お笑い芸人から転身!YouTubeを通じて投資の素晴らしさを発信したい 株式会社Zeppy CEO 井村俊哉さん

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お笑い芸人から転身!YouTubeを通じて投資の素晴らしさを発信したい 株式会社Zeppy CEO 井村俊哉さん

株式会社Zeppy CEO 井村俊哉



経済・投資に特化したYouTuberのプロダクション業務や、WEB動画コンテンツの制作などを行う株式会社Zeppy。CEOを務める井村さんは、元芸人という異色の経歴の持ち主でもあります。投資について「利己的に『儲けたい』気持ちだけで市場に入ってきても、その欲望が循環して社会が豊かになる素晴らしい仕組み」と表現する井村さん。彼が投資を始めた意外なきっかけや、芸人からの華麗な転身、そしてYouTubeの今後の可能性についてまで、広く伺いました。

本業のお笑いより、株のほうがうまくいっちゃった

まずは、今までのご経歴をお聞かせください。

一言で言うと、元は"売れない芸人"です(笑)。10年ほど芸人をやっていて、他の芸人と差別化するポイントを作ろうと"株大好き芸人"という肩書きを背負って攻めていたんですけど、お笑いの方はあまりうまくいかず、投資ばかりうまくいってしまったんです。2011年に100万円で始めた株は2017年に1億を越え、今はその倍になりました。レバレッジを高める(元手の何倍もの資金を投資する)こともなく、順当にやってきた結果です。

そもそも、株を始められたきっかけはなんだったのでしょうか?

本格的に始めたきっかけは、妻との出会いです。妻とは芸人3年目くらいの頃に出会いました。それまでは他の芸人と同じように居酒屋やファストフード店でアルバイトをしていて、すでに軽い気持ちで株も始めていたんですが、ただ買って置いていただけ。投資で食べていけるとはまったく思っておらず、キャラづくりのために買っているようなレベルでした。

ただ、彼女と結婚したいと思った時に「この収入じゃさすがに無理だよな、でも芸人はもうちょっと続けたいな」ということで、お金を稼ぐ術として「バイトを辞めて本格的に株を始めよう」と思いました。当時は、月10万円の利益が目標でしたね。

例えばの話ですが、一般企業に就職して結婚するというような思考にはなりませんでしたか?

実は本格的に株を始めた2011年は、芸人を辞めようかなと思った時期でもありました。でもそんな時に限って、キングオブコントで準決勝までいっちゃったんですよね。いつも一回戦負けだったので、今回も同じならもう辞めようと思ってたんですけど(笑)。そのとき、これはいけるなと感じたんですが、キングオブコントバブルも2ヶ月ほどで終了しちゃって、すぐに仕事がなくなったんです。

それが、真のお笑いを辞めるきっかけに?

トリオ芸人だったので、相方が辞めるタイミングもあって。「芸人以外で、もう一回何かにチャレンジしてみたい」と思ったんですね。

また、投資が好きで続けていると、その先にいる企業やビジネスモデルにも興味が湧くようになりました。例えば、最初社員数30名ほどだった会社が、100名、200名と増えていって、株主総会の会場も大きくなり...という様を見て、そういうダイナミズムに憧れを感じたんです。この社会に、実際に形あるものとして価値を与えているって、すごいなって。それで芸人を辞めた後に会社を作りました。



買い物はコスパ最優先。それは投資でも同じ

今の日本であれば総資産が億を超えているならあえて起業せず、守りに入ってもよかったのでは?

なんとかいけますよね、物価も安いし。僕、友人に「コスパ男」と呼ばれるくらい、あらゆるものを安く買うタチなんですよ(笑)。このジャケットだって古着屋さんで780円ですし、株主優待券を使って買っているので、ほぼタダみたいな感覚。その他、身につけているアイテムの中にも優待でもらったものは多いです。いままで払った家賃の最高額でもせいぜい月3万円程度。ぜいたくにも興味がないので、芸人時代の月の生活費は10万円もかからない。株で稼いだ分のお金が増えていくだけの状態です。

ちなみに投資の勉強も、図書館で借りた本を読んだだけで、ほぼ独学です。

そういった感覚が、投資にも活かされたりはしますか?

