポイント。若手芸人事情にも詳しいため、あらゆる方向に話が膨らみます。

 

昨年秋にスタートしたニッポン放送『チャリロト presents パンサー向井のチャリで30分』(月曜17時40分〜18時10分)にも要注目。競輪が好きな向井さんが競輪の魅力を伝える番組として開始。その後、さまざまなゲストを迎えるようになりました。中野浩一さんのように競輪の関係者を迎えることがありますが、芸人が出演することが多いです。

向井さんといえば『I love RADIO』で「トークが面白い」と何度か紹介したことがあります。番組ではアインシュタインの稲田直樹さん、かまいたちの濱家隆一さん、麒麟の川島 明さんなど、(いい意味で)ひとクセある人の面白さを素晴らしい手綱さばきで引き出します。

 

TOKYO FM『日本郵便 SUNDAY’S POST』(日曜 15時〜15時50分)は、パーソナリティの小山薫堂さんと宇賀なつみさんが日本の良さを音と手紙で伝えます。ゲストを迎えるおふたりの温かい雰囲気に、ほっこりした気持ちになる番組。

薫堂さんがすごいのは、人は何をどうされたら喜ぶのか、常に考えて動いているところ。浮かんだアイデアをさらにもう一歩深めて「もっと楽しんでほしい」とアイデアを捻っている点に脱帽です。

 

同じくTOKYO FM『リリー・フランキー「スナックラジオ」』(土曜 16時〜16時55分)。
ゲストは不定期出演ですが、リリーさんと“アルバイトの女性店員”(川村那月さん、BABIさん)とのやりとりが痛快。特に学生時代からさまざまな経験を経てきたリリーさんは人を見る目が鋭く、今までに出会ってきた人物とのエピソードを通じたアドバイスは非常に説得力があります。言葉のひとつひとつのキレ具合も絶品。

 

ほかにTOKYO FMの番組で注目なのが『武部聡志のSESSIONS』(木曜 26時〜27時)。
音楽プロデューサー、武部聡志さんがさまざまなミュージシャンを迎えます。第一線で活躍している人から、これから来そうな若手まで、ゲストの幅が広いのが特徴。しかもゲストに関する知識が豊かで、ファンが知りたいことをしっかりと訊いてくれます。なかでもゲストの音楽ルーツの話は参考になるとともに、リスナーの音楽の世界を広げてくれます。

 

さらにTOKYO FM『峯岸みなみのやっぱり今日も褒められたい』(木曜 21時〜21時30分)は、アイドル歴15年の峯岸みなみさん(AKB48)が、さまざまな価値観を持った同世代の女性を迎えて語り合います。

小嶋陽菜さんを迎えた回では、AKB48の1期生として2005年の創設期からグループを支えてきた間柄のふたりが「人からどう思われたいか」「プロデュースの話」「やりたい仕事と選択の話」などについて語り合いました。峯岸さんは、雑談のなかから訊きたいことをズバズバ訊いていくので爽快。
番組の様子が分かるweb連載『峯岸みなみの「できれば明日も褒められたい」』もあわせてどうぞ。

 

J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』(月曜〜木曜 13時〜16時30分)はクリス智子さんがナビゲーター役を務めるお昼のワイド番組です。
この番組を一言で表すと「東京人間図鑑」。ミュージシャン、映画監督、俳優、作家、料理研究家などに加えて、古生物学者、画家、カカオハンター、シンバルをつくる人、地獄の研究家といった、メディアに登場するのが珍しい人も、いち早く発掘してゲストに招きます。喋り慣れていないゲストでも、クリス智子さんの明るさと優しい相槌がゲストの緊張をほぐします。

 

同じくJ-WAVEで放送している『UR LIFESTYLE COLLEGE』(日曜 18時〜19時 ※全国5局ネット)では、吉岡里帆さんがさまざまなジャンルのゲストを迎えます。吉岡さんの自然な相槌は、ゲストの話を前へ前へ、奥に奥にと進めていく、相槌力の高さが際立ちます。

映画やドラマなどで“ものづくり”の醍醐味を熟知しているだけあり、ミュージシャン、映画監督、芸人、イラストレーターから創作秘話を聞き出す時は、尊敬のあまり目がハートマークになっているのが、電波を通してラジオ越しにも感じるほど。逆に、もともと仲が良い人を迎えた時は、親友だからこその話を引き出してくれます。特にあいみょんさんを迎えた回は秀逸。

トークの模様は『LIFESTYLE COLLEGE 吉岡里帆と日曜日18時。』(リットーミュージック)にも掲載されています。これまでに登場した200組以上のゲストのなかから厳選した24組の話を収録。ぜひ、手に取ってみてください。

