HOME メディア 【 ラジオレコメンダー“ やきそばかおる ”の I love RADIO】『すき焼きサーブ』でギネス世界記録に挑むユニークな企画が面白い!〜ご当地感を共有できる番組〜
2018.12.25

【 ラジオレコメンダー“ やきそばかおる ”の I love RADIO】『すき焼きサーブ』でギネス世界記録に挑むユニークな企画が面白い!〜ご当地感を共有できる番組〜

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ラジオ レコメンダー“ やきそばかおる ”の I love RADIO  第13回

やきそばかおる

ライター・構成作家、そして大のラジオファン。1975年山口県生まれ。
radiko.jp」をはじめ、雑誌やWebなどでラジオに関するインタビューやコラムを執筆中。
10月よりMBSラジオのナイターオフの番組『次は〜新福島!第2章=芽生え=』木曜のコーナー「やきそばかおるの全国ラジオキコウ!」に出演中。


 

「すき焼きサーブ、ギネス記録、達成です!」

去る11月25日、マイクを通して発せられた一言です。
この日、FM ぐんまでは『オールぐんまdeすき焼きまつり ギネス世界記録®「すき焼きサーブ」に挑戦』(13時〜13時55分)という番組が放送されました。
早速「すき焼きサーブ」が何なのか気になるところですが、決してバレーとは関係ありません。これは「1時間で何人にすき焼きを“提供”できるのか?!」という課題への挑戦です。

私は「何か面白そうな番組はないかな」と、radiko.jpをいじっている時に、この番組を発見しました。しかも、番組紹介欄には「『すき焼きサーブ』でギネス世界記録に挑む模様を、会場から生放送でお伝えします! 歴史的瞬間をお聞き逃しなく!」とだけ書かれてありました。
「なんだ、これは!」
ユニークな企画の番組が大好きな私が、聴かない訳がありません。
そもそも、なぜ、この企画を? 脳内は「?」で一杯です。

調べてみたところ、群馬県は上州牛や下仁田ネギ、こんにゃく、シイタケなど、群馬の農畜産物だけですき焼きができることから、4年前から“すき焼き自給率100%”を謳っていることが判明。ギネスに挑戦する企画は、そのアピールの一環だったのです。

ラジオの生放送でも、そのあたりは丁寧に説明されました。さらに、このテーマでギネスに挑戦するのが世界で初めてなので、実施にあたり細かいルールが設定されていました。

・制限時間1時間で、少なくとも600人にすき焼きが振舞われる必要がある。

・すき焼きは、1食につき、少なくとも170mlの量であること。固形物(具)は、3つ以上入っていること。

・一人につき、食べるのは一回だけ。完食したら退場し、再入場を防ぐためのスタンプを押してもらうこと。二回以上食べるのはNG。

ということでした。チェック体制も厳しく、きちんと具が入っているか、人数に間違いはないか、といったことを係員が入念にチェック。

このように書くとお堅いイベントのように聞こえますが、すき焼きが食べられるとあり、中には20人で遊びにきたという高校生もいるほどの盛況ぶり。しかも、すき焼きを食べ終えた高校生の一人にレポーターがマイクを向けたところ、すき焼きを食べたくて7時30分に起きてやってきたとのことでした。
さらに、会場と番組では、上州牛をテーマにしたミュージックビデオ『こんな日は上州牛~Love me gyu~』も初披露。この間も「すき焼きサーブ」は黙々と続けられます。

群馬の食材の魅力を紹介しているうちに60分が経過。
係員による最終判定が15分にわたって行われ、いよいよ判定員による発表の瞬間です。会場の人も、ラジオの前の人も固唾を呑んで見守ります。
「え〜、今回の『すき焼きサーブ』、1時間で、600人を上回る745人を達成しました!」
高らかにコールされると、割れんばかりの拍手が湧き起こりました。まるで、オリンピックの開催地が群馬に決まったかのような大歓声。
ギネス認定証が県知事に手渡されると、拍手はさらに大きくなり、坂本九の『上を向いて歩こう』(『スキヤキ』)が流れて、番組は大団円を迎えました。

まさに“ローカルラジオ番組の鑑”といいましょうか。
そこで、今回はローカル番組ならではの、その地域の特徴が伝わってくる番組を紹介します。

 

食べ物つながりでいえば、CRT栃木放送では、11月に3時間の特別番組『日光そばまつりスペシャル』を放送しています。
全国各地のそば処が出店する会場からの生放送。さまざまなお店の方とやりとりをしつつ、パーソナリティを務める嶋 均三さんがズルズルと美味しそうにそばを堪能します。聴いていると、どんどんお腹が空く番組です。

 

