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2018.6.6

「総合チャートで音楽界に変化を!」阪神コンテンツリンク 礒崎 誠二さん vol.2

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阪神コンテンツリンク 礒崎 誠二さん


前回の記事はこちら(vol.1)

—一方、放送局さんはやはり音楽番組づくりに反映をされているのでしょうか?

年間チャートの楽曲を見ていただくと、CDの売上ランキングに入っていない楽曲もあります。例えばピコ太郎さんの『PPAP』や、映画『君の名は。』の主題歌で大ヒットしたRADWIMPSの『前前前世』。我々のチャートはこういった楽曲を取りこぼさないので、最新音楽事情を反映し、ユーザーに共感を得やすい番組づくりに役立てていただけるはずです。


<チャート構成要素>

使用データ(17 年10 月現在)

● プランテック(全国AM/FM ラジオ32 局放送回数)
● サウンドスキャンジャパン(コンビニ、EC 含む約53,000 店の実売から全国売上を推定)
● ニールセン(iTunes DL 回数/YouTube MV 再生回数)
● グレースノート(PC によるCD 読取回数= CD 盤面情報のDB アクセス回数)
● NTT データ(楽曲/ アーティスト名Tweet 数)
● シンクパワー(主にラジオ型ストリーミングサービスの歌詞表示回数)
● GfK ジャパン(iTunes、レコチョク、mora、mu-mo、amazon などプロバイダ各社のダウンロード回数、AWA、LINE MUSIC、Apple Music、Google Play Music、KKBOX、 Rakuten Music のストリーミング回数)
● GYAO!(MV 再生回数)

<JAPAN HOT100 の特色>

● パッケージリリース前の楽曲がチャートイン
● リリース後、長く聞かれている楽曲もチャートイン
● 動画再生数とTweetが合算されているので、ユーザーに親和性が高い
● デジタルシングルやアルバム収録曲もチャートイン
● 各構成要素をWeb で公開しているので、透明性が高く信頼度が高い


—とても優れたデータだけに、今後ブレイクするアーティストは? とか、どの楽曲が売れるのか?といったこともチャートに表示してほしいという、分析・解析領域のオーダーもありますよね?

確かに『この商品が売れそうというようなフラグを立ててくれ』とのリクエストはいただきます。しかしそれに応えたら、データの誘導になってしまう。

とはいえ、各社様からのお問い合わせやセミナーなどの説明時には、レコード会社であれば、その会社が得意とする指標を浮かび上がらせることはできるので、そこを起点にして戦略を考えればいいのでは、と一歩踏み込んだ解析方法に関するお話まではさせていただいています。

マネージメントでしたら、担当アーティストと競合アーティストを並べ、競合アーティストの得意とするマーケティングを意識するべきでは? ということをレコード会社とお話してはどうでしょう、と各社様それぞれに活用事例を挙げてお伝えします。一方で、YouTubeでどのタイミングでどのように観覧数を増やすか。

そういった具体的な策は我々には分かりません。ただし、YouTube やTwitter など、ソーシャルの分野の強化が実際のセールスに結びつくのは、我々のチャートデータで明らかになっています。皆さん、デジタル領域に対するマーケティングを今まで以上に重要視されています。そのような観点でも我々のチャートデータを有効活用していただきたいと思っています。

—改めて、今後目指すビジネスモデルは?

原盤マーケットは1998年がピークだったと言われています。現在、CDシングルの売り上げは横ばいですが、アルバムは当時に比べ大きく減少しています。

この流れを止めない限り、厳しいことは明白。メディアに露出する総合チャートが共通項としてあることで、シングルの売上だけでは見えないヒットソングを共有できますし、その曲を収めたアルバムなら、そのアーティストのコアなファンでなくても、購入する可能性はあります。

これでユーザーの拡大とともにアルバム売上の減少に歯止めがかけられるのではないか、と考えています。だからこそ、ヒットチャートが売上を伸ばすための宣伝装置になってくれればいい。

最近、この考えを顕著に示してくれたのが、荻野目洋子さんの『ダンシング・ヒーロー』です。ある高校のダンス部がコンテストで使用し、その動画をアップしたYouTubeで火が付き、昨年9月の総合チャートで2位に。『間違いじゃないか』という問い合わせが殺到しました(笑)。この順位がニュースで配信され、より世間の注目を集め、テレビ出演も急増。楽曲のダウンロードやストリーミングが伸びる結果になりました。我々のチャートが宣伝装置として大ヒットに結び付く機能があることを認識してもらえた機会になりました。

—チャートに関して、今後の目標は?

総合チャートにカラオケを入れたいです。カラオケ市場も音楽の接触という観点で見逃せないので。いろいろと交渉に時間がかかっていますが、日本のチャートの独自性を高めるためにも、何とか合算したいです。

—各局の音楽番組でビルボードジャパンの総合チャートが次々採用されているそうですね。

例えば昨年から『COUNT DOWN TV』(TBS系)で、我々のチャートを採用していただいています。日本のアーティストだけでなく、海外のアーティストの楽曲もチャートに入るのは、一般ユーザーや音楽業界にとっても自然なことではないでしょうか。

〝洋楽ファン〟、洋楽をたくさん聴いている人もきちんと存在していることが分かります。常々、チャートには〝共感性〟が必要だと考えていて、総合チャートの網羅性が高まれば高まるほど、より広範なユーザーにとっての共感性も高まるはずですから。

(了)

 

 


阪神コンテンツリンク ビルボード事業部 担当部長  ビルボードライブ東京( 総支配人)
(兼) ビルボード新規事業部  担当部長

礒崎 誠二(いそざき せいじ)

東京外国語大学卒業後、レコード会社のキティ・レコードに入社し、その後フリーを経て阪神コンテンツリンクに入社。
ビルボードジャパンのチャート・ディレクターをはじめ、音楽関連の事業を多岐にわたり担当している。

 

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