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2019.6.20

ラジオを盛り上げていくために、外に出て、心で交わり、発信したい AIR-G’ FM北海道 アナウンサー 森本 優さん

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AIR-G’ FM北海道 アナウンサー 森本 優氏

「ラジオが好き」という純粋な気持ちを胸にAIR-G’の門を叩いた森本さん。入社から5年が経つ今、彼はAIR-G’の‶顔”の一人となっている。番組パーソナリティとして、制作者として、ラジオを愛する一個人として。持ち前のフットワークの軽さを武器に駆け巡り、その人間力と真心は、リスナーやスポンサー、同業者たちをも魅了していく!至極のインタビューをお届けします。

 


 

 

‶好き”をひたむきに追った大学時代

 

―AIR-G’入社までの経緯をお聞かせください。

生まれは高知県ですが、転勤族だったので県内を転々とし、沖縄県や愛媛県に居たこともあります。そして大学進学で上京しました。大学を卒業して半年後、2014年の秋にAIR-G’に入社して北海道に。5年周期くらいでどんどん変わっていくので、人生の終わりには真裏のブラジルにいるんじゃないかと(笑)。

 

―ラジオの仕事を志したのはいつですか?

タイミングは2回ありました。最初は中学2年生の頃、当時始まった『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)で、同い年の女の子がやましげ校長、やしろ教頭と生電話をしていました。その際に「家にも学校にも居場所がないけど、SCHOOL OF LOCK!が、ラジオが、私の居場所です。」と話しているのを聴いて漠然と「ラジオがしたい!」と思いました。
そして、はっきりと「仕事としてラジオをしたい」と思ったのは、高校3年生のときです。僕の性格上「好きなことじゃないと続かない」と思ったので、好きなことは何なのかを考えたときに、音楽・ラジオ・バスケットボールの3つが挙がりました。
しかし、音楽は演奏ではなく聴くことが好きでしたし、バスケは部活ではやっていましたがプロのプレイヤーにはなれないと思いました。
そこで、バスケも音楽も応援できる‶ラジオ“に関わりたい、できれば喋り手になりたいと思ったことが始まりです。

 

―大学はメディア社会学科ということで、ラジオの仕事を意識して選ばれたのですか?

多少は意識しましたが、東京でたくさんライブに行きたい、バスケの試合が観たい、ラジオを聴きたいという、不純な動機のほうが主でしたね。大学でメディアの基礎知識を学びながら、プライベートでラジオの公開生放送に行ったり、サテライトスタジオを観に行ったり、ライブに行ったりという生活を続けていました。
大学3年生のときには、J-WAVEで数カ月間ADをやらせてもらいました。

 

―AD時代はいかがでしたか?

僕と一緒に入った子が一ヶ月くらいでやめてしまって、週2だった勤務が週4になりました。フルタイムで、しかも夜の番組だったので、終電を逃して始発で帰って学校に行き、夕方また局に戻るような生活です。辛かったですが、数カ月間みっちりラジオに関わったことで、かけがえのない経験ができたと思っています。

 

―具体的には、どのようなご経験を?

日本トップレベルのラジオ局の仕事を肌で感じることができました。全国放送の『SCHOOL OF LOCK!』の裏でやっていた『HELLO WORLD』という番組の企画でADに採用されたのですが、ビシバシしごかれました。
日によってテーマもディレクターも放送作家も違うので、さまざまな企画に携わりましたし、毎回同じことをやっていても通用しないんですよ。
特にBGMのセレクトには苦心しましたね。J-WAVEでは、当時まだ珍しかったUstreamでのネット配信もいち早く取り入れていたので、そのセッティング等もやらせてもらいました。

 

―大学に通いながら大変でしたね。

そうですね。しかし今、そのときの経験が活きていると強く感じます。最前線の現場を知ることによって、逆に「地方だからできない」と簡単に諦めない感性が身に付いたことは大きいです。
限られた期間のなかで熱心に育てていただき、今でも当時の方々が「北海道でがんばっているね」と声をかけてくださる。いい経験でしたし、とても感謝しています。

 

AIR-G‘への入社、躍進の序章

 

―就職活動ではたくさんのラジオ局を受けたのですか?

