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2018.5.15

2018年春にラジオデビューした10~20代がパーソナリティのラジオ番組

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やきそばかおる

ライター・構成作家、そして大のラジオファン。1975年山口県生まれ
radiko.jp」をはじめ、雑誌やWebなどでラジオに関するインタビューやコラムを執筆中。
全国のユニークなラジオ番組を紹介するツイキャス『週刊ラジオ情報センター』は毎週火曜21時~生放送中。


「すごい!  とんねるずらしい展開! 」

そう感激したのはジェーン・スーさん。とんねるず世代の私は思わず「うんうん! 」と頷きました。4月18日(水)放送の『ジェーン・スー 生活は踊る』(TBSラジオ 月曜〜金曜 11時〜13時)に木梨憲武さんが出演。番組恒例、人生相談のコーナーで起きた出来事が話題になったのをご存知でしょうか。

その日の相談者は、22歳のフリーターの男性でした。木梨さんのファンだったようで、木梨さんが出演すると聞いて相談内容を送ったそうです。「自分にはどんな才能があるか分からず、そもそも才能とは何なのかも分からない」という思いもあり、就職せずにいるそう。男性に対して、ご自身の例を話ながらアドバイス。なかなか決定打が見つからないままでしたが、コーナーが終わる3分ほど前になり、急に「俺、この子の就職先決めた。あさって、(ご自身が主演を務める映画)『犬やしき』の舞台挨拶があって、映画関係者に会わせるから」と一言。そこでジェーン・スーさんが思わず言った言葉が「すごい!  とんねるずらしい展開! 」なのでした。

有言実行な木梨さんは、舞台挨拶に相談者を呼び、打ち上げに参加。映画関係者に挨拶をして、実際に撮影現場で働くことになりました。相談内容が採用されてから、僅か5日間で人生が変わったのです。まさに映画のような出来事です。木梨さんが課した条件は、相談者は今後も定期的に近況報告を送ることでした。木梨さんは翌日に放送されたLiLiCoさん、稲葉 友さんの番組『ALL GOOD FRIDAY』(J-WAVE 金曜 11時30分〜16時)にも生出演。その際、昨年結婚していたことを発表したLiLiCoさんにサプライズでプレゼントを渡していました。

さらにその3日後には、ABCラジオ『Monday!  SPORTS‐JAM』に生出演。この日は武豊さんが出演することは告げられていたのですが、別の仕事で武さんと一緒に大阪に来ていたこともあり、そのまま出演することに。ABCラジオに出演するのは始めてだったそうで、スタジオが大いに湧いていました。

さらに、木梨さんは昨年、3ヶ月の期間限定で放送された『藤井フミヤのオールナイトニッポン Premium』(ニッポン放送)でもサプライズを敢行。12月のある日、ヒロミさんとゲスト出演した木梨さん。実はその翌週の放送にフラリとサプライズで現れました。こちらは全く予定しておらず、「偶然、この近所を通りかかったから」と、突然スタッフに連絡をして、フミヤさんにも内緒でスタジオに出現。フミヤさんはあまりにも突然の出来事に、生放送なのに「え! どうしたの?! 」と面食らっていました。木梨さんは手ぶらではありません。手には、フミヤさんが好きな某コンビニのエクレアを持って。

このように、木梨さんはタダでは出演しません。サプライズというお土産を手に、パーソナリティを、そして、そのラジオ番組を応援しているように思えてきます。

 

「応援」といえば、新番組が始まると応援したくなるもの。特に、パーソナリティが初めて番組を担当する場合はなおさらです。ここからは、春にラジオデビューを果たした10〜20代のパーソナリティを中心に番組を紹介します。

 

香川にあるRNC西日本放送『ラジオスローリー』(火曜 19時〜21時)。こちらの番組は4月に『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ 日曜 13時〜17時)の恒例企画「全日本・春の新番組選手権」で優勝しました。しかも、2位だった『アリスのMBSヤングタウン』(MBSラジオ 金曜 22時〜23時)を抑えての優勝です。パーソナリティは19歳の現役女子大生、赤松汐音さん。