ありますね。僕が株を買うにあたって一番大切にするポイントは、ズバリ"お得かどうか"。日々のお買い物と一緒です。スーパーマーケットには数千点の商品が並んでいますが、東京証券取引所にも3,700点の銘柄があります。

例えば、関連株として「トマト」がいいと思ったらトマトコーナーに行きますよね。そうすると、ミニトマト、大玉のトマト、黄色いトマトやフルーツトマトなど、たくさんの種類がある。どれが一番お得か?と考えて、銘柄を選ぶわけです。いいものでも、高く買ってしまうと損をします。いいものが安く買えて、初めて儲かるんです。甘いトマトが500円、すっぱいトマトが20円だとして、後者のフェアバリュー(適正価格)が50円だとしたら、30円儲かる。買い値の倍以上ですから、20円のトマトの方が儲かる可能性がある。しかし一方で甘いトマトは500円と高いけど、いろんな調査の結果、実は2,000円の価値があるとわかった。そうしたら、こっちを買ったほうがお得ですよね。

目利きの技術は、いろんな会社を見比べることで身につくと思います。

注意点としては、中長期的に企業の成長を見る「投資」と、値動きを見て利益を狙う「投機」、それによって判断が違ってくるので、自分がどちらの目的なのか最初に決めておくことが大事ですね。

なるほど、お買い得かの見極めが大事ですね。ちなみに、失敗することもありましたか?

それは当然あります。株を始めて6年目の頃、1年かけてコツコツ積み上げてきた1千万円以上の利益を、2〜3日で全部失ってしまいました。これで借金を背負ったわけではないので、お金に困ったという話ではないのですが。ただ、取引に対する反省は大きくあって、今まで積み上げてきたことを1回の意思決定で全部失ってしまったことがめちゃくちゃショックでした。その日は5〜6時間くらい外を徘徊して、頭の中で「なんであんなことをしたのか...」と反芻しました。ストレスからか、右のまぶたが数ヶ月ピクピクと痙攣して止まらなかったほどです(笑)。

失敗談も笑い話にされている様子を拝見すると、楽しんで投資をしていらっしゃるのだなと感じます。

楽しいですし、株は仕組みとして素晴らしいものなんだよ、ということを世の中に伝えたいという気持ちは大きくありますね。もちろん例外もありますが、基本的な投資の思想は、あらゆるステークホルダーが「全員うまくいく仕組み」なんです。

投資というと、「汚い」「金儲け」「怖い」「ギャンブル」「難しそう」などと、どうしてもネガティブなイメージが大きいのですが、投資があるおかげで生まれたものもたくさんあります。わかりやすいところでいうと医療用の薬です。新薬が生まれるためには100億円程かかるといわれていますが、そのお金を出すのが投資家です。100億集まって無事に新薬が完成したら、患者さんもハッピーになるし、薬が売れると収益が上がって会社も儲かる。投資したお金と引き換えにもらった株券の価値も上がり、投資家も儲かります。"三方良し"の仕組みですね。

もっというと、投資家はそんな小難しいことを考えずに「利益が欲しい」という欲望を持ってマーケットに入ってくるだけでも、このいい循環を作る一端を担える。要は"win-win"になれるということも僕が投資を好きな理由です。



意外と少なかった"経済・投資系YouTuber"

芸人を辞めて起業する際、どんなビジネスをしようと考えられていましたか?

実は最初に考えていたのは蒸しパン屋でした(笑)。市場や利益率、フランチャイズ化などの面からビジネスとして可能性を感じていたのですが、ある人から「まずは蒸しパン作ってみたら」と言われたんです。作ってみるかと思ったんですが、全くやる気が起きなくて。そのとき、仕事にするには"儲かる"だけではなく、思い入れが無いと難しいと感じて、自分ならやっぱり投資系だなと考えがシフトしました。

それに、上場株を見ていると、成長していく会社はたくさんあるのに「世の中に知られていないな」とヤキモキすることも多くて。「こんなにすごい会社に対してなぜ投資をしないんだ?」という中で、ふと「自分で大きな事業を興すのではなく、このすごい会社の数々を紹介するようなことができないか?」と考えました。では、どこで伝えるのがベストなのか、と考えたら、YouTube以外になかった。7,000万人が見ている巨大動画共有サイトなので、そこで数字を取りにいったら、投資の喜びも伝え放題、いい会社も紹介し放題だと思い、YouTuberのプロダクションを興そうと考えました。

その当時、投資系のYouTubeチャンネルはどのような状況でしたか?

