HOME マーケ 最適でタイムリーな情報発信と、‟LTV向上”に繋がるデジタルマーケティングを アサヒビール株式会社 デジタルマーケティング部 田村真基さん
2019.7.26

最適でタイムリーな情報発信と、‟LTV向上”に繋がるデジタルマーケティングを アサヒビール株式会社 デジタルマーケティング部 田村真基さん

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キャンペーンで実購買データを得る

─先ほどお話に出た「実購買証明を活用したキャンペーン」の詳細を教えてください。

量販ではレシート写真や、缶ビールや缶チューハイについたキャンペーンシールに記載されているコードをLINEやSNSを使って送ってもらう型式、業務用では商品画像やレシート写真を同じくLINEやSNSを使って送ってもらう型式です。
購買行動をきっかけにして顧客とつながり、データを収集・分析・活用しながら1to1コミュニケーションでCRMにつなげ、LTVを上げていくことを目的としている点が従来のアナログ型式のキャンペーンとの違いです。

量販のレシートを活用したデジタルプロモーションは量販統括部と一緒に考えたキャンペーンで、過去3回程実施していまして、年内もあと何回かやる予定です。回を重ねるごとにキャンペーン参加者数も増え、売上にも効果が出ています。
多くのお客さんに参加してもらうためには、対象チェーンの数が多くないとダメなので参加していただけるよう商談に行くのですが、チェーンにも継続的な売上効果を感じてもらっていて、かなり参加チェーンも増えてきました。

 

─集めたレシートを収集する仕組みは?

郵便でも受け付けていますが、レシート写真をLINEで送信してもらうだけでOKです。1回目まではWEBアップロードでしたが、2回目以降はお客様のユーザビリティを考え、LINEのトーク画面で完結できるようにしました。

 

─量販統括部とタッグを組んだきっかけは何だったのですか?

デジタルマーケティング部がやりたいことと、量販統括部が持っていた課題感が一致したことです。我々は実購買をKeyにして顧客とつながり、CRMによってLTVを上げたい。量販統括部は従来から実施していたハガキを活用したレシートキャンペーンに対し、ハガキがもったいない、思うように集客が伸びない、流通からのデジタルを活用した継続購買型のプロモーションのニーズに応えたい等の課題感を抱いていました。
そのような状況の中、昨年の春頃に「一緒にやりますか!」となりました。これを機に流通協同型のCRMの要素が生まれ、より現場向きになってきた感じです。この流れに乗り、業務用(飲食店さん)向けにも、今まで使いこなせていなかったデジタル資源を上手く活用して展開していきたいと思っております。

 

─実購買データは順調に集まっていますか?

徐々にデータ量も増えてきていますが、まだまだ増やさないといけませんね。より多くの人にキャンペーン参加していただくためにどうしなければいけないか?他にどういった方法でデータを増やすことが出来るか?が、これからの課題です。

 

 

秘訣は相手をイメージすること

―キャンペーン参加者を増やすための施策はありますか?

インターネットやスマートフォンの普及により情報が溢れかえっているこの世の中で、我々が発信するキャンペーンの情報を見てもらい、参加していただくことはかなり難しくなってきていると感じています。
お客様一人ひとりにとって最適な情報を、最適なタイミングでお届け出来るかが鍵だと思っております。
マス広告で大きくリーチを取り、デジタルを使って最適な情報配信を行う。この両輪のサイクルを上手くまわすことが、コンバージョンを最大化するのに重要ですね。

 

―ターゲティングはどのように?

プロモーションごとに顧客データを活用して、ご案内するお客様を決めています。また、お客様ごとに内容もクリエイティブも配信の時間帯も変えています。一人ひとりのよく飲むブランドや、購入頻度によって出し分けをしています。
ただ、肝心のデータをいかに増やすか、いかにデータ処理の工数を短縮するかという課題もありますので、日々このあたりをどうクリアにしていくかをみんなで議論しています。

 

─キャンペーンの企画自体は何か工夫されていますか?

お客様のUXに徹底的にこだわっています。キャンペーンごとにログデータやお客様からの生の声を確認しながら、いかに「‟ストレスなくスムーズで、お得で楽しい”ユーザー体験」をしていただくかを大事にし、改善を重ねています。

 

デジタルマーケティングの可能性

―SNS全般に関して伺います。エンゲージメントを上げるコツはありますか?