TOKYO FM、ニッポン放送、ABCラジオ、AIR-G’の4社だけです。この4社を選んだのは、僕自身が高知県出身で、ローカル局の番組よりも都会の番組に惹かれたことに起因しています。
『SCHOOL OF LOCK!』のように、アーティストが来て、音楽の面白さや曲作りの背景を語ってくれるような番組にこそ、ラジオの魅力を見出していたのです。
「ラジオ局ならどこでもいい」ではなく、最初から高みを目指したいという気持ちがありました。AIR-G’は札幌の局なので‟都会”のイメージがあったことと、札幌にはライブハウスが多いので、アーティストがたくさん来てくれるはずだという単純な発想から、候補に挙がりました。

 

―当初からアナウンサー枠での応募だったのでしょうか?

はい。AIR-G’ではアナウンサーでも生ワイド番組を担当していることを知って、可能性を感じました。アナウンサーって基本的には、ニュースを読み、たまに番組を持つスタイルが定石なのですが、AIR-G’なら僕でもワイドができるかもしれない。それがとても魅力的でしたね。

 

―入社してすぐに番組を持てたんですか?

最初は天気とニュースだけです。入社から半年経った頃に、初めて一時間の録音番組『hello!HOKKS』をやらせていただき、その番組は3年程続きました。
‶北海道再発見“がテーマで、元々北海道に住んでいる女性の方と道外から来た僕の二人で、北海道の見え方の違いを紹介する番組です。自分で取材して編集するまでの作業も担い、いい経験をさせてもらいました。そのときに出会った方々には、中継で困ったときに急遽行かせていただくなど、今でも助けられています。

 

―今、持っているレギュラー番組は?

LEVANGA STATION』というバスケットボールの番組と、『IMAREAL(イマリアル)』の2つです。
『LEVANGA STATION』は入社から1年経った秋に、「ラジオでバスケを応援したい」という思いが実って始まった番組です。地元のプロチームであるレバンガ北海道を応援するレギュラー番組を作りたくて、僕が企画して立ち上げ、今年で4年目になります。
『IMAREAL』は2017年4月から始まったので3年目ですね。こちらも、入社当初から僕がずっと企画書を書いていた番組です。

 

 

「ラジオでバスケを応援したい」を実現

 

―『LEVANGA STATION』について教えてください。

毎週土曜日の7:30~8:00に放送しています。レバンガ北海道の情報を届けることがメインで、バスケシーズンのオン・オフにかかわらず放送し、4年間も30分の枠で続けているバスケ番組は全国的にもAIR-G’だけなのではないかと思います。

 

―番組の立ち上げから携わったと伺いました。

企画提案から行って実現した番組です。北海道はプロ野球の日本ハムファイターズやサッカーのコンサドーレ札幌が人気ですが、僕はとにかくバスケが好きだったので、せっかく北海道にバスケのプロチームがあるのだから番組をやりたいと、ずっと考えていました。
そんなとき、北海道のメディア関係者が集まるボーリング大会があり、たまたま一緒のチームになった広告代理店の重役の方がバスケ好きということがわかって、自分の企画書をお見せしたのです。後日、その方にスポンサーを連れてきていただき、番組の誕生に至りました。

 

―番組制作で苦労することは?

選手が出演することが条件の番組なので、シーズン中はスケジュール調整が非常に大変です。労力がかかるので、ともすれば会社から疑問を持たれてしまうのですが、しっかりとスポンサーが付いてくださっていることで、本当に助けられています。

 

―シーズンオフの放送は珍しいのではないでしょうか?

シーズンオフこそ選手の魅力が届けられると思っています。番組では、選手からリクエストをもらった曲を流したり、選手とファンの交流の場を作ったり、クイズなどの企画をやったりして、選手の親しみやすい素の表情が出るように工夫しています。選手の皆さんからも、リフレッシュや刺激になると好評です。

 

―リスナーからの反響はいかがですか?

最初はバスケを知っているコア層に向けた番組作りをしていました。それが浸透してきたので、次のステップとして、バスケを知らない人にもファンになってもらえるような番組作りを意識していて、手応えを感じています。
プレーの話や試合分析よりも、選手の人柄をみせるようにしたら、元々バスケファンではない方も聞いてくれるようになりました。選手が好きな音楽や映画、マンガなどをラジオで紹介すると、リスナーの方が興味を持ってくれます。選手との距離がより近く感じられるように、ラジオでお手伝いができたらいいなと思います。

 

─会場で観戦してくれるファンも増えましたか?