 

ほかにもJ-WAVEでは週末を中心に、じっくりとゲストに話を訊く番組が勢揃い。

クリス・ペプラーさんの番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(金曜 23時〜23時30分)、葉加瀬太郎さんの番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(土曜 19時〜19時54分)、村治佳織さんの番組『CLASSY LIVING』(土曜 20時〜20時54分)、市川紗椰さんの番組『TRUME TIME AND TIDE』(土曜 21時〜21時54分)、スガシカオさんの番組『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(日曜 21時〜21時54分)、V6の岡田准一さんの番組『GROWING REED』(日曜 24時〜25時 ※第1日曜を除く)にも注目です。

クリス・ペプラーさんといえば30年以上前の開局当時から放送している『TOKIO HOT 100』(日曜 13時〜16時54分)もおなじみですが、『SAPPORO BEER OTOAJITO』ではゲストミュージシャンを迎えてビールとおつまみとともに音楽トーク。

葉加瀬太郎さんの番組では、ゲストと海外の魅力の話で盛り上がります。海外経験の豊富な葉加瀬さんとゲストが、お互いにおすすめの美味しい店やお土産の話で盛り上がるところが微笑ましいです。

ギタリストの村治佳織さんの番組は、リビングでくつろいでいるかのようなトークセッションに注目。生演奏も楽しめます。音楽家を迎えた際は、お互いの楽器でセッションをしていました。今はリモート収録になっているので、スタジオ収録が再開できる日を心待ちにしています。

市川紗椰さんの番組は、各界のフロンティアを招き、ゲストの過去・現在・今後の展望をじっくりと訊き出します。ちょっとカタイ話も市川さんが噛み砕いてくれるところがポイント。

スガシカオさんの番組のコンセプトは“空想型ドライブプログラム“。ふたりでドライブをする雰囲気で近況や音楽トークに花を咲かせます。スガシカオさんはゲストの特徴を掴むのがうまく、話しやすい雰囲気を醸し出しているのもポイント。ゲストが選曲した意外な曲もオンエア。

岡田准一さんの番組は、V6としての活動ではなかなか出会わないような人を迎えます。ジャンルはさまざまですが、特に日本の文化に携わる人とのトークは必聴。2005年のスタート以来、既に500人をこえるゲストが出演しています。

 

FMヨコハマ『YOKOHAMA RADIO APARTMENT 「ドア開けてます!」』(月曜 22時〜23時20分)は名曲『別の人の彼女になったよ』でおなじみの人気バンド、wacciのボーカル&ギター、橋口洋平さんの番組。
橋口さんはミュージシャン仲間に慕われており、ゲストのミュージシャンに対しても真摯に接します。ゲスト本人よりも詳しいのではないかと思うほど曲の解説が分かりやすく、ゲスト側が感激していることもしばしば。ゲストをひたすら立てているため、個人的には「もっとwacciをアピールしてもいいのではないか」と思ってしまうほど。

 

福井放送『今夜はびんびんナイト』(土曜 20時〜20時45分)はタイトルを聞くと「お!?」と思いますが、この「びんびん」は感度のこと。毎週ゲストを迎え、びんびん心に響く話題を深堀りしていきます。

パーソナリティの3人 ―がんちゃん(岩本和弘アナウンサー)、ゆのてつ(ゆのせ徹朗さん)、ゆかゆか(藤井友香アナウンサー)― は個性派揃いですが(特にゆかゆかは面白いネタをたくさん持っている)、ゲストの話はいたって真面目。本題に入ると3人とも食い入るように話を聞いています。メリハリがポイント。

 

東海ラジオ『源石和輝!抽斗(ひきだし)!』(月曜〜金曜 15時〜17時)はアナウンサー歴25年の源石アナウンサーの抽斗と、さまざまな人の抽斗をみんなで合わせて新しいムーブメントを起こす…がコンセプト。中継先の人々、電話出演のリスナー、スポーツアナウンサー、ドラゴンズ解説者、投稿してくれるリスナーなど、さまざまな人たちが登場します。源石さんは話の引き出し方に長けており、いわば「会いに行きたくなるマスター」。

火曜・木曜にはお子さま限定の生電話コーナー「声の抽斗!」で子どもたちの“今”を引き出します。小さな子どもと話すと予測不能な展開になり、そばにいた“大人の家族”が止めようとすることもありますが、源石さんは「いいですよ。そのままで」と話を止めようとはせず、子どもの好きなように話させます。

 