TwitterやInstagramなどのSNSに関しては、「新たな価値を生み出す簡単な気付き」を提供すると、わりと共感され、情報が拡散されたように感じます。たとえばウイスキーをアイスクリームにかけたらめちゃくちゃ美味しいとか、そういうネタは反響が大きく、WEBメディアでまとめ記事を作ってもらったりもしましたね。

お客さんが簡単に試すことができ、なおかつ「美味しい!」、「誰かに伝えたい!」といった価値のある情報を発信することが大事だと思います。とはいえ、いつでもひらめくものではなく至難の業なので、月に1本2本狙うくらいの感覚でやっていました。見ている人がどう感じるかということを意識して、SNS上で一人でも多くの人に共感してもらうためには‟どう伝えるのがいいか”を常に考えていました。

 

─今感じているデジタルマーケティングの課題を教えてください。

顧客の数と、データの量と質が向上すれば、もっといいコミュニケーションができると思います。世の中に広告を含めたデジタル情報が多数ある中で、いかにアサヒビールの情報をお客さんに見てもらうか。そのためにもデータの量と質を上げて情報の内容やタイミングを精査していきたいです。

顧客一人ひとりにとって最適な情報とタイミングについては、データの質と量を上げていくことでより精度が上がるはずなので、「アサヒビールからは、いつもいい時にいい情報が来るな」と感じてもらえたら最高です。これはマスでは限界がありますが、デジタルならやれますし、‟LTV”につなげるためには突き詰めてやる価値はあると思います。
TwitterやFacebookだと1対Nの情報発信が主軸であるのに対して、LINEは1対1でコミュニケーションができるので、LINEに携わってからますます1to1マーケティングの重要性を意識するようになりました。

 

─AIの導入なども検討できそうですか?

AIを活用した1to1コミュニケーションの最適化の取り組みを開始したところです。コミュニケーションやプロモーションの「ターゲティング」と「タイミング」の精度向上に向けて、試行錯誤しながら運用しておりますが、徐々に手応えを掴み始めております。

昔見た『マイノリティ・リポート』という映画で、印象に残っているシーンがあるんです。ショッピングセンターに入ると、ディスプレイから赤外線みたいなものが飛んで、目の認証だけで店頭のディスプレイが「○○さんいらっしゃい。今日はこれを買うでしょ?」って言うんです。
IDさえも不要で、瞳孔で個人を特定して、その人に最適な提案をする。いつかそんな時代が来るのかなと思うとワクワクします。

 

営業に使えるデジタルとは

─LINEを戦略的に活用されていますね。

「今、世の中で最も使われているSNSは何か」を考えると、利用者が8000万人まで到達したLINEを使わない手はありません。ただ、LINEだけに特化するわけではなく、世の中の人の動きと、お客さんのニーズを掴んで最適な情報を最適なメディアでお届けすることが最も、‟LTV”に結び付くと思っています。
時代の変遷によって使われるSNSも変わってきます。各種SNSアカウントの登録者の‟LTV”の検証もタイムリーに分析できるようになってきているので、効果の良し悪しに合わせてSNSも使い分けていけたらと思います。

 

─今後の展望についてお聞かせください。

僕は営業現場が好きなので、現場にもっと使ってもらえるようなデジタルプロモーションを生み出したいと思っています。いいプロモーションを企画して、しっかりと流通とWin-Winの効果を出し、営業現場で横展開できるようなものを生み出していきたいです。データをもっと上手く活用することで、今までとは違ったやり方で量販チェーンや飲食店さんに貢献することができると信じています。

 

─お客さん側のニーズの高まりは感じますか?

営業現場では「LINEを使った新しい販促の提案をください」と求められるケースが多くなってきているようです。
今後スマホによるキャッシュレス決済や、ポイント還元に対応する流通が増えていく中で、店頭プロモーションのデジタル化のニーズはますます高まってくると予想しています。
常に最新のデジタルテクノロジーをキャッチアップしながら、流通とWin-Winの取り組みを実現できるよう、これからも進化し続けていきたいと思っています。

 

─本日はありがとうございました。

<了>

 


アサヒビール株式会社 デジタルマーケティング部 田村 真基(たむら まさき)
2010年4月の入社から4年間、大阪で業務用営業として営業経験を積む。2014年9月より「社外武者修行制度」を使って1年間大手インターネット広告会社へ出向。約1年間の社外経験を経て2015年9月にアサヒビール(株)に戻り、デジタルマーケティング部に配属。顧客にとって常に最適なコミュニケ―ションを意識しつつ、またデジタルと営業現場の関係性を密にしながら、流通とWin-Winの効果を得られる企画やプロモーションを生み出している。

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