これが、ほとんど育ってなかったんですよ。そこも狙い目だと思ったんですね。

当時、YouTuberではトップのHIKAKINさんや、はじめしゃちょーさんが500万とか600万の登録者数を誇っていました。もう、巨大なひとりテレビ局のような感じですね。一方で、投資系だとオレ的ゲーム速報JINさんが、12万人ほどでトップ。10万人以上登録者数のいるYouTuberがその時点で千数百人いたので、明らかに突出して王者が決まっていたわけではなく、そのうち誰かが"投資系のHIKAKIN"になるんじゃないかと思っていました。

では、その位置を狙おうと?

僕自身がなるというより、投資系のYouTuberたちを自分の会社に入れたいと思いました。そして、自分たちで投資系HIKAKINを育てようと。

2019年3月末にTwitterで募集したところ結構集まり、今では20名くらいのYouTuberが所属しています。

動画の配信内容などは、基本的に所属するYouTuber個々人に任せているんですか?

そうですね。僕は芸人時代に事務所に所属していたんですけど、活躍している芸人さんを見ていると、結局は個々の努力によるところが大きいんですよね。いいネタを考えるのは芸人さんの方で、それはYouTuberでもおんなじです。事務所ができることは、できる限り気持ちよく活動できるようにサポートしてあげて、伸びる芽が出てきたら徹底的に伸ばしてあげること。

初期の頃から所属してくれている「たんたん」さんという、おじさんのFX YouTuberがいて、毎日休まず「たんたんFX 日足予報ちゃんねる」で配信しているのに登録者数は50〜60人もいかない日々が半年近く続いていました。ブログを書いたり、そこからの流入も狙ったりしているんですけど、結構厳しくって。どうすればいいんだろうと悩んでいたんですが、ふと、「まずは自分がやらなければいけないのではないか?」と思い立ち、2019年6月に自社チャンネルを作りました。

ちなみに、たんたんさんはその後も決してあきらめずに、それこそたんたんと動画を出し続けた結果、登録者数は100人を突破し、200人に到達しています。ぜひ応援してあげてください。

井村さん自身は、当初は黒子に徹するつもりだったということですか?

はい。YouTube上でのインフルエンサーマーケティングをリードするようなことがしたくて、要はUUUM株式会社の蒲田社長になりたかったんです(笑)。なのに、いつの間にか自分も出ることになって。とはいえその後は幸い運にも恵まれて、株式投資系チャンネルの中では弊社の 「Zeppy投資ちゃんねる」の登録者数の伸びも良く、現在2万5,000人以上です。

オレ的ゲーム速報JINさんのご厚意でチャンネル立ち上げ時からコラボさせてもらい、しかも信じられないことにJINさんのチャンネルにも出させて頂きまして、初動から一気に登録者数が数千人という流れを作らせていただきました。その勢いのままトントン拍子に1万人超えて...という感じで、その後もありがたいことにいろんな方とコラボをさせていただいています。

コラボ戦略はYouTubeでは一般的なのでしょうか?

チャンネル登録数を伸ばすやり方としては、王道中の王道ですね。カジサックさんなどは、完全にコラボ戦略です。でも普通は、登録者数ゼロのYouTuberが登録者10万人の人に「コラボしてください」と頼んでも、実現しないことのほうが多いと思います。その点は、僕が投資でちょっとした成功をしていたり、マーケット専門チャンネル『日経CNBC』に週1で出演するなど、活動実績を評価してくださったのかもしれません。

放送局と組むことで新たな展開

先日、テレビ東京コミュニケーションズさんと資本業務提携されましたが、どのような経緯だったのでしょうか?

テレ東さんも経済・投資領域を自分たちのテレビメディアからアップデートしたいという課題をお持ちで、自社とシナジーがありそうなスタートアップの会社に出資することで、それを実現していこうという戦略を立てていらっしゃいました。

僕らはまさに経済・投資に特化したプロダクションなので、親和性が高かったんです。YouTubeの市場を取りにいくというミッションもおそらく一致していました。だから今は「YouTubeの中で経済投資チャンネルといえばZeppyだよね」みたいな位置を一緒に取りにいっているという感じですね。

以前も2社で動画制作をされるなどしていましたよね?