滋賀のe-radio『FridayRelaxingSpaceGo!Go!』(金曜 20時〜20時55分)はミュージシャン、文化人、芸人、スポーツ選手などさまざまなジャンルのゲストを、関西で活躍中のラジオDJ下埜正太さんが迎えます。下埜さんが持っているリサーチ力、おもてなし力、話の引き出し力がおよそ45分にわたって発揮されます。
下埜さんは他局でもさまざまな番組を担当していることもあり、顔の広さは抜群。とにかく優しい…。

 

ABCラジオ『よなよな…木曜日』(木曜 22時〜25時30分)は音楽ライター、鈴木淳史さんと編集者の原偉大さんの本気(時々冗談)が詰まった番組。この番組はミュージシャンやエンターテイナーのトークパートに長く時間をとってあり、たっぷりと、ねっとりと、鈴木さんが話を引き出します。ライターだから分かる聞き手の立ち位置。“半分どっしり、半分ポップ”な路線を貫いています。
コミックバンド 四星球(スーシンチュウ)をいち早くメジャーに押し出した番組でもあります。尾崎世界観(クリープハイプ)もこの番組のファンを公言。

 

MBSラジオ『鞘師里保と◯◯と』(土曜 23時30分〜24時)の鞘師さんはモーニング娘。の元メンバー。2011年〜2015年にグループ活動した後、ダンスの勉強のためにニューヨークへ留学。昨年、芸能活動を再開。歌手、女優として活躍しています。

番組は2020年12月にスタート。小泉今日子さん、Perfumeののっちさん、ハマ・オカモトさん(OKAMOTO’S)、南海キャンディーズの山里亮太さん、YOASOBIのikuraさん、EXILE TAKAHIROさんなど、豪華なゲストが続々登場。

鞘師さんはゲストの迎え方が非常に丁寧。尊敬の眼差しで見ているのが伝わり、溢れんばかりの数の質問のなかから、よきタイミングでよき質問を差し出します。鞘師さんの素直なリアクションがゲストの口を一層開かせます。

 

MBSラジオ『日本一明るい経済電波新聞』(日曜 8時30分〜9時)は、大阪商工会議所会員紙「大商ニュース(日本一明るい企業情報)」の編集協力を務める竹原信夫さんと高井美紀アナウンサーの番組。 バネ、ボルト、ソックス、昆布、うどん、お菓子、日本酒、発泡スチロールなど、さまざまな会社の代表者が登場。人やモノに対する竹原さん、高井アナの好奇心から生まれる質問が番組を深くて楽しい内容にしています。

 

FM802『BRIGHT MORNING』(金曜 6時〜12時)はDJの内田絢子さんの温もりに注目。
温かい毛布で包んでくれるような声と穏やかな口調でゲストを迎えます。たくさんの音楽を聴いて、ライブによく足を運んで、美味しいものを食べて、笑顔が溢れる生活をしている内田さんの良さが出ている番組。

名物コーナーのひとつ「ジュンコ三姉妹のヨガレッスン」もおすすめ。疲れがたまりがちな金曜日、楽しい週末を送るための準備運動として、ぜひ!

 

FM COCOLO『MARK’E MUSIC MODE』(月曜〜木曜 17時〜20時)は関西ラジオDJ界のレジェンド、マーキーさんの人柄が良い味を出しています。ゲストのミュージシャンと、まるで音楽スタジオの片隅で交わされるようなワチャワチャした会話が繰り広げられます。

梅田タワースタジオ(タワーレコード梅田大阪マルビル店内)から公開生放送をしていましたが、現在は見合わせています。遊びに来たお客さんを飽きさせないトークも魅力だけに、新型コロナウイルスの終息が待たれるところです。

 

広島FM『SONGS ON YOUR LIPS』(土曜 12時〜12時30分)は、広島で活躍する女性をゲストに迎えて送るトーク番組。ゲストが選んだ曲とともに送ります。
聞き手はオタフクホールディングス株式会社 社長の佐々木茂喜さん。佐々木さんは出過ぎず引っ込みすぎずの立ち位置で、ゲストの話を引き出します。

 

福岡のKBCラジオ『オールナイトKBC マントル宮本の××祭りだよ! カーニバロー』(ほぼ月に一度の不定期放送 日曜 25時35分〜26時50分)は宮本啓丞アナウンサーの“話の引き出し力”が良く出ている番組。ゲストは主にKBCで活躍するパーソナリティ。

放送開始当初は一人で喋る予定でした。それではなかなか間が持てないということで、収録スタジオの入口に「収録していますので、お時間がある方はお入りください」と書いた貼り紙をしていたこともありました。

宮本さんは、ゲストの「ここをつつけば面白い話が聞ける」という点を見つける高感度センサーを搭載。ある人とは路線図の話、ある人とは団地の話といった具合に「テレビでは話す機会がないが面白い話」に焦点を当てます。

<了>

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