録音風物誌』は、全国各地その土地ならではの風俗を、そこでしか聞くことのできない音とともに紹介する10分間のドキュメンタリー番組です。全国のAM34局(沖縄は1月〜6月はROKラジオ沖縄、7月〜12月はRBCiラジオで放送)で制作・放送。半世紀以上の歴史があります。

この番組はある人物や店など、一点に焦点を当てているのがポイント。例えば、2018年度録音風物誌番組コンクールで最優秀賞に輝いた「紡ぎ、紡がれ~錦織りなす北限の絹~」(YBC山形放送ラジオ)は、山形県鶴岡市の養蚕にスポットを当てました。この地域は国内最北限の絹産地です。
この地で養蚕が始められてから140年余りが経過した今では、一つの産地にカイコを飼育する養蚕から、私たちの手元に届く商品になるまでのすべての工程が存在する、日本で唯一の絹産地に、なりました。放送では、絹ができあがる工程の中で生まれる音に着目。絹産業の会社や、そこに携わる人たちの取材を年に数回行い、7年がかりで制作されました。特に、カイコが桑の葉を食べる時の「ガジリ、ガジリ」という音は、耳に直接訴えかけてくるインパクトがありました。

録音風物誌

 

そのほかローカル局ならではの中継もあります。
先述のCRT栃木放送は、昨年につづき今年も「H.C.栃木日光アイスバックス」の中継をおよそ3時間にわたって放送しました。
アイスホッケーの中継は、実況する側のアナウンステクニックも、ラジオで楽しむ側の想像力もかなりのものが必要とされます。私はこの放送をradiko.jpを使って、イメージを膨らませながら楽しみました。

しかし、想像するのがもっと大変なのは県議会中継です。CRT栃木放送、ラジオ福島、wbs和歌山放送ラジオなどで不定期に放送されています。さすがに想像しづらいものがありますが、県議会で話されている内容がダイレクトに分かるのは、貴重なことかもしれません。

ラジオ番組でロケを行うのは手間がかかりますが、毎回、魅力的な旅を届けているのが『KIKI-TABI ~2 Thousand Miles~』(JFN系列で放送)。日本各地を旅しながら、様々な人の話を聞く番組です。
都内の場合でも、古墳めぐりをしたり、ほとんど練馬大根だけにスポットを当てた回もあったり、企画の入口からしてユニーク。

 

一方、広島・呉編では通常の“旅”ではなく、趣向を変えて放送。呉市在住のパーソナリティで、RCCラジオ『おひるーな』(月曜~金曜 12時~14時55分)に出演しているおだしずえさんが、今年7月に起きた西日本豪雨災害で大きな被害を受けた地域の、現在の様子を伝えました。

災害が発生して以来、RCCラジオでは連日、避難所・給水所情報やボランティアに向けた情報などが伝えられました。ラジオのスタッフの中には、甚大な被害を受けてラジオ局に来られなかった人や、船で広島市内に入った人もいました。おださんも2ヶ月間、船で通ったひとりです。鉄道は呉線や福塩線は12月に全線が復旧したものの、復旧までにあと1年かかる路線もあります。
おださんは、現状を伝えるとともに、「広島にはこんなに美味しいものがある!」「こんなに素敵な人がいる!」と惜しげもなくアピール。番組のことを記した日記の最後は「どうぞ、美味しいお好み焼き、食べに、遊びに、広島に来てくださいね! 待っとるよ」と締めくくりました。

おひるーな

 

西日本豪雨災害では、広島以外にも岡山、愛媛なども大きな被害を受けましたが、瀬戸内海は普段は波がおだやかで風光明媚。私も瀬戸内海地域に生まれ育ちましたが、非常にのんびりした時間の流れを感じます。
『NAGOMI Setouchi』(TOKYO FM 土曜 18時30分〜18時55分 を含む8局ネット ※放送日時は放送局によって異なる)は、瀬戸内海の魅力が味わえる25分。毎回、旅人が街で出会った人と触れ合います。
例えば、2018年9月の放送では、映画『この世界の片隅に』の片渕須直監督が広島・呉を訪れたり、同年4月の放送では、歌手、音楽家で、猫が大好きな坂本美雨さんが、「猫と子供、音楽とアート。男木島、高松、丸亀、春の旅」と題して、素敵な旅の模様をお届け。そこに、山根基世さんの語りが、温かな毛布をかぶせるかのように、優しくかぶさります。

 