1発目にテレ東さんと作らせていただいたのが『株主優待ランキング』という企画で、当時の僕らはまだチャンネル登録数5,000人くらいだったんですけど、この動画は5万回再生されて「これはイケるな」と思いましたね。

その後、僕たちがソフトウェア開発のアステリア株式会社さんのIR動画を作ったときにテレ東のWBS(ワールドビジネスサテライト)さんが取材に来られて、その動画をコンテンツとしても評価してくださったんです。なので、テレ東さんと組むならIR動画を共同コンテンツにしようと話が進み、第一弾はサイボウズさんのIR動画を作りました。

IR動画について詳しく教えてください。

現在、企業側もYouTubeチャンネルを作って、動画で投資家向けに企業情報を発信しようという機運が高まっています。しかし、そのコンテンツを見てみると、紙の資料を読んでいるだけのようなものも多く、「動画だからこそ得られる情報」が少ないように感じます。結局、決算説明資料読むのとあんまり変わらない、こういった理由からか、なかなか再生されないのが現状です。

これを、「この資料をどう解釈したらいいのか」をまず投資家の視点で解説して、そのアンサーを社長さんに伺うようなコンテンツにすれば、紙の資料の情報が100とすると、それを120にも150にもできるんじゃないかという目論見がありました。実際、IR動画では異例の再生数がでていて、市場からも注目されています。それにIRだけでなく、自社プロダクトのPRも自然な形でしていただいていて、社長さん以下クライアント様には大変ご満足いただいています。

反響はいかがですか?

2社目、3社目の話もありますが、基本的にIRさんは"社長がYouTubeで喋る"といった前例にないことをやりたがらないので、皆さんまだおっかなびっくりという感じです。波風が立たないようにしたいというのがIR側の本音だとは思うんですけど、一方で製品のPRや株価に一定の効果があるということが分かるとみんなやりたいはずなので、そこを切り口に積極的に掘り起こしていきたいと思っています。



YouTubeの可能性と苦労と工夫

投資系のYouTuberのプロダクションとしての可能性を教えてください。

まずプロダクション事業において、YouTuberのプロダクションのマネタイズの仕組みは大きく二つあります。大きいのはアドセンス(AdSense)の収入、YouTuberの再生回数でYouTubeから広告収入を得ることができるので、それをレベニューシェアという形で分けるというもの。投資や経済系のコンテンツは、視聴者が少ないのでアドセンスはあんまり儲からなそうに思われるんですが、実は1再生あたりの広告単価が4倍から下手したら10倍くらい高いので、実は狙い目だったりします。

そしてもう一つがクライアントから案件をもってきてその案件をYouTuberに繋げて、その間の仲介料を取るというもの。この企業案件というのは普通のYouTuberはよくやっているんですが、金融系の案件の場合は、一定の金融リテラシーが必要で、一般のYouTuberでは紹介することができないんですよね。ここが当社Zeppyの大きなビジネスチャンスになります。投資や経済に特化した唯一のプロダクションなので、単価が高い金融系の企業案件をほぼほぼ独占できるのではないかと考えています。そのためにも、専門性と学びがありながら、視聴者の方も楽しんでみていただけるような質の高いコンテンツをしっかり作っていかないといけません。

コンテンツの質はどのように測るのでしょうか?

テレビは視聴率がありますが、YouTubeはもっと細かく出ます。YouTuberがどのくらい数字をもっているのか、その目安はチャンネル登録者数でわかりますし、コンテンツが受け入れられたかどうかは再生回数で出ちゃうんです。

それに加え、中でアナリティクスもあるため、再生維持率や高評価率を見るとその再生自体の質がどうなんだというところまでよくわかる。再生回数と動画の尺が同じコンテンツAとコンテンツBがあっても、再生維持率が60%のものと40%のものは全然効果が違います。60%の場合は60%の人は最後まで駆け抜けて見てくれたけど、40%だと残り60%の人は途中で離脱してしまったということになります。それによって広告の費用対効果も全然変わってきますから。

YouTubeはこれら全部計算できる世界ですが、テレビは比較的、広告の効果や費用が曖昧な部分もあるように思います。広告主のニーズ、例えば、認知拡大やコンバージョンなどを数値で示すことができれば、YouTubeの方が広告の費用対効果が高いと理解される未来が来ると思っています。

企画制作事業ではいかがですか?

動画作りって、本当に辛いんですよ。3つの辛さがあって、まず1つ目として、企画を立てるのが辛い。芸人のネタ作りと同じで、いいネタなんて早々出てこない。2つ目は、純粋に作業が辛い。どこまで台本を作り込むか、どこまで編集をこだわるか、テロップを付ける作業は、単純に時間がかかるからそれもしんどいです。3つ目に、「作り込んでも再生回数が伸びるわけではない」という辛さ。ずっと伸びていた人も、低迷期に入って止まっちゃうというケースもよくあるので、ヒットを撃ち続けなければいけないというのもまたしんどい。

ネタ探し、動画作り、そしてフィードバック。PDCAを無限に続けていくわけです。超孤独ですよ。結果が出ればまだ報われますが、そうでない時期にどこまで踏ん張れるか...というところですね。

続ける中で掴めたものはありますか?