はい。チームの方も色々と施策を打っていますしね。女性ファンは特に、選手がラジオでみせるカワイイ一面と、試合で見せるカッコイイ姿のギャップに魅力を感じられているようです(笑)。
土曜朝に番組を聴いてその日にある試合を見に行く方や、会場に向かう道中にタイムフリーで聴いているという方もいます。リスナーが選手の好きな曲を聴いてくれたり、とラジオを通じて選手とリスナーが交わる良い流れができていると感じます。

 

―他の地域・チームにもオススメしたいですね。

そうなんです!是非やって欲しいと思います。他のチームとラジオを通して交流できたら楽しいじゃないですか。
対戦相手の選手も北海道へ試合に来たときに番組出演してもらったり、レバンガ北海道の選手がアウェイの会場に行く時は地元番組に出演させてもらったり。そういう輪を広げていけたら最高ですね。

 

 

『IMAREAL』のリアル

 

―『IMAREAL(イマリアル)』の立ち上げについても教えていただけますか。

入社当時から企画書を書いていた番組で、2017年4月にスタートしました。最初は週4回の放送でしたが、今年から週1回になりました。コンセプトは‶外出系ラジオ”。僕のラジオに対する一番のモチベーションは、「ラジオを知らない人に知ってもらいたい」ということなんです。
ラジオの外に出てラジオを広報する番組を作りたいと思い、まずはラジオに触れる機会が少ない学生層をターゲットにしました。学校だったら取材にも行きやすいし、学生たちにラジオに触れるきっかけを作ることができるし、友達同士の輪で広がりやすいだろうと。
学生に聴いてもらうためには放送時間は夜ということで、現在は金曜19時~22時に放送しています。

 

―番組タイトルはどのように決めたんですか?

まず、Twitterのハッシュタグが打ちやすいように、カタカナ5文字にすることは決めていました。
次に、いじりやすいタイトルであることも意識しましたね。たとえば、恋人が欲しい人は「イチャリアル」、恋が成就した人は「ラブリアル」、お母さんは「ママリアル」、お父さんは「パパリアル」といったように、色々と汎用できるものにしたいと願って考案したタイトルです。

 

─番組の目玉コーナーは?

「イマリエール」という学校訪問のコーナーです。基本は中学・高校ですが、大学に行くこともあります。番組が今年で3年目に入りましたので、放送開始から間もない頃に出会った1年生は今、3年生になっていますね。

 

─「イマリエール」という言葉は、コーナー以外でも耳にしますね。

コーナータイトルでもあり、番組全体の合言葉でもあるのです。‟イマリアル”と‟エール”を掛け合わせた言葉で、学校を訪問したら「イマリエール!」と叫んで応援しますし、21時になると僕は必ず「イマリエール!」と言ってリスナーにエールを送っています。
最初は「イマリエールって何?」という感じでしたが、今では「イマリエールください!」とリクエストが来たり、イベントの時には「‟生”イマリエール」を求める列ができたりするので、言い続けて良かったなと思いますね。今では言わないと始まらないくらいになっていますよ(笑)。

 

─学校訪問以外にはどのような企画があるのでしょうか?

『IMAREAL』の前に放送していた番組のコーナーを受け継いだ形で、釣りコーナーがあったりもします。番組スポンサーでもあるアメリカ屋漁具さんが、以前の番組ではこちらのスタジオに来て出演してくださっていたのですが、‟外出系ラジオ”である『IMAREAL』では、僕が自ら赴くスタイルに変わりました。
先方も僕のラジオに対する思いと同じで、「釣りをしたことがない人たちにも知って欲しい」という気持ちを抱いていたので、素人の僕は格好の素材でした。
僕と店長が一緒に釣りに行き、その様子をオンエアすることもあります。僕がキャッチ(魚を釣り上げる)したら、LiSAの‟Catch the Moment”を流すなど、音楽でも遊んだりします。そういう仕掛けをリスナーはわかってくれますからね。音楽を楽しみながら釣りも楽しんでくれる感じが面白いです。

 

 

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