ラジオ通を中心に支持を集めているアナウンサー、MBSの福島暢啓さんは『次は〜新福島!』(MBSラジオ 火曜〜木曜 20時〜22時)の火曜に「役場でGO!」のコーナーを展開中。毎回、とある街の市町村役場を訪問。そこで聞いた情報をもとに街をぶらぶら。
普通に考えると、移動中の様子や、出会った人にインタビューした様子の録音を流しながら番組を進行するものですが、このコーナーは敢えてそれを封印。福島さんの巧みな話術のみで街の魅力を伝えます。インタビューをした音源を使わないとなると、編集作業をしなくても済む反面、福島さんにかかる負担がぐっと重くなりますが、そこはどこ吹く風…といわんばかりです。

福島さんは、出会った人とのやりとりを再現したり、街で知った雑学を解説したり。時には話が膨らみすぎて、なかなか別の話に展開しないこともあります。滋賀県野洲市を訪れた時は、銅鐸(どうたく)の話が膨らみすぎて、放送内に収まりきれませんでした。福島さんの正直でピュアなリアクションとともに、引き込まれるコーナーです。

 

鹿児島のMBCラジオは、地域別の情報番組が充実しているラジオ局のひとつです。『やくしまじかん』『あまみじかん』『錦江湾のなぎさから』『いちき串木野ホット情報』などの番組が並ぶほか、2018年4月からは『探検! かごしまじかん』(土曜 15時〜16時20分)もスタート。
こちらは毎回、ひとつの市町村をテーマにリスナーからとっておきの情報を送ってもらいます。テーマに選ばれた市町村に縁のあるリスナーから「待ってました」といわんばかりに情報が届きます。時々、マニアックな情報が送られてくるのもミソ。

また、MBCラジオは一部の番組がさまざまな地域のコミュニティFMでも放送されていることもあり、「MBCラジオまつり」では、コミュニティFMのブースも登場。連携を図っています。
余談ですが、私は今年の11月に開催された「MBCラジオまつり」の特別番組に出演させていただいた時に、事前にMBCラジオの全ての自社制作番組を聴いて、「分布図」を作りました。図の左上に地域情報が並びます。改めてその数が多いことが分かります。

<画像をクリックで拡大>

 

ピンポイントに、一つの動物園をテーマにした番組もあります。『宇都宮動物園Presents 恋する動物園☆』(CRT栃木放送 金曜 22時30分〜23時)は、栃木県のご当地アイドル、Lovin&S(ラヴィンズ)が動物園を訪ねて、動物や園内の楽しみ方を発見していきます。
宇都宮動物園はプールも併設していることから、とりわけ夏は大繁盛。飼育員の話を聞きながら楽しく、時には希少動物の話や命の大切さなど、真面目に学びます。

さらに、宇都宮動物園は『サタデーとちぎ』内のコーナーで『宇都宮動物園ちんたらぞうさんぽ』(CRT栃木放送 土曜 11時10分〜11時30分)も放送。飼育員の蔵座美由紀さんが素朴な疑問に答えたり、「もしも動物園の動物でオリンピックを開催したら、どんな動物が優勝する?」といった企画も放送。蔵座さんのおしゃべりは非常に親しみやすく、回を追うごとに上達しているところからも耳が離せません。

宇都宮動物園Presents 恋する動物園☆

 

同じく動物園の番組『ASAからZOO! アニマルポン!』(広島FM土曜 9時〜9時30分)はシーズン3に突入しました。
広島市安佐動物公園を舞台に、来園した子どもたちへのインタビュー、動物クイズ、動物のオリジナルソングを制作、オンエアしたりと盛りだくさん。30分の番組を作るのに、ものすごい熱量をかけていることが伝わってきます。

 

宮城のTBCラジオ『ロジャー大葉のラジオな気分』(月曜〜金曜 13時〜16時)にもピンポイントな情報を伝えるコーナーがあります。「防災タクシー街角交通情報」では、その名の通り、TBCラジオが誇る情報網を駆使して、防災タクシーから今の街中の様子、道路状況等を伝えてもらいます。
「月末なので、銀行のまわりは渋滞しているところが多いです」「この時期、引っ越す人が多いようで、マンションの周辺では、引っ越し業者の車で混んでいることが多いです」といった、運転手さんならではの情報を紹介。平穏無事な場合は、ちょっとしたおしゃべりをするのが微笑ましいところです。
同番組では「落し物・忘れ物情報」というコーナーもあり、「財布を落とした」「犬を保護している」といったピンポイントな情報をTBCの“情報センター”が受け付けています。

余談ですが、以前、とあるラジオ局では「空き駐車場情報」が放送されていました。「◯◯駐車場、大変混み合っています」「◯◯パーキング、余裕があります」といった具合です。
現在はネットなどで調べられますが、世界中の情報が手に入る現代だからこそ、ラジオで聴くローカルな情報はホッとさせるものがありますね。

 

(了)

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