動画そのもののクオリティが大事なことは言うまでもありませんが、YouTube上に表示される動画のサムネイルも同じくらい大事ですね。それを見た何パーセントの人がクリックするか...ということですから。「クリックしたい」と思わせるようなサムネイルを作るというのがポイントです。

そのためには「視聴者がクリックすることで、この動画から何が得られるのか」を明確にすることが必要です。例えば今、日経平均は22,700円(取材当時)ですが、「2ヶ月後には日経平均は2万円を割る!」というタイトルでサムネイルに置くとみんなびっくりして、クリックしたくなるんです。もちろん誇大広告はNGですが、サムネイルの時点で勝負が決まるといっても過言ではありません。『株で50億稼いだ男』というタイトルで、実際に50億稼いだ人に出てもらったこともありますが、それも数字が伸びました。

あともうひとつ鉄則としては、ヒットが出たら繰り返すということですね。例えば『株主優待ランキング』はキラーコンテンツのひとつです。『10月オススメの株主優待ランキングトップ5』などとすれば月単位で継続できて、その企画自体にファンがつきます。

最後は相乗りです。何の動画がバズっているかチェックして、バズっているネタに乗っかるというやり方もあります。

そして、これらのポイントを押さえた動画を更にブーストさせるのがコラボです。日々のコンテンツを貯めていき、タイミングをみてコラボして、視聴者の流入をもらう流れです。

知見が蓄積されてきたので、いまは配信前でもその動画がどれくらい見られるかわかるんですよ。

テレビとYouTubeの距離が近づいている

井村さんはお笑い芸人からYouTubeに参入されていますが、同じように活躍の場をテレビ業界からYouTubeに移す方も増えていますよね。

僕が芸人をやっていた頃の仲間からもYouTuberになる芸人が増えています。それってある種、テレビタレントが次元、軸を変えてYouTubeでチャレンジして、社会の波を捉えようということだと思うんです。

代表的な存在にオリエンタルラジオの中田敦彦さんなどがいらっしゃいます。

最初の頃はYouTuberが何か面白いことをして、それが面白い、楽しいという見方でした。今は進化して、How toを教える人が出てきた。それがまさに中田さんです。ビジネス系のところはぽっかり空いていたところに、『YouTube大学』というブランドを作り上げました。「YouTubeで学ぶならウチの番組だ」という自負がおありで、ジャンルも多岐にわたりますし、芸人の話術を遺憾なく発揮していますよね。投資家の間でもわかりやすいと評判です。

僕や中田さんのような動きがある一方で、実は逆のパターンも増えてきています。

先日、YouTuberのプロダクションであるUUUMに所属されている人気YouTuberの方が、太田プロダクションに移籍したというニュースがありました。これは、テレビとYouTubeがどんどん近づいてきていることを象徴している出来事かなと思います。

テレビもYouTubeもお互いが近づいて接点が増えているという印象です。テレビの方が広告の売上はまだ多いですが、どちらかというと目覚ましい成長を続けているYouTubeにテレビが吸い寄せられて行っているという気がしますね。

最後に、今後の展望を教えてください。

投資と経済に特化した日本初のYouTuberプロダクションとして「すべての人に投資の喜びを」というのが、会社として掲げている理念です。その理念に沿って、経済投資チャンネルを成長させ、投資や経済の動画コンテンツといえばZeppyというブランドを作りたいです。いわばYouTube界のテレビ東京になって、憧れのUUUMさんからからM&Aの話が来るぐらいにしたいですね(笑)。

そして、芸人として売れなかったので、会社として売れたいです。会社が「売れる」というと、イコール上場。そこを目指してやっていきたいですね。

本日は、ありがとうございました。


<了>


株式会社Zeppy CEO 井村 俊哉(いむら としや)

お笑い芸人として活動する傍ら、2011年に株式投資を開始。"本業の1000倍稼ぐ株芸人"として注目を浴び、2017年に資産1億円を達成。同年芸人を引退し、2019年に株式会社Zeppyを設立。現在はYouTubeで「Zeppy投資ちゃんねる」の運用や、日経CNBCでコメンテーターを務めるほか、著書『年収3万円のお笑い芸人でも1億円つくれた』がAmazonの「一般・投資」「節約」カテゴリーにてベストセラー1位を獲得している。

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