HOME マーケ 過渡期の時代において多様なニーズに応える提案をしたい  株式会社FIREBUG 執行役員 塚田晃作さん
2019.8.22

過渡期の時代において多様なニーズに応える提案をしたい  株式会社FIREBUG 執行役員 塚田晃作さん

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株式会社FIREBUG
Business Content Div. Mass Marketing Dept. 執行役員 Vice President
塚田 晃作氏


 

北海道文化放送で15年以上のキャリアを積まれた塚田さんは、2017年に株式会社FIREBUGに入社し、新たな境地へと足を踏み出されました。動画制作や動画を使ったマーケティングを行う現在の仕事には、テレビ局での経験が大いに活かされ、またテレビ以外のメディアに関わることで、新たな発見もあったといいます。現在は放送と通信の両方に携わる塚田さんにお話を伺いました。

 

 

ローカルテレビ局からの転身

―これまでのご経歴をお聞かせください。

今年で社会人19年目になります。出身は東京で、2000年に新卒で北海道文化放送というフジテレビ系列の局に入社しました。最初は番組制作を3年間やりました。情報番組のADから始まってディレクターに。生放送のフロア業務、バラエティ、周年事業ドラマの助監督みたいなことまで、いろいろ経験させていただいた後に、東京支社へ異動になりました。ローカル局の東京支社には主に営業系や編成系などがあるのですが、私はスポットデスクの仕事を1年半~2年、営業を7年間勤め、その後本社に戻って編成部に入り、編成・広報をやらせていただきました。最後は営業戦略的な部署に行き、そこからご縁があってFIREBUGに入社し、今2年3ヶ月くらい経ったところです。

 

─転身のきっかけは何だったのですか?

代表の佐藤と高校と大学が同じで、佐藤が大学生の時から知っていました。彼も卒業後に業界の仕事に就いたので、たまにキャスティングのお手伝いをしてもらったり、一緒に番組の企画を考えたりというつながりがもともとあって、「一緒にやろうか」みたいな流れになりました。

 

─塚田さんは現在、どのような部門、事業を担当されていますか?

執行役員として全体を見る立場ではありますが、所属部署はマスマーケティング部で、弊社の売り上げの大部分を占めるテレビCM関連の業務が多いです。内容としては、お客様側のマーケティング部の工数をフォローしたり、アウトソーシングしていただくような立ち位置で、メディアの方々、大手広告会社の方々と一緒にマーケティング業務をお手伝いするイメージです。入社して間もない頃は、とにかく売り上げアップを目標に、CMに限らずテレビまわり全般を任されていました。

 

経験を礎とした多様な提案を行う

─テレビ局の仕事と現在の仕事の違いはありますか?

仕事内容に大きなギャップは感じていません。しかし、テレビ局にいたときにはクライアントや代理店に「広告を出稿してください」とお願いしていたものが、少し立場や方向が変わったことで見えてきたものもあります。弊社が担当しているのはほとんどがスタートアップの企業なのですが、彼らは決してテレビCMをやりたくないわけではないし、テレビCMを目指している企業もある、という意外な発見がありました。
弊社の売り上げの中心はテレビCMですが、玉数でいったら動画広告の扱いが圧倒的に多いです。しかし、認知という役割でいうとテレビCMのほうが引きが強く、役割や組み合わせ方が変化してきているのだろうなと肌で感じています。

 

─作り方についてはいかがですか?

弊社では企業紹介の説明動画からテレビCMまで幅広い動画を取り扱っているので、違うレベルの動画をいろんな角度から提案・制作できるネットワークを持っています。マルチユースといいますか、1分の動画を1本作って、分割して使い分けるようなやり方はスタートアップでは特に多いですし、動画を載せる場所や掲載目的によって使い分けるのは当たり前になっています。そのあたりへのソリューションとして弊社が提案できる選択肢は多いと考えています。テレビ局で制作をやっていた人、動画制作スタッフだった人、映画の宣伝やアプリに携わっていた人まで、さまざまな経歴を持つ人が揃っていますから。これまでの経験で得た外部ネットワークを駆使しながら、顧客のニーズに合わせた提案を行っています。

 