おしゃべりに慣れていない中で、いきなり2時間の生放送のパーソナリティに大抜擢。よくいえば初々しい、別の言葉でいえば、聞いていてヒヤヒヤする番組です。コンセプトは「癒し系音楽番組」となっていますが、結果的にリスナーが心配して応援したくなる番組となっています。なかには「AIがしゃべっているのかと思った」というリスナーもいるほど。しかも西日本放送は開局65周年イヤーということもあり「65年を振り返る わたしの音楽」というコーナーもあります。ある意味、65年を19歳が背負っています。このギャップがたまりません。本を紹介するコーナーなど、お相手がいる時はリラックスしているため、慣れてくるとスムーズに話せるようになるのかもしれませんが、それはそれで寂しい気も……。まずは、応援を込めてツイッターをフォローするか、リクエストを送ってみてください。

 

世の中はまさにキュレーション時代。MBSラジオ、平日深夜のスタートした『あどりぶラヂオ』(MBSラジオ 火曜・木曜 26時〜28時55分 水曜 26時30分〜28時55分)は、アナウンサー以外にもMBS社員、MBS関係者が、しゃべりたいこと、かけたい曲をかける画期的な番組。およそ3時間をアナウンサー以外にも任せているのがすごいです。

例えば、「空と天気と時々コブクロ」というテーマで放送したのは、気象情報部の前田智宏さん。コブクロの曲を中心に、『高気圧ガール』(山下達郎)、『逃げ水』(乃木坂46)、『縦書きの雨』(東京スカパラダイスオーケストラ feat.中納良恵)など、天気や自然に関する内容の17曲を選曲。別の回では報道局チーフプロデューサーによる、映画サウンドトラック特集。回によっては、辞書が好きすぎる福島暢啓アナウンサーによる「福島アナ辞書散歩」の企画もあります。

 

 

人に任せる…といえばBSS 山陰放送『JAZZ PARK』(土曜 21時〜22時)。ジャズが好きな人に60分を任せてしまう番組。いわゆるしゃべりのプロではないのですが、アナウンサーなど、フォローする人がいないのも画期的です。注目は鳥取大学医学部ジャズ研究会の出演回。若いのに、みんなジャズについて異様なほど詳しいです。オープニングのフリートークでは緊張していることが多く、聞いていると応援したくなりますが、ジャズの話になると一転。3人でアツいジャズ談義を繰り広げます。

 

 

J-WAVEの早朝の番組『ZAPPA』(5時〜6時)の日曜には、昨年行われた「J-WAVE NAVIGATOR AUDITION 2017」でグランプリを受賞した中村祐美子さんが登場。早稲田大学政治経済学部を卒業し、2006年にモデルデビュー。モデルの世界大会「Super Model Award」で世界グランプリを受賞し「日本代表の超美脚モデルが世界一に! 」とメディアで取り上げられました。輝かしいプロフィールですが、ツンツンしたところがなく、むしろマイルド。ラジオが好きで、J-WAVEっ子ですが、しゃべるとなると緊張するもの。

しかも、この番組はひとりで機械を操作するワンマンDJスタイルです。選曲も自分で行うため、放送前から大忙し。それでも、終始明るい声の中村さん。初回の放送のエンディングでは「メールって、こんなにいただけるんですね!! 」 と感激していました。

 

愛媛の南海放送では、南海放送史上、最も若い中学2年生のパーソナリティが誕生! 新番組『井上音生(ねお)のNEOラジ』(土曜 21時50分〜22時)の井上さんは、第8回東宝シンデレラオーディションで審査員特別賞と、りぼん賞を受賞。映画『嘘を愛する女』で映画デビューを果たした愛媛在住の中学2年生の彼女は、バレエ・馬術・空手を習いアニメを愛しているそう。しゃべりがしっかりしていて、「自分が中学生の頃は、こんなにしっかりしてなかったのではないか」と思わず反省。お便りも同世代の学生から届く、この番組は『MOTTO!!  ~痛快! 杉作J太郎のどっきりナイトナイトナイト』(土曜 21時〜23時)の放送内で放送。『NEOラジ』は収録なので、一緒にトークをすることはありませんが、まさに「美女と野獣」。

 

 

静岡のFM局、K-mixでは地元出身の現役女子高生シンガー&ダンサー、Meikの番組『Meikの常盤町放送部!! 』(金曜 19時〜19時30分)がスタート。以前、福岡のラジオ局の番組を担当していたので、初めてのラジオ番組ではありませんが、満を辞して地元のラジオ局に登場。カッコいい曲もさることながら、Meikのトークに注目。静岡のかなりの田舎に育ったそうで、「ウチの実家、めっちゃボロいんです(笑)」と、あけすけに語っていました。歌とトークのギャップがたまりません。