―様々な顧客ニーズに応えておられるのですね。

金額の規模はもちろん、SNSの影響もあって動画広告の種類も多様化しているので、どうすれば全て賄えるのか捉えづらい部分もありますね。弊社では既存のパターンから選んでもらうというよりは、毎回企画をお出しすることが多いです。
今は動画制作の会社もどんどん増えていて、予算に応じて制作しますとか、目的に応じて提案しますというのも当たり前の世の中なので、なかなか差別化が難しいのですが…。いろんなジャンルのネットワークを持つところが、弊社の強みかなと思います。たとえば予算が200万だとしたら、有名人をアサインして1年間の区切りがつくよりも、YouTubeなどでタイアップをかけてオウンドメディアに載せるような形で、半永久的に残すほうがいいとか。選択肢が増えているなかで、いろんなやり方を提案しています。制作だけだと今後はなかなか難しいんじゃないかな。

 

─御社のHPには「テクノロジーを活用して新しいコンテンツフォーマットを創造する」と書かれていましたね。

テクニカルな部分の代表例としては、『P-NEWS』という広報PR支援サービスがあります。メディアと企業を1対1でつなぐプラットフォームです。メディアは探したいテーマを掲載し、企業は提供したい内容を掲載することでそれぞれのニーズを満たすことができます。自分の足で探す・稼ぐというアナログな部分はあって然るべきものですが、テクノロジーを取り入れることで、面白いことがより手軽に発信・受信できるようになるといいですよね。まだ本当にこれからのサービスでテストレベルではあるのですが、ここはニーズがあるのではないかと考えています。

『北海道独立宣言』秘話

─御社企画・制作の番組『北海道独立宣言』をYouTubeで拝見しました。

ホリエモンこと堀江貴文さんが「100日以内でのレストランの開業」をプロデュースする番組『北海道独立宣言』が、北海道放送で放送されています。『北海道独立宣言』は、ローカル局で放送した直後からYouTubeに全編出すというスタイルを取っています。全編YouTubeに出すとテレビで見る必要がなくなるので、実験的な取り組みではありました。しかし、これは仮説なのですが、YouTubeに出すことでテレビでは見ない人も見てくれるというか、そのコンテンツに触れる機会は確実に上がりますよね。テレビ放送でもWEBでも流して、そのとき同時に家にいてテレビかYouTubeかを選べるなら、「大画面のテレビで見よう」と思うかもしれません。

 

─エリア外の視聴者も掴めますしね。

ローカルだと、キャッチアップ(テレビ番組の放送直後から行われる再放送)サービスがすべての局で取り組まれているわけではありません。キー局は以前からやっていますが、ローカル局こそこういうWEBでの展開をやったほうがいいと思うんです。北海道でしか放送していないという飢餓感から生まれることだってあるでしょうし。
特に今は深夜のテレビ視聴率が減っているのではと言われる中、深夜にそういう実験的なコンテンツを流してみる意義はあると思います。これからの時代、放送と通信の融合によってコンテンツ勝負になってくるのでしょうから尚更です。

 

─まず、視聴率については、反響はいかがですか?

広報してなかったこともあり最初は視聴率1%からのスタートでしたが、最近では4.4%まで到達した回もありました。火曜24時台の30分番組なのですが、この放送時間帯で4.4%はけっこう高い数字です。業界の人や堀江さんのファンが見てくれていることも数字の背景にはありますが、北海道内でのたしかに見られているという手応えは実感しています。出演者にもエッジのきいた人たちが揃っているのですが、北海道で彼らの名が知られてきています。YouTubeでの客層とは違うというか、さすがの放送パワーというか、地上波だからこそのメジャー感が広がりつつあります。1回や2回ではダメなのですが、レギュラーで放送しているとやはり放送にはパワーがありますし、一方では違うエリアからの反響やSNSでの反響もある。実現するまでは難しくても、いざやってみたらいいことばかりなんじゃないかと。こういう番組をもっと提案していってもいいんじゃないかと思っています。

 

─ご苦労もありましたか?

我々は放送局とクライアントの間にいる立場なので、それほど苦労はしていないのですが、番組著作の問題があります。この番組はYouTubeに載せることに支障が出ないように、持ち込み番組という形でやっています。「放送=ネットに出せない」というところで止まっている放送局にとっては一つの解決策かなと思います。視聴率も良くなってきたので今はなかなかいい感じです。

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