 

 

 

広島のRCCラジオ『あしたになるまで』(月曜 23時50分〜24時)では、ラジオDJオーディションで選ばれた現役の高専生で21歳の、下岡優希さんの番組がスタート。中学の頃から地元の「YOSAKOIソーラン」のチームに入っていて、オリジナルのテーマ曲は下岡さんが歌っています。初回の放送ではカッチカチに緊張していましたが、氷が溶けるかのように、週を重ねるごとにリラックス。広島弁も出てきて、声にも表情が出てきました。学校で研究している防災のことや、大好きな音楽の話など、あっという間の10分間。

 

異色の抜擢としては、生き物(とくに昆虫)大好きな慶應大の作家が、生き物の魅力を語り尽す『篠原かをりのいきいきプラネット』(ニッポン放送 日曜 20時20分〜20時40分)からも目が離せません。猛獣、ペットなど、あらゆる生き物について話します。初回放送から内容が濃く、ここまで楽しくて極上の内容の番組は珍しいほど。「聞かないと損! 」と胸を張っていえる内容で、小学生にも教えてあげたい番組のひとつです。ちなみに、篠原さんは社会や恋愛にまつわるコラムにも定評があります。

 

 

そして、こちらも若いパーソナリティが登場。『センチュリー21 presents伊原六花とブカツ☆ダンス』(TBSラジオ 日曜 19時15分〜19時30分)。伊原六花さんは、昨年、荻野目洋子の『ダンシング・ヒーロー』を使用した“バブリー・ダンス”で話題を集めた、大阪府立登美丘高等学校ダンス部の元キャプテン。さすがにトークは緊張しているようですが、これからの展望が楽しみな金の卵。時折出てくる関西弁にもキュンときます。番組ではさまざまな部活動を取り上げたり、部活に悩める人の相談に乗ります。誰しもしゃべることに慣れていないと、「さぁ、しゃべってください」と言われても、カチンカチンになるもの。私もそのテのタイプで「肩の力を抜いて、リラックス、リラックス」と言われると、どうやってリラックスしたらいいのか分からず、ますますカチンカチンになってしまうタイプです。

 

ダンサーの番組の先輩といえば、世界的ダンサーで、三浦大知さんとのステージでの共演や、スティービーワンダーともCMで共演した菅原小春さんの番組『TDK SUGAR WATER』(J-WAVE 金曜 23時30分〜24時 ※秋田放送でも 日曜 21時30分から放送)は3年目に入りました。番組がスタートした頃は「私、しゃべるのが苦手で…」と漏らしていた小春さん。

私が番組を聞いていて、「小春さんの肩の力が、少し抜けたかな」と思った最初の出来事が、番組が始まって2ヶ月が経った頃、小説家の西加奈子さんをゲストに迎えた時の対談でした。西さんは小春さんの大ファンです。「VOGUE JAPAN Women of the Year 2015」の授賞式で会って以来、大の仲良し。西さんは、初めて小春さんのダンスを見た時、「なに、このひと!? 」と衝撃を受けたそう。

西さんは小春さんの番組に呼ばれたことが本当に嬉しかったらしく、放送で小春さんのことをずーーーっとベタ褒めしていました。それまでの放送では緊張気味だった小春さん、この回はずっと喜んでいたのはもちろん、第一印象を聞いて西さんに「ここちゃん(※小春さんのこと)は、森の中で綺麗な鹿に遭遇した感じだった」と表現された時には感激しすぎて昇天。小春さんが、それまでに見せなかったような一面が垣間見れた回でした。

小春さんに対して、マシンガントークで小春さんを褒めていた西さん。やはり褒められるのは大事。褒めはいわば”ガソリン”。西さんが小春さんの新たな扉を開いてくれた印象があります。緊張してしゃべりが硬くなっているパーソナリティには、おもいっきり褒めてくれるゲストを呼ぶのをおすすめします。もしくは、スタッフが褒めまくるというのはどうでしょう?「今の『ステイ・チューン』の言い方、よかったね! 」とか。

 

いずれにせよ、番組を聞いているみなさんのメール、ツイッターなどの声援がパーソナリティを後押しします。励ましのコメントが増えれば、放送もパーソナリティも楽しくなります。楽しい放送が増えればリスナーも増えるかも。いずれの番組も温かく見守っていきたいですね。

(了)

 

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